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愛なき一夜の贈り物 [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO1369
愛なき一夜の贈り物 The Sheikh's Secret Heir
( Bajul 5 ) 2015」
クリスティ・ゴールド 藤峰みちか





 原題は「シークの秘密の相続人」
 ヒロイン:キラ・ダージン(?歳)/王宮の管理責任者/コバルトブルーの瞳,つんと上を向いた鼻,華奢な顎の線,金色の肌/
 ヒーロー:タレク・アズマル(?歳)/実業家,実はバジュールの王子/鍛えられた脚,割れた腹筋,広い肩,黒い瞳/
 石油産出国バジュールを巡る物語です。すでにラフィーク,ザイン,アダンの3兄弟が揃い,それぞれに愛する人たちと幸せな生活を送っている王宮ですが,その王宮の管理人キラ・ダージンがヒロインとなります。キラは宮廷の庭師,料理人であったダージン夫妻とともに王宮の敷地内に住み,3兄弟に可愛がってもらった,いわゆる妹的存在でした。その王宮に客が一人やって来ます。王国の事業に投資するためにやって来た富豪で事業家のタレク・アズマルでした。実はタレクは先王の婚外子だったのですがその証拠は彼自身も持っておらず,実父だった養父が亡くなる直前に彼に告げたことだけがその事実を伝えることだったのです。従って王家の誰もそのことを知るものがいませんでした。シリーズ第3弾で末弟アダンの母が兄弟のナニーだったエレナだということが判明しますし,その他にも兄弟姉妹がいるかも知れないというのが3兄弟の共通の思いだったようです。終盤でタレクがそれを明かす場面が登場しますが,3兄弟はそれを驚くことなくすんなり受け入れてしまうのは,そういう事情があったからなのでしょう。タレク自身は実父だと思っていた父からその事実を聞かされ,先王ばかりでなく王家全体に憎しみを感じていました。そしてその思いを直接ぶつけるのではなく,自分を認めてくれなかった先王に認めさせたい思いで懸命に働き,事業を発展させて富豪となったのです。そして投資を口実に宮廷に入り込むことに成功します。しかし父である王はすでにこの世を去ってしまっていました。
 6週間前,キラはタレクと熱い一夜を過ごしたのです。その後全く音信がなかったのに再び目の前に現れたタレクは,キラに数週間自分の仕事を手伝って欲しいと,しかも国王ラフィークの許可はすでに得ているというのです。自分の仕事はその間前ナニーだったエレンが引き受けてくれるというのです。キプロス島での新しいリゾートの開設に伴う細部の判断にセンスと知恵を貸して欲しいというのがタレクの依頼でした。翌朝キラは診察を受けに王妃でありラフィークの妻マイサの元を訪れますが,マイサが下した診断は「妊娠している」という衝撃的な言葉でした。6週間前のあの一夜でタレクの子を身ごもったことがわかったのです。キラには「母はカナダ人で偏見がありませんが,父はバジュール出身で伝統を重んじるたちであり未婚の娘が子供を産むと知ったら喜ばないだろう」という事情がありました。しかしその両親は実の両親ではなく,キラは養女だったのです。タレクが父親としてふさわしい男性かどうかをキプロスに滞在する2週間のあいだに確認できるかも知れない。タレクが父親にふさわしいと判断したら妊娠のことを話そうと心に決めたキラはタレクとともにバジュールを後にします。このタレクとの会談のときの堂々とした態度がキラの性格と物怖じしない人生に対する自身のようなものを読者に感じさせます。タレクはキラが王族メヘディ家のことをよく知り,情報源になってくれるのではないかという企てを持っていました。「キラを利用する計画がうまくいかなければあらゆる手段を講じて確証を見つけ出そう。そして王家の息子たちに取り入り,やがては自分がバジュールの先王の婚外子であることを公にする。僕は彼らの兄なのだ。」と第1章が締めくくられます。各章の末尾が意味深な言葉で次の章への興味を惹きつける効果を狙い,読者をどんどんと物語へ引き込んでいく,これが本作の面白い点の一つです。第2章ではその晩の王家の晩餐の後,キラはタレクの依頼に同意しキプロスに同行すると返事をします。その条件として互いを愛人ではなく友人として信頼し合っていきたいとキラは提案します。「彼との間の信頼なんて,もろい砂糖菓子のようなものだ。私が何を隠しているか知れば,彼は私を二度と信頼しなくなるだろう。」とキラは考えますがタレクの方にも秘密があることをこの時キラは考えもしませんでした。ただこれ以上二人の関係の再燃は困ったことになるという想いだけで友人としてという提案をしたのでした。翌朝出かける前にエレナと仕事の引き継ぎをしているとき,タレクとキラの間に何かあったとエレナに感づかれてしまい,妊娠のことまで気付かれていたことに驚くと同時に,8年前に無情に捨てられた過去の経験を思い出してしまい,男性を信じてはいけないという過去の経験から慎重にならざるを得ないことを固く心に誓うのでした。第3章ではキプロスのタレクの邸宅に到着し,月2万ユーロで借りており管理人夫婦もいることに驚きます。第4章はキラは元婚約者のことを打ち明けます。カナダの大学で出会ったサウジアラビアのスルタンの息子で2年間つきあって婚約し,別れたこと,その理由は彼女がバジュールの王族の娘ではないことだったこと,実の両親は王宮の料理人と庭師だったことなどを明かし,反対にタレクのことを聞き出そうとしますが,タレクはキラを再び誘惑しようとします。しかしキラの今回の目的はタレクが父親としてふさわしいかどうかの判断をするためだということを思い出しなんとか誘惑の手を逃れます。「私という人間を尊重してもらいたいの。自分が単なる火遊びの相手ではないという実感が欲しいのよ。」「君に関することでは僕の誠実さを疑わないでくれ。君は並外れて素晴らしい女性だ。高い知性を持ちながら,官能的でもある。」とキラに惹かれていることを隠そうとしないタレク。ところが翌日タレクの元に「黒い瞳に金色の肌をした古典的美人」がやってきます。アテナ・クレリデスと名告る彼女は数年前からタレクの秘書兼恋人だった女性でした。キラに惹かれているタレクはアテナとの関係を清算しようとします。しかしアテナはキラがバジュールの料理人と庭師の娘であるという出自を話すと「あなたは使用人の娘なのね」といやみな言葉を残して去って行きます。タレクは庭で石工たちと一緒に作業していました。タレクは育ての父を尊敬し,母親が10歳の時に肺炎で亡くなったことを明かします。母親は先王との関係を自分に告げずに亡くなったことで心に傷を受けていたのかも知れないとキラは考えます。第5章の冒頭はタレクがキラに自分のプライバシーをあまり話したくないという述懐から始まります。プールで泳いでいるキラを見かけ,自分もプールに飛び込みます。「たいていの女は男性とは敗戦が違うのよ。女は時々自分の感情に支配されてしまうの。そうするとあの最も恐ろしい感情である愛が生じてしまったりするものなのよ。」「愛には論理が通じない」「愛はそもそも論理的じゃないわ。」「僕は人生において成功するために地に足をつけておくと決めたんだ」という二人の会話には男と女の気持ちの違いが見事に言い表されています。第6章では二人がパーティに出かけダンスをします。その後,タレクのヨットに行き,キラの方からタレクを誘惑します。「タレクはこれまで誰かを愛したことがなかった。タレクの人生において愛は裏切りを連れてやって来た。母親に裏切られ,父親だと思っていた男に裏切られた。自分の存在を否定した国王位裏切られた。だがキラは違うと思える。」ここでタレクはキラを愛しているのに気付いたのかも知れません。第7章でタレクはモロッコで引き取ったヤスミンという女の子の存在を明かします。「その子の養育であなたの果たす役割は何?」自分の子を愛してくれるかどうか判断するのにヤスミンに対するタレクの気持ちが役に立つかも知れない,そう考えたキラですが,捨てられた自分という過去を明らかにしてヤスミンへの同情を語ります。王宮の使用人だった両親とは別にカナダ人の実父母,たった15歳でキラを身ごもった母親とそのことを知った後に連絡を取ろうとしてもそれを拒否されたこと。しかし養父母である二人によって大切に愛情を持って育てられたことを感謝していることを話すキラに対してヤスミンは充分に世話を受けているからと愛を傾けることをしようとしないタレクの様子から,キラはこれから産まれる我が子にもタレクは愛情を注げないのではと落胆するのでした。そんなタレクを愛してしまっていることにキラは気付きます。キラはタレクに妊娠のことを話そうとしますが,それは二人の永遠の別れになるだろうとも思うのでした。第8章ではヨットから電話した王宮のエレナにヒントとなるタレクの母親のことを話すと,エレナは知っているかもしれないと言います。キラはタレクにヤスミンに弟か妹が欲しくないかと遠回しに言いながらついに妊娠のことを話すのでした。ここまでずいぶん引っ張ってきたなぁという感じですが,このことがタレクに知られることによって物語の展開が急転していくだろうと思っていたとおり,章の最後にタレクは自分の実の父親が先王のアーディル・メヘディであることをキラに明かすのです。これで双方の大きな秘密が明らかになります。そして,9章以降でタレクの母親と先王が実はタレクを捨てたのではなく当時の状況から王がスキャンダルに巻き込まれるのを防ぐために母はこの秘密を墓場まで持っていったこと。そしてそれを知っていた養父が先王も亡くなった今タレクにこのことを話してもスキャンダルにはならないだろうと判断して自分の死に際に秘密を明かしたこと,エレナが決定的な証拠をタレクの母親から預かっていたことなどが明かされていくのです。そして一族とキラの前で明かされるタレクの出自。ここが物語のクライマックスとなるのですが,その後の二人の関係とキラの出産,そしてその後の王家の人々との数年後が描かれていくので,本作がシリーズ最終巻の大団円だということが分かります。
 なにより美しさと知性と愛情深さを兼ね備え,堂々とタレクに太刀打ちしていくヒロイン,キラが全編を通じて煌めいているNICEなヒロインです。それまでの作品を読んでいなくても本作だけで楽しめるイチオシ作品です。


タグ:ディザイア
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フィアンセに片想い [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO1342
フィアンセに片想い His E-mail Order Wife
(愛と裏切りのコネリー家 8) 2002」
クリスティ・ゴールド 南 和子





 原題は「彼のEメールでオーダーした妻」
 ヒロイン:クリスティーナ・シモンズ(27歳)/教師/身長180センチ,豊かな胸とヒップの女性らしい体型,アイルランド系らしい赤褐色の髪,大きな茶色の瞳,ふっくらした唇,日に焼けた肌/
 ヒーロー:ドルー・コネリー(27歳)/繊維会社コネリー社海外経営担当副社長/青い目,ウエーブのかかった黒い髪/
 このブログの親ウェブ「ロマンスは危険」発足当時(2003年8月)から注目していたシリーズ「愛と裏切りのコネリー家」についに手を出し始めました。当時はまだノーラ・ロバーツやサンドラ・ブラウンといった大御所の作品,そしてのちに「富豪一族」シリーズからヒストリカルへと興味の対象を移していき始めたロマンス小説への入口にたどり着いたばかりの頃で,ディザイア作品にはあまり興味を持っていなかった時期でしたが,シリーズをまとめてみると1年間に及ぶ12冊のシリーズというのは出版的にもかなり充実した,また一面リスクにも直面したシリーズ翻訳になったのではないかと思います。連作シリーズは作家によって出来不出来の差が大きいときがあり,売れる,売れないの差が激しい面もあろうかと思いますが,読者側からしても読破にちょっと我慢のいる場合もあるのではないかと思います。クリスティ・ゴールド作品をまとめているうちに本作が目に入り,13年前に注目していた本シリーズを本格的に読みたいと思わせる作品に当たったように思います。第1作目から読んだわけではありませんので,シリーズの前提がよく分かりませんが,時折作品中に登場するコネリー家の人々が,シリーズを読み進めればわかるのだろうと半ば楽しみでもあります。かつて「富豪一族」シリーズを読み始めたときも,その全貌をとらえることはなかなか難しく,長期間かかって「伝説」や「肖像」に手を出していきましたが,その後すっかり飽きてしまい,またHQ側のPR不足もあってか全巻制覇はなかなか難しく,未だに取りそろえて・・・というわけにはいかなくなっています。また「チャッツ・フィールド」シリーズのような最近も原作が書き続けられているシリーズの訳もまだまだ原作を多数残したまま,シーズン○○という形で何年かにわたって断続的に出版されていくことだろうと思います。シリーズ物は登場人物がときおり再登場するため,旧知の人に出会ったように,その後どうなったの?という興味を惹くので安心感がありますが,同時に飽きっぽい私にとっては続けて読むことでちょっとうんざりしてくるという面があることも否めません。3部作からせいぜい6部作ぐらいまでが限界でしょうか。そういう意味でも本シリーズの全巻制覇まだまだ先の長い話になりますので,ここで全部読むぞと言う宣言はしないで置きたいと思います。
 さて,前置きが長くなりましたが,本作の魅力はなんといってもヒーローとヒロインの出会いの設定がユニークです。孫の再婚の心配をしている祖母のリリーが,孫ドルーの海外出張中にひ孫のアマンダ(マンディ)と共謀してドルーの再婚相手をウェブサイトへ紹介し,1カ月にわたってドルーになりすましてメールのやりとりをし,ドルーが帰国する日に合わせてシカゴのコネリー家を訪問させ,無理やり会わせてしまうという設定なのです。そしてマンディがその秘密をドルーに話してしまいます。「パパに奥さんを見つけてあげたの」という言葉とともに・・・。大柄で女性らしい体型のクリスティーナは,幼児教育の専門家。「見かけだけで男性から判断されてきた。平均以上の身長と豊かすぎるほどの胸やヒップをもてあますことはなくなってきたものの,違う体型だったら良かったのにと望んだことは一度や二度ではすまなかった」と自分の体型に自信のないクリスティーナですが,ドルーはそんなクリスティーナの内面の美しさに惹かれてしまうのです。すでにメールで何度も(往復50通ほど)言葉を交わしているマンディとクリスティーナは出会った瞬間から共感し合い,ドルーはそのことにも困惑してしまいます。仕事が忙しく亡き妻が悩んでいたことに気付かないまま薬の多量摂取で亡くなってしまった苦い経験から,もう同じ苦しみは味わいたくないと思っています。なんとか祖母のリリー・コネリーが自分になりすましてEメールを送っていたことを知られないうちに,クリスティーナにこの偽婚約の解消を申し出させたいと思いつつも,次第にクリスティーナから離れがたくなっていきます。マンディのお泊まりパジャマパーティへの参加や,亡くなった妻タリアの物であったピアノをマンディとクリスティーナが弾いている様子をみて,腹を立てながらも,幼児教育の専門家クリスティーのマンディへの接し方を見て,再婚もありかな?思い描くようになるのでした。クリスティーの方も出会った瞬間からドルーに惹かれるものの,両親から冷たくされて成長してきた自分がコネリー家のような大家族の中で戸惑いを感じていることに結婚への怖れを感じてもいるのです。ユーモアのセンスに富むクリスティーナとドルーの会話は次第に熱を帯びていきます。そしてジェニーヴァ湖の近くのロッジで家族で週末を過ごす計画を母親のエマ・コネリーに話したとき,クリスティーナを家族に紹介するように計画を立てられ,婚約者としてクリスティーナを家族に紹介せざるを得ないことになってしまいます。しかし互いの思いを二人ははっきりと言い出せず,それでも婚約者の振りをしているうちに,周囲はすっかりクリスティーナをドルーの婚約者として気に入ってしまいます。「ドルーにとって気晴らし以上の存在になりたい。彼のすべてになりたい。それ以下で納得することはできないわ。」という気持ちの高まりにクリスティーナは深い関係を望むようになって行きます。しかし亡き妻に対する思いをドルーが断ち切れないでいるだろうと一方でドルーを思いやることも忘れないクリスティーナでした。楽しいロッジでの週末の間にリリーが二人っきりにしてあげようと画策し,ついに二人は結ばれるのでした。ところが,Eメールを出したのがリリーだったことをマンディが明かしてしまい,クリスティーナは裏切られた気持ちになり,腹立ちの気持ちをドルーにぶつけるのでした。「明朝一番で家を出て行きます。」こう宣言するクリスティーナをなんとかなだめ,これからも彼女を守っていきたいと願うドルー。さて二人の関係は発展するのでしょうか・・・。
 お茶目で孫やひ孫を心配するリリーの大胆な行動。そして気付かないうちに息子の再婚相手としてクリスティーナを応援してしまうエマと,コネリー家の大家族主義に巻き込まれてしまうクリスティーナの幸福感が随所に伝わってくる温かい作品です。


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傷を負った天使 [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO1076
傷を負った天使 Doctor for Keeps
( For Keeps 2 ) 2000」
クリスティ・ゴールド 宮崎真紀





今月のHQ文庫のBEST-IMAGEです。ヒロインで看護師のミランダ(ランディ)・ブルックス,完璧な美貌と天使のような心の持ち主,長い髪で背中の火傷跡を隠すように伸ばしていた彼女が,ヒーローのリチャード(リック)・ジャンセンとの別れの後,髪を短く切ったときの様子が見事に表現されている表紙です。前作の「Cowboy for Keeps」は未訳?,ちょっとわかりませんが,「for keeps」=永遠にという意味を生かした作品なのでしょう。
さて本作のヒーローは小児形成外科医のリチャード・ジャンセン。養父母は子供が授からなかった分,養子を懸命に育てる心の広い暖かい両親。赤ん坊のときに引き取られ,弟,妹たちはいずれも大きな障害をもって引き取られてきた子どもたちです。医師としてそんな弟妹たちの面倒を見ながら,奨学金を得てダラス一の小児外科医と噂されるまでになったリックです。親友のマーク,アンジー夫妻とリックの名づけ子のエマとは深い交流をしています。そして週末はいつもメキシコで深い傷を負った子どもたちを無償で治療する仕事も掛け持っている忙しい毎日。一方ヒロインのミランダ(ランディ)は交通事故で両親と一緒に乗った車が大破,両親は亡くなり,命は助かったもののミランダは車から流れ出た油を浴び,その時の火災が衣服に燃え移り大きな火傷を負うという傷を受けます。その後祖母に引き取られ,数度の手術で火傷の治療をしますが,真皮には至らず,身体の皮膚を移植しても背中に跡が大きく残っています。学生時代に男性との交際があったものの,背中の傷を見て逃げ出されてしまい,それが心の大きな傷にもなっています。服の上からは全く見えないもの,いつもその傷を隠し続けようとして髪を伸ばしています。そんなリックとランディが出会ったのは,ランディの就職前夜のパーティ。たちまち二人の視線が絡み合い,そのまま男女の関係になってしまいます。翌日初出勤したランディはリックが同じ病院の医師であることを知り,昨夜の出来事は一夜の思い出でしかないとリックを突き放します。これから自分の人生を築いていこうとしている矢先,また男性に傷跡を見られて捨てられたくないという思いが強く,二人の関係の進展の上では重要な事柄でした。しかし,互いに求め合う愛の力の方が強くなり・・・。
エピローグの感動場面が読後感に強い印象を残す傑作です。


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シークと純真なナニー [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO930
シークと純真なナニー The Sheikh's Son 2014」
クリスティ・ゴールド すなみ 翔





「幻のシークと無垢な愛人(SHALOCKMEMO926)」「シークとの許されぬ結婚(SHALOCKMEMO927)」に続くバジュール(Bajul)国の3王子のシリーズの第3弾です。両えくぼのできる,男性としては,たくましさと愛嬌の両方を兼ね備えた末っ子王子のアダン。前2作でも兄たちのロマンスの成就に重要な役割を果たしてきましたが,自分自身は父王から認められなかったのは自分が婚外子だったのではないかと疑っていたからでした。本作ではその秘密が明かされます。本作のヒロイン,パイパー・マクアダンスは父の早世後,母親からも見捨てられ,祖父母の元で育てられました。しかし明るくいつも積極的な彼女の性格をかって,パイパーの祖父はバジュール国の水資源保護計画への参加契約のためにパイパーを送ることにしたのです。しかし,砂漠の国に向かう直前,開かれたパーティの場を逃れてホテルのバーで出会った魅力的な男性に自分と一夜を共にすることを提案するのでしたが,部屋までは行ったものの,パイパーの正体を知ったアダン王子から丁寧に送り出されてしまいます。A・Jと名告ったこの素敵な男性がバジュールの王子であり軍の最高司令官であることを知ったのはバジュールへ向かう王室専用ジェットの中でした。そして,客としてアダンの執務する部屋に招かれた直後,衝撃的なことにアダンの子供だとする赤ん坊を連れたアダンのかつての交際相手タリア・ソープが現れ,アダンに赤ん坊のサムエルを押しつけて出て行ってしまったのです。パイパーは母親に捨てられたこのサムエル(サム)に心からの愛情を感じます。かつて母親から捨てられた経験を持つ自分自身と比較してしまったからです。アダンはこの事態に,ショックを受けたものの,自分が父から大切にされなかった経験から自分がサムエルの父親として努力しようと決意するのでした。そんなアダンの姿を見てパイパーの中にアダンへの愛情が芽生えます。やがて宮殿の中でアダンやサムエルと近くの部屋を与えられたパイパーはアダンと協力してサムエルの世話をしながら,3兄弟のナニーだったエレナ・バッテリと仲良くなります。エレナは一目でパイパーが子供の母親としてもアダンの相手としても素晴らしい女性であることを見抜いたのでした。翌日変装してサムエルの必要なものを買いに行ったアダンとパイパーですが,店員に正体を見抜かれ買い物が終わる前にマスコミにかぎつけられてマイクを向けられてしまいます。とっさにサムエルを自分の子供だと行ってしまったパイパーをかばうためにアダンはサムエルが自分の子供でありパイパーは后だと答えてしまうのでした。偽りの妻としてサムエルの実母が写真撮影旅行から帰るまでの一カ月を友に過ごすことを承諾したパイパーは,その後,アダンからの誘惑に自分から答え,二人は素晴らしい相性であることを満喫するのでした。すっかり叱責されると思っていた国王ラフィールからも認められ,不思議な思いを持つアダン。それほどパイパーの存在はこれまでのアダンの交際相手とは異なっていたのでした。次第に帰国の日が近づくにつれてアダンはパイパーから距離を置くようになります。将来のない関係をこれ以上深めてしまうと別れが辛くなるからというアダンなりの配慮でした。そしてパイパーが知ってしまったアダンの出生の秘密。やがて帰国が近づいたパイパーは自分がアダンを愛していることと,本当の母親についてエレンに聴くように告げます。再び裏切られたと思ったアダンは即刻パイパーに帰国するように命じます。
数週間後パイパーの暮らす祖父の別荘にベビーカーを押して一人の男性が訪れます。そして夢にみた王子からの告白を聴くことができたのでした。一応の大団円としてエピローグが書かれていますが,終盤に宮殿に現れたキラという女官がちょっと次のヒロインになるのではないかという期待を持たせています("The Sheikh's Secret Heir")。そう言えば,パイパーの双子の片割れ,サニー・マクアダムスもちょっと登場しますから新たな展開("One Hot Desert Night")も期待できますね。シリーズはまだまだ続くようです。


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シークとの許されぬ結婚 [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO927
シークとの許されぬ結婚 One Night with the Sheikh 2013」
クリスティ・ゴールド 大谷真理子





前作「幻のシークと無垢な愛人」でバジュール国王の地位を兄のラフィークに譲ったザイン。そしてラフィークの妻リマと幼子が自動車事故で亡くなったことが明かされていますが,本作は事故の要因の一つが自分にあることを悔やむラフィークから始まります。幼少からの知り合いで初恋の相手だったドクター,マイサ・バラドに自分の心の傷を相談するラフィーク。二人の間にまだ互いを想う気持ちが残っていることは前作でもほのめかされていますが,マイサの側からは描かれていませんでした。ラフィークとの別れと無理矢理父親に結婚させられた相手ブトロスは,妻に暴力を振るう男だったのです。勇気を持って夫と離婚したマイサは,苦労しながらアメリカで医師免許を得て祖国に戻り,診療所の医師として診療費を払えない貧しい人たちの診療も引き受け地域の人たちから必要とされる医師になっていました。ザインと結婚したマディソンの妊娠を発見したのもマイサのお手柄だったのです。マイサはバジュール国の医療問題について最も実情を知っているとも言えます。マイサの兄シャミールは国の保健大臣ですが,国政の場では何かとラフィークに反抗的な態度を取っています。かつては自分の友人として自分に味方してくれると思っていたシャミールが実は自分の妻リマとも関係があったとはラフィークは知るよしもありません。マイサもつい最近そのことに気づき,ラフィークに告げようとしていたところ,ラフィークとマイサの関係を知ったシャミールがラフィークにそのことを暴露してしまうのです。そして二人の関係を理由に妹にも口止めし,さらには脅迫もしていたことがマイサの口から聞かされたラフィーク。妻の裏切り,友人の裏切り,さらには結婚前に妻が弟とも関係していたと知ったラフィークにマイサはもう一つの秘密まで話すことはできませんでした。その時にはすでにマイサはラフィークに対する愛を隠すことは出来なくなっていたからです。「わたしも愛しているわ。初めて会ったときからずっと。でも残念ながら,私たちは愛するだけでは足りない世界で生きているのね」というマイサの言葉は二人が国王と一般市民の離婚経験者というしがらみから逃れられないことを示しています。ここで登場してくるのが,前作でもザインに愛を貫くように助言した元兄弟たちの家庭教師で今では宮殿の家政部分を仕切っているエレナ・バッテリです。彼女には3兄弟とも一目置かざるを得ない母親代わりでもあり,教師でもあり,ナニーでもあったのですが,父王の愛人だったがエレナだという秘密が本作で明かされ,マイサを愛人のような立場に置いておくことが出来ないとラフィークに決意を促すのでした。さて,ラフィークはどんな決意を示すのか。意外な手段に打って出るラフィークです。まさか前作と同じように弟のアダンに王位を譲るのかと思いきや,そうではありませんでした。
第3作のアダンがヒーローとなる物語も間もなく翻訳が出るようです。


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幻のシークと無垢な愛人 [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO926
幻のシークと無垢な愛人 The Returne of the Sheikh 」
クリスティ・ゴールド 八坂よしみ





「その男性は祖国の王ではないかもしれない。でも,これからもずっとわたしの心の王でありつづけるだろう。」砂漠の国の王子3兄弟のミニ・シリーズです。第1弾の本作は,次男のザイン・メヘディ。父王は亡くなるとき後継者として長男のラフィークではなく次男のザインを指命したのでした。しかし,ザインは何かと不品行でパパラッチたちを喜ばせていた王子で,しかも長男のラフィークが父王の教えを忠実に守っていた7年間も祖国を留守にしていたのでした。そのザインが国に戻ってくるに当たって,戴冠式までの期間で国王としての品格や国民からの信頼を取り戻そうとラフィークは政治コンサルタントのマディソンと契約します。外交官だった父の移動に伴いマディソンは幼少からいくつもの国を回っており,ザインとも幼い頃出会っていたのでした。しかしその頃は眼鏡をかけて歯科矯正中であり髪の毛もまとまらないなど,今の姿とは雲泥の差だったので,きっとザインは憶えていないだろうと思っていました。初めは自分で出来るからとマディソンに非協力的な雰囲気だったザインですが,食い下がるマディソンに少しずつ協力することに同意していくザイン。初めはからかおうとして近づいたザインでしたが次第にマディソンの魅力に惹かれている自分に気づいていきます。マディソンもまたザインの魅力に負けそうになる自分を戒めるのでした。この仕事がうまくいけば自分のキャリアにとって大きなプラスになるからです。砂漠の国バジュールの長老たちは石油の採掘によって近隣の国のように豊かな国になることを主張していたのに対し,ザインは水質保全こそが国の将来にとって必要なことだという主張を持っていました。父王から支持されたことを理由に無理にでも自分の主張を認めさせようとするザインとの間に恋愛感情などを持ってしまえばせっかく素晴らしい国王になる夢を砕くことになってしまう,やがては王妃にふさわしい女性との政略結婚しか道は残されていない。二人の思いはこの点では一致していましたが,さらも父王が妻であるラフィークとザインの母を裏切っていたという,そして弟のアダンが産まれたということはザインの心に女性に対する不信感を植えつけ,絶対父王のようにはなるまいと言う強い決意を持っていました。将来のない二人の愛。そして自分が妊娠しづらい健康上の問題を抱えていることを秘密にしているマディソン。こんな二人がバジュールの美しい湖で互いを誘惑し合い,ついには宮殿に戻って一夜を共にするのでした。そしてその後,互いの思いを打ち切ることが出来ないままベッドを共にすることになれてしまう二人。愛しているの言葉こそ互いの立場の違いから口に出来ない二人でしたが,もし一生を添え遂げられれば素晴らしいことだという思いを二人とも抱えたまま,マディソンの妊娠がハッキリしてしまったのです。それは戴冠式の二日前というぎりぎりのところでした。戴冠式までというマディソンの契約にもかかわらず,マディソンはこのままではバジュールから離れることが出来ないと考え,戴冠式の早朝,宮殿を後にするのです。さて,国のために愛を犠牲にするか,愛のために王位をあきらめるかという究極の選択を迫られたザインが取った行動は・・・。次作では長男ラフィークの悲劇的な結婚と愛の遍歴が語られるようです。
原題の直訳は「シークの帰還」。ザインがバジュールに戻ることをも意味していますが,はたしてそれだけでしょうか。最終章でその二重の意味が明かされます。邦訳版の表紙のマディソンのイメージはちょっと違うような気がしますね。原作版のほうがその面影を正確に伝えているように思います。


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