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秘書の報われぬ夢 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1383
秘書の報われぬ夢 One Night to Wedding Vows
( Wedlocked 60 ) 2016」
キム・ローレンス 茅野久枝





 原題は「結婚の誓いへの一夜」
 ヒロイン:ラーラ・グレイ(?歳)/個人秘書/豊かな赤い巻き毛,細い顎,高くせり出した額,なだらかな頬,まっすぐな鼻,エメラルド色の瞳/
 ヒーロー:ラウル・ディ・ヴィットーリオ(?歳)/法律事務所経営者,イタリア名門貴族/身長190センチ,漆黒の眉とひげ,高くせり出した頬骨や額,鷲のような鼻と力強い顎の線/
 家族を大切にするイタリア人でありながら,次々に身近な人たちを亡くしていってしまうラウル・ディ・ヴィットーリオ。今最も頼りにしている祖父セルジオ・ディ・ヴィットーリオが余命数ヶ月のガンを患っていることを告げられ,暗い気持ちになります。祖母を亡くし,母を亡くし,父は自殺し,双子の兄を亡くし,妻と娘をも亡くしたラウルにとって,愛があっても自分には縁がないものと思い込まざるを得ない状況にあったのでした。唯一残された家族である祖父の意に沿うためにはどんなことでもしたい。そう考えていた矢先,祖父からはもうひ孫は見れないだろうが少なくとも嫁になる人と会いたいと強く望まれるのでした。すでに一度結婚し,妻には自分を愛しているのではなくお金に釣られたことを面と向かって言われ,意に沿わない妊娠と堕胎により娘を失ってしまったことを知らされたことにより,二度と結婚すまいと固く心に誓っていたラウルですが,祖父のこの希望は理解できるものでしたし,ディ・ヴィットーリオ家の最後の一人である自分に後継者ができれば家族ができることをも望む気持ちも強かったのです。そんなラウルに絶好の機会が訪れます。青年たちに道で絡まれていた女性をかばったところ,すぐさま自宅についてきて,しかも自ら深い関係を望んでくれたのです。それもすこぶる美しい女性でした。「賢明なリリーと奔放なラーラ」と周囲に思われている双子の姉妹の妹ラーラ・グレイ。それが彼女でした。「安全で安心できる,それが彼女の求める愛だった。友人たちは心奪われる情熱的な恋を願ったが,ラーラは安全と安心を望んだ。」そして上司が振られた恋人の代わりに個人秘書を誘ってやって来たイタリア旅行。上司に誘われた理由が元恋人の代わりだと知らされたとき,腹いせに自分にも恋人がいるんだと,そしてこれまでずっと機会がないまま持ち続けてきた純潔を捧げたいと思った男性こそ,自分を助けてくれたラウルだったのです。偉丈夫で逞しそうなこの男性こそ頼りがいがある人だと思った瞬間,純潔を捧げる覚悟ができたのでした。愛情ではなく欲望により深い関係を持った二人ですが,翌日ホテルに戻るラーラを送ったラウルは,自宅に戻るや,ラーラのことを調べ,帰りの飛行機の時間まで把握して,空港に向かったのです。病を患う祖父を慰めるため,期間限定の結婚をして欲しいという提案を持って。結局,上司に背いたことで職を失うことになってしまったラーラは,ラウルが次々に家族を失い,今まさに唯一の家族である祖父まで失おうとしていることに同情する気持ちをもち,この提案を受け入れます。そして慌ただしく結婚。しかも結婚式にやって来た母と姉は突然のこの結婚に心配な様子です。ラーラはこの結婚が期間限定であることは二人には話しませんでした。そして二人は互いに求め合う気持ちが結婚後も強く続き,ラーラはラウルを愛してしまいます。三ヶ月後妊娠に気付いたラーラ。そのことをラウルに告げようとしていたその時,祖父の危篤が告げられ,病院に向かったラーラは妊娠したことをセルジオに伝えることができたのです。しかし悲しみに暮れるラウルには告げる機会を逸してしまいます。
 ところがラーラの人生は順調ではありませんでした。突然の出血と流産。赤ん坊を失ったラーラは逆に積極的に活動し,体外受精まで考えます。姉のリリーが妊娠していることを知ったからでした。しかもシングルマザーになろうとしています。富豪の夫との間の子供は亡くなり,逆に姉はシングルマザーとなって娘エミリーと幸せになっている。「賢明なリリーと奔放なラーラ」とかつて言われていた双子の関係は「幸せなリリーと不幸せなラーラ」に変わってしまっていたのでした。ラウルとの間の関係も次第に難しくなっていき,ある日町で昼食を取っていると道路の向かいのホテルの前で夫と女性がキスしているのを見かけてしまいます。その相手はラウルの亡妻の親友ナオミでした。二人の元に猛然と駆けつけナオミを追い払ったラーラ。街頭でラーラはラウルを愛している,あなたはどうなのと問いただします。ラウルの沈黙がすべてを物語っていました。荷物をまとめ母の元に去って行くラーラ。「僕は何の価値もない男だ。ラーラはなぜこんな男を愛しているなどと言ったのだろう」という気持ちのラウルと,「私の人生そのものがゴミ箱行きなのだ。」と自虐的になるラーラ。この気持ちのすれ違いのままでは,二人の関係は永遠に平行線をたどっていくでしょう。さぁ作者はこの結末をどう付けるのでしょうか。
 目立たない方の姉がヒロインになるケースは多いのですが,華やかで目立つ方の妹をヒロインとした本作。不安感を抱きながらも強く生きて行こうとするラーラの幸せは最後の最後にやっと花開きます。感動の作品です。


タグ:ロマンス
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御曹子の恋 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1283
御曹子の恋 Mistress by Mistake
( Mistress Material 3 ) 2000」
キム・ローレンス 高木晶子




HQB-744
16.07/¥670/208p

R-1658
01.03/¥672/156p


 原題は「間違いの愛人」
 ヒロイン:イブ(イビー)・ゴードン(23歳)/造園師,アカシア通り6番地の下宿経営/濃い茶色の瞳,長身,長く綺麗な脚,短い黒い髪,漆黒のまつげ/
 ヒーロー:ドリュー・カミングス(36歳)/銀行家/四角い顎,青い瞳/
 「無防備すぎる。信じがたいほど率直で痛々しいほど真っ直ぐだからこそイブは他の女性と違うんだ。だからこそ僕はイブに惹かれたんだ。」とヒーローのドリューに言わしめた親分肌で魅力的な女性イブがヒロインです。大学教授だった両親を亡くした後,18歳から自立して5歳年下の弟ニックを育ててきたイブ。弟の幼なじみで親友のダニエルの両親とは顔見知りでしたが,ダニエルの叔父ドリューとは初めて出会います。昔からダニエルはドリュー叔父さんを崇拝し,なんでもそのまねをしていました。ダニエルの両親が旅行中,ドリューがダニエルの面倒を見るために滞在しています。ところで銀行家の御曹子と紹介されるドリューがどんな仕事をしているのかはどうもはっきりしません。そもそも仕事をしているのかさえはっきりしないのです。そしてドリューが婚約者に結婚式前日に逃げられてしまいそれ以来女性を信頼していないことをダニエルから聞いていましたが,実際に会ってみると,その傲慢で何でも命令口調,しかも女性蔑視の言い方にイブはかなり腹を立てながらも,ドリューを男性として意識してしまう自分にさらに腹を立てています。両親の残してくれたヴィクトリア朝の古い家に3人の下宿人を置き,庭師として仕事をしているイブですが,経済的にはニックを育てるのにぎりぎりの生活を送らざるを得ませんでした。そのため古い配線から出火し,何もかも失ってしまいます。困ったときになぜか駆けつけるドリューに頼ってしまいそうになるイブですが,ドリューの元婚約者のシャーロット(ロッティ)が現れるに至っては,自分などどうしてもロッティに勝てないと,そしてそれを認めたくないプライドの高さからドリューを無視しようとするのですが・・・。ロッティには隠された秘密があるのでした。最後にその秘密が明かされ,イブは心から最後の1パーセントまでドリューを信頼することが出来るようになるのです。
 火災で得た怪我の治療後にイブが住んでいるエミリー叔母の家の壁をドリューがよじ登ってイブの部屋に入っていったり,ドリューの腕にすがるように一緒にやって来たロッティに掘ったばかりの芋を土のついたまま渡していじわるしたり,なにかと二人の行動は滑稽で意地の張り合いという感じがするのですが,いつの間にか惹かれつつ愛し合ってしまう二人の間に一粒種が出来るのは微笑ましく,将来を応援したくなってしまうのもイブの魅力的な性格によるものだと思います。一気読み間違いなしの秀作です。


タグ:ロマンス
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愛は一夜だけ [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1248
愛は一夜だけ Her Nine Month Confession
( Oe Night With Consequences 11 ) 2015」
キム・ローレンス 山本翔子





 原題は「彼女の九ヶ月の告白」
 ヒロイン:リリー・グレイ(22歳)/大学の演劇科の助手,ホスピスのボランティア/両手つかめそうなほど細いウエスト,
 ヒーロー:ベネディクト(ベン)・ウォーレンダー(27歳)/投資家/端正な顔,彫刻刀で削ったような鋭角な顔,広い額,高い頬骨,がっしりした顎,濃い眉,高い鼻,大きい口,長い焦げ茶色のまつげに囲まれた青い目,オックスフォード大学出身/
 かつて女優で今は2歳の娘の子育てのため大学の演劇科の助手を務めるリリー。娘の父親で投資家のベン。リリーは母エリザベスにさえも娘エミリー・ローズの実の父親の名前を知らせていなかったのですが,実は母や家政婦をしているウォーレン家の屋敷ウォーレンコートの跡取りのベンこそ,その男性だったのです。約三年の間娘の父親であるベンにそのことを告げずにいたリリーですが,社会的にも地位があり,しかも自分の母,かつては父さえもその家の使用人であることで,スキャンダルを恐れて言い出せないままだったのでした。リリー自身も母が彼女を身ごもったことで父が結婚せざるを得なくなり,父が母に対して貧しいのはこの子のせいだと言っていたのを聞きつけ,自分が望まれずに生まれてきたという負い目を感じながら成長してきたのですが,自分もまた人に言えない子どもを出産してしまったことで,母と同じ運命をたどってしまったことを後悔しつつも,この子だけは誰の力も借りずに立派に育てていくことを決意し,全てを娘のために捧げていたのです。そんなリリーを母は陰ながら応援し,手伝い,リリーの幸せが一番大切だと言ってくれることに感謝の気持ちを抱いています。一方ヒーローのベンもまた自分のことを顧みず仕事一辺倒でいる母に対しては憎しみの気持ちしかもっておらず,事業の先行きが妖しくなっているにもかかわらず相変わらず古い手法で事業を自転車操業している祖父に,なんとか自分の実力で事業を再興したいと思って,いろいろと進言するのですが,頑固な祖父の気持ちを変えるところまでは行っていませんでした。屋敷でエリザベスがリリーの娘エミリー・ローズの世話をしているところに出くわしたベンは,コバルトブルーの目を見た瞬間,自分の子どもではないか気付いていてしまいます。子どもの年齢を聞いたベンは自分の子どもであると確信するのでした。やがて帰宅したリリーを問い詰めるベンに,リリーは「ごめんなさい」とあやまります。「嘘はついていない。ただ黙っていただけ」というリリーを非難するベンですが,リリーがベンに話さなかったのには訳があったのです。エミリー・ローズの妊娠中助産院の待合室で手にした本。そこにはベンの別れた恋人の手記が載っており,「ベンは婚約した五分後には怖じ気づき,すぐさまその気の毒な恋人を捨てた。彼は結婚恐怖症だ,破局の決定的な要因となったのは,彼が子どもを作るのを拒否したからだという。」と書かれているのを読んで,リリーはベンに妊娠のことを黙っていようと決意したのでした。「妊娠するまで,リリーは母親になりたいかどうかなんて考えたこともなかった。だが,ベンは父親にはならないと決めている。子どもを持ちたくないという理由で婚約を破棄した男性が,たった一夜の情事のせいで父親になると知って喜ぶはずがない。」というリリーの思いは,物語終盤まで根深く続いていくことになります。しかしベンに子どもの存在をしられた今,二人は今後どうしていくかを話し合わざるを得ませんでした。そして週末にベンは話し合いのためにリリーとの会合の場所を自家用ジェットで飛ぶ島に設定します。「片時も警戒を怠ってはだめよ,とリリーは自分に言い聞かせた。脅しには屈しないと心に決める。こちらが主導権を握らなくては。」というリリーの気持ちに母親としての子どもに対する強い思いが表れています。そんなリリーの思いをベンは自分の母と比較して,リリーに対する尊敬の念に打たれるのでした。二人で食事をしているとき,リリーの携帯に母からの連絡があります。娘が入院したというのです。取り乱すリリーを慰め,急いで自家用機に乗り込む二人。そして,イギリスに戻った二人にエミリー・ローズが血液の病気にかかっており,骨髄移植が必要だというのです。しかもリリーの骨髄は適合しないという医師に告げられ憔悴しきってしまうリリー。そんなリリーの様子に,ベンはリリーとエミリー・ローズを守ることが自分が最も望んでいることだと,自分の中の愛に気付くのでした。幸いベンの骨髄は適合し,移植も成功し,エミリー・ローズも健康を取り戻します。さて,リリーとベン,そしてエミリー・ローズの関係をどうするかという問題が残されるのですが・・・。ベンの祖父,そしてリリーの母の後押しも二人の関係によい結果をもたらすのですが,子どものことで頭がいっぱいのリリーにベンは愛していることを告げることがなかなか出来ずに読者をやきもきさせます。リリーもまた思い込みからベンの気持ちの変化に気付いてやることが出来ずにいます。そして相変わらずベンに惹かれてはいけないと自分に言い聞かせるのですが・・・。そんな時,リリーの双子の妹ララが突然訪ねてくるのでした。これをきっかけに二人が互いの気持ちを素直に打ち明けられるきっかけになるのです。
 エピローグはエミリー・ローズの愛らしい日記で締めくくられています。母親として子どもに対して最大限の努力を惜しまず,そして周囲の人たちにも頼ろうとしないリリーの独立心の強さ,そして最後には自分の弱さをさらけ出し,ベンとの関係に素直に身を委ねていく爽やかな態度に,ロマンス小説らしい充実感を得られる秀作です。


タグ:ロマンス
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嬉しくないプロポーズ [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1191
嬉しくないプロポーズ Accidental Baby
Expecting 15 ) 1999」
キム・ローレンス 漆原 麗




HQB-720
16.03/¥670/208p

R-1582
00.05/¥672/156p


 原題は「偶然できた赤ちゃん」
 ヒロイン:ジョー・スミス(27歳)/会計士/髪は黒
 ヒーロー:リーアム・ラファティ(29歳)/報道記者/193センチ,髪は黒,肌はオリーブ色,目立つ鼻と濃い眉。
 男女の友情はあり得るのか?恋人との別れの辛さから慰めを求めて友人の男性と一夜を過ごしてしまったヒロインが,結婚を取るか,独立を取るかと究極の選択を迫られるお話しです。「イングランド東部のイースト・アングリアで生まれ育って家も近く母親同士は学校時代の友人で」父親同士も獣医と馬のブリーダーという深い関係のスミス家とラファティ家。「こんな状況でのプロポーズなんて悲惨だわ」とリーアムとの結婚を頑なに拒むジョーは,とにかく独立心とプライドの高い女性です。会計士という職業柄というだけでなく,昔から友人としてしか見ていなかったリーアムとの結婚を拒む理由は「友情で結ばれた結婚はきっとうまくいくでしょうけど,わたしは燃えるものが欲しいのよ。」というのが理由です。一方リーアムの方は,キャリアを築き上げてきたジョーのこれまでの苦労を知っているだけに,結婚・出産によってジョーの仕事への情熱が邪魔されるのではないかと,申し訳ないという気持ちの方が初めは強かったのですが,自分の両親からもジョーの父親からも非難を浴び,なんとしても法的に結婚という形を取ることが責任を取ること,そして子どもの父親として将来をすごしたいという,男性として当たり前の気持ちでいたのでした。ところがところが・・・ジョーは結局結婚を承諾するのですが,結婚式の前日にもこの結婚を投げだそうとします。リーアムはジョーを説得できるのでしょうか。そして本当の夫婦になれるのでしょうか。はたまた,ジョーとリーアムの本音は?本当に子どものための結婚というだけなのでしょうか?
 ジョー・スミスといえば普通男性の名前ですがあえてそんな名前(ジョーはジョセフィーンかなんかの略かもしれませんが古風なのでジョーを本名にしたのかも?)にした作者の意図は詳細には語られていないように思いますが,男性並みに気の強い,短気で・・・ということなのかもしれませんね。HQB版の表紙のモデルさんはジョーのなんとなく投げやり,というより気怠げな雰囲気をあらわしていて,この結婚がうんざりだという気持ちを表しているように思います。ジョーの元恋人ジャスティン,リーアムに想いを寄せるスーザンなども絡んで,とにかく二人の会話と心理描写が楽しい作品です。


タグ:ロマンス
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恥知らずな求婚 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1126
恥知らずな求婚 The Sins of Sebastian Rey-Defoe
7つの愛の罪 3) 2015」
キム・ローレンス 山本みと





 秘書もの,シークものときてシリーズ3作目の本作は復讐譚です。まぁミイラ取りがミイラになるというお話しです。このシリーズ,シリーズとは銘打っていますが登場人物等に関連はなく,オムニバス風にまとめられたシリーズですので,それぞれ独立して読んでいいシリーズと言っていいかと思います。さて,大学生の時世間知らずだったマリは大学の講師に誘われるがママに惹かれて危うく・・・というところをセブに助けられます。冷酷な言葉と共に・・・。そしてその後二人の生活には関係がありませんでした。しかしセブが結婚するという記事を読んだマリは,セブに復讐しようと結婚式に乗り込み,「異議ありー,私たちの赤ちゃんは・・・」と大芝居を打ち,結婚式を中止させてしまいます。もともと便宜的な結婚と割り切っていたセブは,花嫁とその家族から失望されても大きな痛みは感じませんでした。それよりも,「曲線美のすばらしい身体」「左右対称の完璧な卵形の顔ではなく,」ふっくらした唇,大きな目,金色と赤の爆発したような派手な髪をもつマリに惹かれている自分に気付くのでした。どこかで会ったような・・・。かつて出会っていた二人ですが,セブはすっかり忘れていました。そしてセブの異父妹フルアとマリの双子の兄マークの間を邪魔したセブに復讐しようとしたマリの思惑をそこで知るのでした。事故で長期のリハビリを必要とすることになったマーク。その治療費とリハビリにかかる生活費を負担しようというセブの申し出を断りつつも,スキャンダルの埋め合わせの条件として偽りの結婚生活を1年半して欲しいと言うセブの申し出には嫌とは言えないマリでした。登記所での簡単な書類上の式を挙げた二人はスペインの祖母の元に向かいますが,もはや二人の間の互いを求め合う気持ちの高まりを留めることはできませんでした。そしてマリの妊娠。マリは,妊娠によってセブが便宜的な結婚をどう変更するのか不安でしたが,セブの気持ちはもうマリへの愛で一杯でした。しかしそれを口にすることはできませんでした。両親の何度も離婚結婚を繰り返す過去を目にして,愛と結婚を認めたくない気持ちが強かったからです。マリは両親に捨てられ,3度目の里親のもとでマークと幸せな家庭の中で成長してきたので,愛を信じる気持ちが強かったのです。そして披露パーティを開こうとした当日,マリとマークを捨てた父親が,ケータリング業者に変装してセブの書斎からものを持ち出そうとしているのをマリが見つけ,自分たちを捨てた父親が犯罪者であることを知ります。パーティの間中なんとか動揺を抑えていたマリですが,突然倒れ,流産してしまうのでした。さあ二人の便宜的結婚もこれまでか・・・。そうマリが思ったのも当然でしょう。犯罪者の父と流産,これ以上セブを苦しめるネタはないのですから・・・。セブはどう対処するのか・・・。
マリの,激情的ですがしっかりとしたプライドと深い愛情が共感を呼ぶこと間違いなしです。Nice_Hiroine!


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イヴの純潔 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1011
イヴの純潔 One Night with Morelli 2014」
キム・ローレンス 吉村エナ





「シークの冷たい求婚(SHALOCKMEMO848)」の関連作です。前作のヒロイン,ハンナの親友で女性用下着メーカーのデザイナー兼経営者のイヴ・カーティスは24歳ですが,今時珍しい初心で無垢な女性。そのイヴが恋をしてしまった相手はイタリア人実業家ドラコ・モレッリ。イヴの母親は妻子ある男性と恋に落ちイヴを出産したのですが10年前精神を病んでしまいます。イヴの父は爵位をもつ貴族でしたが,使用人だった母に手を付け挙げ句の果てに子供の出産を認めなかったのです。父に裏切られ,それでも母が父を慕い続けたあげくに精神を病んでしまったことで男性との幸せな結婚にはかなり慎重でした。そしてイヴ自身もかつて付き合っていた恋人に裏切られる経験をもっていたのです。そんなイヴを友人のハンナはいつも心配しています。そして身重になったハンナが最終場面で,臨月で自分では身動きが取れないにもかかわらず夫のスラナ王子を動かしてイヴのロマンスの成就に重大な貢献をすることになります。さて,ドラコに惹かれ始めたイヴですが,ドラコには離婚した妻と10代の娘ジョージーがいます。このジョージーが自分を捨てた母親ではなく父親を尊敬し,父親の幸せを願ってイヴと父親が付き合うことにいつも協力的に活躍します。とても素直で頭が切れ,愛嬌にあふれたジョージーがとてもいいキャラクターとなっています。いつかこのジョージーをヒロインにした作品を書いて欲しいものです。本作ではイヴの心の中,そしてイヴの誘惑に力を発揮するヒーローのドラコの心の中を交替に描くことによって,二人の身体の相性の良さに比較して精神的に純で無垢なイヴの成長と,愛を信じられなくなっているドラコの気持ちのすれ違いを巧みに描き,愛が成就していく様子を丹念に描いた王道派のロマンスを堂々と描く作品となっています。原題は「モレッリとの一夜」。一夜だけでは済まなくなる二人の心の動きと,ある一夜が二人に新たな未来をもたらしていくさまを巧みに言い当てたタイトルになっています。


タグ:ロマンス
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結婚式の夜に [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO997
結婚式の夜に The Wedding Night Baby 1997」
キム・ローレンス 山ノ内文枝





自分の恋人を奪って結婚式を挙げようとする従姉妹の式に単独ではとても参加できないとエスコート会社に派遣を依頼したのは,広告会社の個人秘書ジョージーナ・カンピオンの元を訪れたのは,ブルーの瞳にかすかな訛りのある低音の声,仕立ての良いスーツを着ているもののたくましい肉体と危険な雰囲気を漂わせている。この時期にこんなに日焼けしているのは何故?そして,カラム・スミスと名告った彼。結婚式の新婦である従姉妹のハリエットからはたっぷりと嫌みを言われ,以前の恋人だった新郎のアレックスからは,今日の装いを見て関係を再燃させたいような誘いの言葉があり,改めてこの人と結婚しなくて良かったと思わせられます。それに対して派遣されたカラムには,助けられたりこれまでにないような「あなたは美しい」という言葉やそぶりを聞かされます。母親には例によって辛らつな言葉を浴びせられ,気落ちしていたジョージーナは結局のところカラムと関係を持ってしまうのでした。夜明け前に慌てて自宅に帰ったジョージーナですが,翌週会社に出てみると新しいボスが出社しているとのこと。緊張して部屋に入ってみるとそこにいたのは,なんとカラムでした。しかもカラム・スミスではなくカラム・スチュワートとして。そして以前のボスであったカラムの伯父との不適切な関係を仄めかされ,自分が行きずりの人とでも関係を持つような身持ちの悪い女で,現在の地位を得たのは,伯父に対するとりいりと男を操るタイプの女だと面と向かって言われます。さらに会議の席でも役員のサイモン・メイからジョージーナを面と向かって罵倒するような恥ずかしい発言を繰り返されますが,それにはカラムがきっちりと釘を刺し,ジョージーナを擁護するのでした。ボスと不適切な関係を持ってしまった自分はきっとクビだろうとカラムに申し出たジョージーナですが,通告期限まではしっかり働いて欲しいと言われます。カラムは自分が会社の経営を引き継ぐのではなく,実力者のピーター・ルエリンを社長に据えることを役員に伝えていました。引き継ぎを終えた6週間後にはピーターはジョージーナを慰留するのですが,そのときすでにジョージーナは自分の身体に異変が表れていることを知り,退社を決めていたのでした。その後,彼女の妊娠の事実はカラムの知るところとなります。そしてフランスの彼の農園で過ごすように半ば強制的に連れて行かれ,出産までの期間を過ごすことになるのです。カラムを愛し,出産を決めたジョージーナに対し,子供は二人で育てようというカラムの言葉の中に自分への愛が入っていないと思い込んでいるジョージーナの気持ちは千々に乱れるのでした。そして農園の共同経営者の妹ジョシーがカラムへの愛をはばからずに公言するに至っては,自分は決してカラムに愛されないとジョージーナは強い確信を持つのでした。そしてカラムも家政婦もいない夜,ついにジョージーナに出産の兆候が現れます。数時間後に帰ってきたカラムはジョージーナを医者に運ぼうとしますが,もう間に合わないと判断したカラムは,自らの手で赤ん坊を取り上げるのでした。そしてレイチェルと名づけられた女児をどこでどのように育てるかそれが二人の間の懸案事項となります。カラムとレイチェルの間に自分の居場所はないと信じているジョージーナは一体どうするのでしょうか。互いに両親との関係をうまく作れなかったカラムとジョージーナが,親になってきちんと子供を育てられるだろうかと不安な気持ちを抱く反面,妊娠・出産という過程を経て新しい家族として未来に向かって進んでいこうとする姿が爽やかな作品です。


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シークと乙女 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO979
『シークと乙女 The Sheikh and the Virgin
サマーシズラー 2009 真夏の恋の物語」所収 2008』
キム・ローレンス 高木晶子





親友とその恋人のため相手の誤解どおりに話に乗り,砂漠の国ザフラトにやってきたベアトリス(ベア)・デブリン。親友エマとザフラトの王子ハリッドはロンドンで付き合い,結婚を考えており,エマは妊娠している。しかしハリッドの兄で皇太子であり実質的な王でもあるタリクがエマのフラットにやってきて,なぜかベアを連れて行く。実はベアとエマとハリッドの写った写真を見て,タリクはベアがハリッドと交際していると勘違いしたのでした。そしてハリッドと別れるように強く求めるタリク。「いわゆる美人顔ではない。意志の強そうな丸みを帯びた顎。小さくてちょっと上を向いた鼻。唇は少し大きすぎるが大きな瞳には猫を思わせる性的な魅力がある。背が高く,肩もしっかりして」いるベアに,タリクは写真を見たとたん,その魅力に惹かれ始めていたのでした。この女性は弟のハリッドにとって最悪の花嫁候補だと考えたタリク。タリク自身は結婚について,「古い伝統と文化がある王国を近代化するというやっかいな仕事に全力で協力してくれる女性を妻にする」という考えでいます。そこには愛は含まれていませんでした。タリクはてっきり王子であるハリッドをベアが罠にかけて利益を得ようとしていると考えていたのでした。その話を直接聞かされたベアは,どうやらタリクが自分とエマを取り違えて考えていることに気づきますが,二人の幸せを考えてみると,タリクの勘違いをそのままにして,自分が如何にハリッドにふさわしくない女性かを強調し,その後にエマがタリクの前に現れればきっとハリッドによりふさわしい女性として認められるはずだという計画を立てます。そこで自分をザフラトに招待することを条件にします。砂漠の国でハーレムに閉じ込められるのではと思っていたベアですが,タリクと二人でいるところを目撃され,結婚せざるを得ない状況になってしまいます。しかも反対すると思っていた父国王がタリクとベアの結婚を望んでいるというではありませんか。国でのタリクは国を近代化するためにいろいろなプロジェクトを立てそれを実践しようとしていますが,守旧派の族長たちからの抵抗も結構強いものがあるのです。そのため身を固めるということも国政の改革のためには有効な手段と考えます。ベアは意外なところで周囲の人々から受け入れられ,女性や子供たちのためになることを考え出す女性でした。しかし,弟の恋人を自分が取るわけにはいかないと板挟みに悩むタリク。やがてハリッドが怪我をしたという知らせが入り,タリクは駆けつけようとしますがベアは一緒に連れて行って欲しいと強く訴えます。病室でハリッドの世話を懸命にするベアを見て,タリクは更に苦しむのでした。そしてエマもザフラトに駆けつけ,ついに真実が明かされます。すっかり騙されていたことに気づいたタリクはベアを追い出します。さてこの後二人の関係はどうなるのでしょうか。ついにザフラトを去るベア。父国王がベアをすっかり気に入り,二人の関係修復に手を貸すところが微笑ましい感じです。全12章のシンデレラストーリーです。


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メイドという名の愛人 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO955
メイドという名の愛人 Maid for Montero 2013」
キム・ローレンス 山本みと





原題は「モンテロ家の家政婦」ですが,ヒロインのゾーイ・グレースが雇われたのは屋敷の管理人としてでありメイドではありません。ユニークなのはこのゾーイが不幸にして亡くなった姉夫婦の双子の姉弟を引き取り,初めての仕事でありながら村の人たちと協力しながら管理人としての仕事を懸命にしようとしていたことと,雇い主のイサンドロ・モンテロには結構歯に衣を着せずに言いながらも彼の男性的な魅力にすぐに参ってしまい,愛してしまうことです。気持ちを隠すことや,計算高く行動することなど思いもよらず,まっすぐで人からものを頼まれると嫌と言えず,自分の気持ちにも正直に生きるゾーイの性格,行動がとても爽やかで,今月読んだ作品の中ではもっとも素晴らしいヒロインです。
ヒーローのイサンドロの方は母が生きていた頃から父が母を裏切り,その後も女性に引っかかって財産をなくし,さらにまた結婚式を挙げようとしていること,さらに妻に裏切られて離婚していることから女性を信用しないことに頑なになっていたにもかかわらず,ゾーイと双子の子供たちにはすぐに心を開いてしまい,〔愛している」の言葉も意外とすんなり出てきてしまいますので,根はいい人の典型なのかなと思います。こんな二人なのできっと幸せな家庭が築けるでしょうね。とても心が温かくなるオススメの作品です。


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誘惑の構図 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO885
誘惑の構図 The Seduction Scheme 1999」
キム・ローレンス 槇 由子





セレクトで再版されていますが,ロマンス版R-1643(2001.01/¥672/156p)が初出です。
臨時秘書のレイチェル・フレンチはシングルマザーで20歳でチャーリーを出産し,その娘も今年10歳,30歳を迎えた。一方ヒーローのベネディクト・アーデンは祖母が残してくれた遺産であるオーストラリアの牧場の経営を立て直しにいっていて,久しぶりのイギリスへの帰国で,偶然家出をとがめられていたチャーリーに出会い,タクシー代を貸してくれと頼まれて,10歳の子供を夜にほおっている親にひと言文句を言ってやりたくてチャーリーを追いかけてきてレイチェルに出会うという偶然が重なった。しかし,ベネディクトはオーストラリアからの帰国でひげも剃らずに農夫のような格好をしていたために,レイチェルからかわいそうに思われ,謝礼をと言い出す始末。しかし,チャーリーはこの時,ベンの腕に高級な腕時計がされているのに気づき,貧しい人ではないことを見抜いていた。
ところが,週明けに秘書として雇ってくれた法律事務所を訪ねるとそこには,ベンが,高級スーツに身を包み・・・。騙されたと思ったレイチェルはベンに冷たい態度を取りますが,始めにあったときからその男性的な魅力に気づいていたことを隠すための照れ隠しでもありました。ベンのような男性がシングルマザーで特に有力な後ろ盾があるわけではない自分を愛人以外の存在としてみてはくれないだろうという思いで,誘いを掛けてくるベンの言葉には出来るだけノーと言い続けていきますが,その網をかいくぐってどんどん自分たちの生活に入り込んでくるベンとの関係にかすかな期待を持っていることも確かでした。しかし,ベンの父アーデン卿に婚約間近なサブリナとともに事務所にやってこられ,ベンの金目当てだろうと釘を刺されて,すっかり態度を硬化させるレイチェル。その後二人の関係がぎくしゃくしていきますが,チャーリーが時々からんでは二人の関係は少しずつ近づいて行きます。やがて父親にレイチェルが妊娠したことを匂わされたベンが結婚を申し込むと断るレイチェル。そしてそんな時,チャーリーと同じ目をしたチャーリーの父の兄が現れ,それをチャーリーの父と誤解したベンとの間に決定的な亀裂が・・・。
ストーリーテラー,キム・ローレンスらしいスピード感あふれる秀作です。


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