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ジャクリーン・バード ブログトップ

脅迫された花嫁 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1466
脅迫された花嫁 A Most Passionate Revenge
( Passion 8 ) 2000」
ジャクリーン・バード 漆原 麗




HQB-809
17.06/¥670/208p

HR-200
(地中海の恋人)
08.11/¥600/156p
R-1801
02.09/¥672/156p


 原題は「ある最も情熱的な復讐」
 ヒロイン:ロザリン(ローズ)・メイ(29歳)/医師/長身,長い脚,金褐色の髪,鮮やかな緑色の瞳/
 ヒーロー:ハビエル・バルデスピノ(39歳)/スペイン人銀行頭取/身長193センチ,たくましい体,ハンサムな顔立ち,漆黒の髪,焦げ茶色で興奮すると金色に輝く瞳/
 現代のムーア人の略奪婚とでも言えそうなストーリーです。夫ハビエルのツンデレぶりが炸裂することも当世風ですが,かといって激しいだけのロマンスストーリーかというとそんなことはなく,「お医者さんと看護婦さんごっこをしたい?」と最後の方の一句にあるように,コメディタッチの部分が時々顔を出し,それがちょっとおしゃれで可愛らしい雰囲気を一つの底流として忍ばせる結果になり,本作をあたたかい雰囲気に仕上げています。スペイン人の頑固で誇り高い,しかも伝統を大切にする国民性を体現するバルデスピノ一族。「193センチのたくましい体にハンサムな顔立ちに漆黒の髪。焦げ茶色の瞳」のハビエルは10年前,大学入学の資金稼ぎをしていたアルバイトでモデルをしていたロザリン(ローズ)と出会い,互いに目眩く一夜を過ごします。しかし,二人の間を裂いたのはハビエルの親友セバスチャンでした。セバスチャンはハビエルに憧れる妹カティアの気持ちをなんとか達成させたいと,ハビエルとロザリンが結ばれないように,二人の間に互いに疑心を抱かせるように嘘を重ねたのでした。結果,不幸な事故で大火傷を負ったハビエルが入院している間にカティアに看護をさせ,数ヶ月後に二人を夫婦にしてしまいます。一方傷心のロザリンはイギリスに帰って医師になるための大学生活を送りますが,妊娠に気付き,ハビエルに連絡を取ろうとしますが,間にセバスチャンが入り込み,ハビエルが婚約し,結婚間近だと,そしてハビエルが愛しているのはカティアだと嘘をつくのでした。この時電話に出たのがセバスチャンであったことも偶然であり,その偶然を生かしたセバスチャンの陰謀勝ちだったわけですが,電話の内容を聞いたロザリンはそのショックで流産してしまい,以来ハビエルには一切連絡を取ろうとしませんでした。そして見事医者になったロザリンは,医者だった両親と同じように世界中を飛び回り海外医療援助機関の医者として,3年間殆ど休暇も取らずに緊急の治療を必要としている人々に手を差し伸べてきたのでした。そんなロザリンの様子を見ていた上司が3カ月間の休暇をとるよう彼女に命じます。それを待ちかねていたのは,両親亡き後彼女の世話をしてくれた叔父夫婦の娘で従妹のアンでした。アンは恋人ジェイミーとの結婚を許してもらうためにジェイミーの一家の長であり,従兄の男性を叔父夫婦と一緒に迎えて欲しいと頼むのです。その従兄こそ,あのハビエルでした。当初10年前の19歳のころとはまったく落ち着き方も異なる医師としてのロザリンに気づかないでいる様子のハビエルにホッとしたロザリンですが,どうしても自分を捨てて流産の原因となったハビエルに冷たい態度をとってしまうのでした。叔父夫婦やアンになんとかハビエルに誠実に対応して欲しいと頼み込まれ,もう29歳になった自分がいつまでも19歳の時を引きずってはいけないと思い直し,普通の会話を心がけますが・・・。その後,ハビエルやジェイミーの祖父ドン・パブロ・オルテガ・バルデスピノが79歳で心臓が弱く病気がちで旅行ができず,婚約の挨拶にスペインに行くときに独身のアンがジェイミーと行動を共にすることはスペインではゆるされないので,お目付役としてロザリンについて行って欲しいと頼まれたとき,たとえ数日でもハビエルと行動を共にするのは気持ち的に自信がないと考えたロザリンはその要請を断ろうとするのですが,一家の財政的な部分はハビエルがすべて把握しており,自分たちの結婚のためにはハビエルの言うことには逆らえないと必死で頼み込むアンの気持ちに負けて,ロザリンは仕方なく一行について行くことになるのでした。そして,10年前のことを逆に恨んでいるハビエルにより強引にプロポーズされ,祖父がハビエルとロザリンの結婚によって少しでも息を長らえることができると説得されると医師としてその申し出を断ることができなくなり・・・。と急速にストーリーが進展していくのですが,ハビエルの亡妻カティアの存在,そして時々現れるイザベルというハビエルに甘えてくる女性の存在などに嫉妬を感じる自分の気持ちにロザリンは未だにハビエルを愛し続けていることに気づいていくのです。時に冷たく自分の思いどおりに人を動かそうとするハビエルと,時に限りなく優しくなるハビエル,そして激しく欲望をぶつけてくるハビエルと時々に違った姿を見せるハビエルに戸惑うロザリンですが,どんなハビエルにも自分は愛を感じてしまうことにロザリンは幸せを感じていくのでした。そして,ついに祖父のドン・パブロを看取ることになってしまうロザリン。その葬儀のあとのパーティで,ロザリンとハビエルとセバスチャンの秘密が明かされていくのです。
 絶世の美女でありながらそのことに気づいていないロザリンの天然さと愛情深さ,ツンデレながら絶対的なカリスマ性を持ちながら後悔を背負って10年を過ごしてきたハビエルの心の傷を中心テーマとして描き上げたジャクリーン・バードらしいイチオシ作品です。


タグ:ロマンス
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氷の結婚 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1302
氷の結婚 Husband on Trust
( Greek Tycoons 4 ) 2000」
ジャクリーン・バード すなみ 翔




HQSP-84
15.04/¥540/201p

R-1649
01.02/¥672/156p


 原題は「信頼できる夫」
 ヒロイン:リサ・ローソン(23歳)/同族会社「ローソン・デザイナー・ガラス」経営者/175センチの長身,抜群のプロポーション,つんとそり上がった胸,細いウエスト,引き締まったヒップ,すらりと伸びた長い脚,プラチナ色の筋が混じった金髪/
 ヒーロー:アレックス・ソロモス(35歳)/巨大企業「ソロモス・インターナショナル」の代表者/筋肉質の体に185センチの長身,濃い茶色の目,きりりとした眉,びしっと通った鼻筋/
 同族会社の企業乗っ取りにからむ夫婦のトラブルを題材に夫婦の信頼をテーマにした作品です。ビジネスの世界では誰も信頼できない。たとえ愛する夫でも。企業乗っ取りのためには結婚すらビジネスの対象とするかもしれない夫を愛してしまった女性リサがヒロインです。自身親から受け継いだ会社の株52パーセントをもつリサは,母の死後,社会への還元で善行を施そうと5パーセントを寄付します。義父が13パーセントをもっていますが,義父の息子,義理の兄はかつて自分に言い寄った信用できない男性。義父は母亡き後も自分を大切にしてくれており,信頼できるのですがそれでもいい加減な男である自分の息子には弱い面があります。残り35パーセントは共同経営者のリー家がもっていますが,これも含めて義父のもつ株を義兄が哀れっぽく頼み込んだらどうなるか分かりません。そんな状況になった時あの寄付した5パーセントの株が会社の経営権を維持するためにはどうにも必要になってくるのです。しかしそのことに気付いたのは自分が夫に騙されていたことに気付いた後でした。夫はギリシア人で大企業の代表者アレックス。その男性的な魅力にすっかりメロメロになりあっという間にそのプロポーズを受け入れ結婚したのですが,夫の企業の子会社が自社の株を取得していたことに気付いたのはずっと後のことでした。そして夫の不倫の現場を見て離婚を切り出したとき,会社そのものを奪われつつあることにやっと気付いたのです。そして,リサは義兄と夫が結託していることを深夜の二人の会話を偶然耳にしたとき知らされます。二人の結婚が企業乗っ取りが目的であったことに・・・。もはや夫は信頼できない,会社も奪われ,結婚生活も失敗に終わってしまい,自分はこの後どう生きたら良いのだろう。義父の株はやはり夫がすでに買い取っており,残った株もすでに子会社買い占めていました。もう会社株の53パーセントは夫の手に渡っていたのです。そして夫は,「君を守るため」と下手な言い訳をします。「そうよ,彼にとってはわたしそのものがジョークなのよ。無知で世間知らずで,好きなとき好きなように利用できるただの人形。」「あなたは悪魔よ。肉体で私を虜にして全てを奪った。」「あんな道義心のかけらもない男に,いったいなんだって恋してしまったのかしら?女性の純真さにつけいり,まんまと結婚にこぎ着け,そして最も残忍なことに,その女性の相続財産を奪うなんて。」「そして,彼が愛を信じていないことも・・・」「こんな人を愛しているなんて,どうかしている。愛するに値しない人なのに。」こんな思いを夫に抱いたときですら,リサは夫に会うと夫に惹かれてしまう自分と戦い続けているのです。夫の行動にはなにか理由があるのでしょうか。こんな自分を傷つけて・・・。終結部分でそれが明らかにされますが,全編をちょっと悲しい雰囲気が漂い続ける作品です。


タグ:ロマンス
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二人のバレンタイン [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1268
二人のバレンタイン The Valentine Child
( Wedlocked 8 ) 1995」
ジャクリーン・バード 春野ひろこ




HQB-641
15.02/¥670/200p

R-1738
02.01/¥672/156p


 原題は「バレンタインの子供」
 ヒロイン:ゾーイ・ギフォード(25歳)/グラフィック・アーティスト,両親は俳優で飛行機事故死/シルバー・ブロンドの髪,小柄でマイセン焼きの人形のような卵形の顔,つんと上を向いた胸,細いウエスト,サファイアブルーの瞳/
 ヒーロー:ジャスティン・ギフォード(39歳)/国際法専門弁護士/180センチ以上,濃い茶色の瞳,漆黒の髪,オリーブがかった肌,スペイン系/
 20歳で結婚し,21歳の誕生日パーティをバレンタインデーに祝ってもらっていた幸せ絶頂のゾーイに,訪問客の噂話が聞こえてしまいました。夫のジャスティンは,ゾーイの伯父に頼まれて法律事務所を経営することと引き替えにゾーイとの結婚を承諾した,というものでした。14歳から憧れてやっと結婚した相手が自分を愛してくれていない,しかも夫からだと思っていた毎年送られてきたバレンタインカードの贈り主が客としてやって来た両親の親友でハリウッドスターのウエイン・サットン(ウエインが姓ではなく名前の方だということが面白い)だと知ったから,二重の意味で傷つくのでした。そして極めつけは夫と同じ事務所の所属する若手弁護士の連れは,ゾーイの18歳の誕生パーティに夫が連れてきた恋人のジャネット・オードも現れ,自分とジャスティンの関係が続いていることを匂わせたことに及んでは,もはや夫を信頼することができないという思いに駆られてしまいます。その夜自分を求める夫に応えつつも,ゾーイはアメリカに帰ることを決意し,ウエインに当座の住まいを頼み込むのでした。そして4年が過ぎます。
 アメリカに帰ってから生まれたジャスティンとの愛しの息子をゾーイはバレンタイン(バル)と名づけ,美術学校で学んだ技術を生かして手書きの絵はがきを売る仕事を始め,商売としても成功を収めています。ところが貧血がちになったバルの病気を専門医に見せたところ,ファンコーニ貧血症(先天性再生不良性貧血=35万人に一人の割合の遺伝子疾患)であることが判明し,骨髄移植が唯一の治療法だということ。父親であるジャスティンの骨髄移植か,あるいはもう一人自分が子供を産めば子供からの骨髄移植でもかまわないという医師のすすめを得たのです。4年間も息子の存在を秘密にしてきたことが知られれば,きっとジャスティンは怒り狂う。それよりももう一度イギリスに渡ってジャスティンを誘惑し,自分が妊娠すればいいと考えたゾーイ。自分を裏切った夫であれ息子のためならどんなことでもする覚悟のゾーイでした。本作は1995年の作品ですが,ロンドン,ニューヨーク間にはまだコンコルドが飛んでいます(2003年にコンコルドが完全に退役)。メーン州の家からニューヨーク経由でコンコルドでロンドンに向かったゾーイ。少なくとも通常の旅客機より倍も値段のするコンコルドに乗るだけの経済的余裕があったのは,両親が残してくれた遺産のおかげでしょう。両親の親友だったウエインが遺産管理をしてくれていたのでした。そして,ジャスティンの住まいを訪ねたゾーイ。うまい具合に誘惑に乗ってくれてジャスティンはゾーイと深い関係を持つのですが,ゾーイもまたジャスティンに対する熱い思いが消えていないことを思い知らされます。勇気を持ってバルの存在を告げたゾーイ。しかもジャスティンは事情を聞きバルが自分とゾーイとの間の息子であることを確信した様子です。ところがジャスティンの住まいを訪れたときに居た女性はゾーイの顔を見るといきなり「何しに来た」と激しい言葉をかけるではありませんか。この女性は実はジャスティンの異母妹ジェスだったのですが,別居後に出来た新しい恋人だと思い込んだゾーイは,心穏やかではありません。とにかくロンドン訪問の目的は果たしたのですが,ジャスティンはすぐにアメリカに行き適合検査を受けると言い出します。電話でバルと話をしたジャスティンは,間髪を入れず日程調整をし,二人は再びコンコルドで帰米します。幸いジャスティンの骨髄が適合することが判明し,感謝の言葉を述べた矢先,廊下ですれ違った医師が,「自分が妊娠すればいい」とアドバイスしたことをジャスティンにバラしてしまい,ジャスティンはプライドを傷つけられて激高するのでした。
 なんとも早とちりで,勝手な思い込みをしやすいゾーイです。一回り以上も年の離れた女性を守りたい気持ちからジャスティンは詳しいことを話さないでしまうところにも二人のすれ違いの原因があるのですが,それにしても「どうして」という率直な言葉を言い出せないゾーイに,そしてそんなゾーイの本姓を見抜けないでいるジャスティンにも原因はあるのでしょうが・・・。このあと二人の関係はどうなるのでしょうか。ある人のアドバイスで意外とあっさり解決を見るところが,とてもすっきりしていて読後感のいい作品です。


タグ:ロマンス
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天使の誘惑 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1261
天使の誘惑 Guilty Passion 1992」
ジャクリーン・バード 柊 羊子




K-286
15.01/¥670/156p

R-1761
02.04/¥672/156p


 原題は「やましい情熱」
 ヒロイン:レベッカ(ベッキー)・ブラケットグリーン(22歳)/大学研究助手/身長152センチ,すみれ色の瞳,長い黒髪/
 ヒーロー:ベネディクト(ベン)・マクスウェル(34歳)/人類学者/濃い金褐色の瞳,身長180センチ位,広い肩幅,厚い胸,引き締まった腰,驚くほど長い脚,長めの黒い髪,広い額,黒く濃い眉,高いかぎ鼻,角張った顎/
 ベンに出会ってすぐに恋に落ちてしまった22歳のレベッカは,付き合う度にベンに惹かれていきます。周囲の人たちもベンには注意するように忠告してくれますが,恋するレベッカには役に立ちません。時々ベンが見せる自分に対する冷たい目線が何を意味するのかも気付きませんでした。オックスフォードで研究助手を務め,就職のために教職課程を取りたいと考えているレベッカは17歳のとき,ある男性と交際した期間がありました。しかしその男性が事故で亡くなり,深い関係になる前に失ってしまっていたのでした。ところがその男性こそ,ベンの父親違いの弟ゴードンだったのです。ベンはレベッカが弟の死に関係していると母から聞き,レベッカを自分の魅力で惹きつけ,最後の土壇場でこの事実を知らせて復讐しようと思っていたのです。自分が愛してしまった相手,婚約までした相手に愛されるより憎まれていると知ったレベッカ。それから時を遡り,ゴードンとレベッカの過ごした日々の回想が綴られます。しかし,ゴードンの事故死をベンとゴードンの母は,レベッカのせいだとベンに告げていたのでした。しかも当時ゴードンの死が「事故か自殺か」と三流紙に報じられてしまったこともあり,「小柄なロリータ」と報じられたレベッカを恨む気持ちを抱き続けてきたベンが,レベッカを弟の敵と考えたことも当然のことでした。それに気付かず,姓も違うため事情を知らずにベンを愛してしまったレベッカ。そしてベンの正体が単なる人類学者というだけでなく,「M&M(モンテーヌ&マクスウェル)」という電子機器会社の経営者であることが知らされたことによって,それに追い打ちをかけます。それを彼女に告げたのはベンの腕に寄りかかるのが得意なフィオナ・グリーヴズというとびきりの美女とあっては,なおさらレベッカを落ち込ませることになるのでした。
 5年後,シングルマザーとなり,教員として働いているレベッカ。課外活動で生徒を引率してフランスの海岸に出かけたレベッカは偶然ベンに出会ってしまいます。この再会場面に結構なページが割かれていますので,本作の謂わば中心部分の一つです。他の教員や生徒たちにたちまち取り入ってしまうベン。レベッカはベントの出会いを極力避けたかったのですが,周囲からはやし立てられてベンと食事をすることになってしまいます。5年経ってもベンの魅力は損なわれていませんでした。5年前,レベッカがベンの元を立ち去ったとき,ベンは弟ゴードンの死の真相を母親ではなく叔父に確認してみたのでした。そしてレベッカのいうとおり事故であったことを知り,レベッカに対して取ってきた行動を謝罪したいと思っていたのですが,なかなかレベッカの所在が分からず,探しあぐねていたのでした。そして帰国後,ベンがレベッカの元を探し出してきます。レベッカは,「彼が今,私を求めているということは疑いようがない。でも,明日はどうなの?その先の未来は?いいえ,ベネディクトとの間に未来なんてないのよ。」そして,そこにはベンとの間の子ダニエルがいるのを隠し切れなくなってしまいます。ベンはすでにレベッカの同僚からダニエルのことを聞き,5年間その存在をベンに知らせなかったとレベッカを責めるのでした。そしてレベッカに自分との結婚を迫るベン。そこに昼寝から起きてきたダニエルがやってきて,ベンは自分がパパだと名告ってしまいます。混乱すると思っていたダニエルはベンがパパだと聞いて大喜びしているではありませんか。自分が必死で育ててきたダニエルがこんなにも父親を欲しがっていたとは,と傷つくレベッカ。一度は結婚を断るレベッカですが法的手段に訴えてもダニエルを手に入れると脅すベンに,5年前と同じようにこの結婚もまたダニエルの存在をベン知らせなかったことへの復讐なのだと確信するレベッカでした。さらに,あのフィオナ・グリーヴズがベンの会社に勤めていることを知り,「彼が欲しいのは子供だもの。大きくなってさほど母親が必要でなくなったら,あなたはお払い箱よ」というフィオナの言葉に傷つくレベッカ。そして二人の結婚式が行われます。全てを3日間で準備したベン。レベッカの花嫁衣装ですらベンが全て独断で準備したのでした。ダニエルはすっかりパパを好きになり,自分は母親の務めだけ果たそうと決意するレベッカですがベンに愛されていないことへの不安は消えません。二人の結婚生活は惨憺たるものでした。唯一ダニエルを間に挟むときは二人は仲むつまじい夫婦ですが二人きりになると気持ちのすれ違いが明白でした。数日後寝ているベンが突然熱病にうなされたように叫んでいるのに気付いたレベッカ。人類学者としてフィールドワークにいっている間にかかったマラリアに似た病が時々出てきたのでした。主治医を呼び,なんとか落ち着いたベンを見てレベッカはやはりベンを愛し,愛おしく思っていることに気付き,しかも弱ったベンがレベッカに「愛している」と告白するのでした。二人の間には不幸なすれ違いにより何年もの間不信が心が渦巻いてきたのですが,本当は初めて出会ったときから愛がしっかり根付いていたのです。そして紆余曲折を経てそのことを素直に言い合える関係にやっとたどり着いたのでした。「信じられないわ。大きなあなたが152センチのわたしにおびえるなんて。」「そのすみれ色の瞳で冷たくにらまれるだけで充分だよ。知らなかったのかい?」という軽口の応酬が,すでに二人の気持ちが完全に一致したことを思わせる巧みな表現になっています。


タグ:ロマンス
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伯爵家のシンデレラ [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1260
伯爵家のシンデレラ The Italian's Runaway Bride 2001」
ジャクリーン・バード 加藤由紀





 原題は「イタリア人の逃げだした妻」
 ヒロイン:ケリー・マッケンジー(21歳)/化学者,ベルトーニ家の臨時ナニー/シルバーブロンドの髪,野性的な青い目,肉感的な唇,豊かな胸,ほっそりしたウエスト,長い脚/
 ヒーロー:ジャンフランコ(ジャンニ)・マルディーニ(31歳)/企業家,イタリアの伯爵/180センチを越える身長,広い肩,引き締まった腰,長い脚,黒い瞳,豊かな黒い巻き毛と眉/
 7月発売のHQ文庫をHQロマンスのKINDLE版で読みました。イタリア人伯爵と正体を知らずに漁師と勘違いして出会い,深い関係を持ってしまった若いケリーのシンデレラストーリー,と思いきや,小姑ともいうべき伯爵の義姉未亡人の徹底した虐めに負けずに伯爵の愛を獲得していくまでの成長譚でした。親友ジュディの初産を助けるためにベルトーニ家で夏の間だけナニーのアルバイトをしてた大学を卒業したばかりのケリーは,イタリアの海岸でハンサムな漁師と思しき男性と知り合います。初心なケリーはたちまちジャンフランコ(ジャンニ)に夢中になり,デートを重ね,深い関係を持ってしまうのでした。そしてジュディと出かけた野外オペラの会場で出会ったジャンニが漁師ではなくジャンフランコ・マルディーニ伯爵だと知ったケリーは裏切られた思いと,ジャンニのそばにひっついている美女の姿に傷つきます。しかもこの美女がジャンニの亡き兄の妻だったことにも。「彼はジャンフランコ・マルディーニ。信じられないほど傲慢で不誠実な男」と気付いたケリーは,急遽ジュディ夫妻と帰国し,この子を一人で産んで育てようと決意します。それから数ヶ月後の一月の金曜日の夜,突然ジャンニが現れます。「君を守ることは僕の使命だ。君は僕の子供の母親なんだから」というジャンニの言葉に深く傷つくケリー。ジャンニが求めているのは自分ではなく子供なのだということに・・・。そしてあれよあれよと言うままに子供のために結婚してしまった二人。しかし結婚はゴールではなくこれから始まる受難のスタートに過ぎませんでした。両親を失い学業では素晴らしい成績を修め化学者として政府の研究所で働く予定になっていたケリーですが,貴族の家の奥様になるということは予想もしていませんでした。しかも,その家には義母と義姉まで同居していたのです。仕事の忙しいジャンニは,帰宅するとケリーに優しくするのですが,数日間の出張も多く,日中はケリーの体を心配して外出も許可されないのです。しかも義姉のオリビアが隠れてケリーに意地悪をすることをジャンニに告げても取り合ってくれません。唯一メイドのアンナだけが味方で他の使用人はケリーには冷たく接するのでした。独りぼっちで嫁いできた嫁ぎ先で夫は母と義姉の言うことしか信じず,孤独な生活をせざるを得ないケリー。夫が出張中のある晩,義姉オリビアは「ケリーを財産目当てのあばずれ女とののしり,ジャンニはケリーを愛していない,愛しているのは子供だけだ」と言い,反論しかけたケリーにワインを浴びせたのでした。そして帰宅したジャンニ書斎で義姉と抱き合っている姿を見かけたケリーは遂に,カーサ・マルディーニを跡にします。
 それから3年。ケリーは一人娘アンナ・ルイーズ,通称アナルウと二人で幸せに暮らしていました。そこにジャンニがやってくるのですが・・・。結局再びイタリアに連れ戻されたケリーとアナルウ。しかしそこにはあの底意地の悪いオリビアの姿はありませんでした。ほぼ狂気に駆られていたとしか思えなかったオリビアの行動の理由や,ジャンニがもうこれ以上子供は要らないと言っていた理由も丁寧に説明され,物語はハッピーエンドに向かうのですが,世間知らずだったケリーも出産して3年間の間に大人として成長し,ジャンニの行動や義母の行動を許すだけの精神的成長も遂げていたのです。この当たりの作者の描き方も素晴らしく,そして用意されている,さらなるハッピーエンディングに大満足を得られる作品です。


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レディは恋泥棒 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1194
レディは恋泥棒 Master of Passion 1993」
ジャクリーン・バード 駒月雅子




HQB-130
08.01/¥590/198p

R-1625
00.11/¥672/156p


 原題は「情熱の主」
 ヒロイン:パリサ・ハードコート・ベルモント(24歳)/私立学校の体育教師/長いブロンドの髪,サファイア色の瞳
 ヒーロー:ルカ・ディマッジ(37歳)/実業家/黒い髪と黒い瞳
 またまたジャクリーン・バード作品を手にしてしまいました。ストーリー展開の速さ,登場人物の心情の明確さ,そして脇役たちの暖かい活躍などハッピーな気分にさせてくれる作品の多いジャクリーン・バードです。本作も例外ではありませんでした。富豪のルカのフラットの3階にある浴室から忍び込んだパリサ。黒づくめの服装で小さな窓から入り込める運動神経の良さ。これはかつてボート競技のオリンピックの候補選手で現在体育教師を勤める日頃の鍛錬のたまものでしょう。だからといってやせっぽちではなくきちんと女性らしい体形の彼女。あいにくルカに見つかってしまいますが,そのときフラットを訪れたキャバレー歌手マーゴット・マイとルカが話している間に逃げだしています。しかし目的だった親友モイラに頼まれたまずい写真は手に入れられませんでした。良いところの令嬢パリス。マナーハウスを両親から受け継いでいますが,維持費が大変です。両親が亡くなってからすっかり世話をしてくれている家政婦のディディと夫のジョーの給料を払うのさえ,単なる体育教師の給料ではやっとです。屋根の修理やすり切れた床の絨毯の張り替えも含め修繕費用が莫大です。そこにつけ込んで借りの婚約をしてくれないかと脅迫するルカ。病身の母を安心させるための手段だったのですが,それは良いわけに過ぎず実は結婚などはまっぴらだと思っていたルカもパリスにすっかり弾かれる気持ちを抱いたのです。傲慢なルカの提案に渋渋ながら承諾したパリスですが,パリスもまたルカの男性的魅力に引き込まれていくのでした。パリスの後先を考えずに行動してしまったりいってはいけないことを口にしてしまうことはどうも先祖から受け継いだ血のせいのようです。それでもその習性を自分に戒めつつそれでも突飛な行動に走ってしまうパリスの性格には,思わず笑みがこぼれてしまいます。このようにかわいいところをもったパリスをルカがちょっと普通と違うけれども一緒に過ごしてみたいと思う女性ナンバーワンに感じたのもうなずけますね。とりあえずイタリアで週末の二日間母に会って,婚約の報告をして欲しいと頼まれたパリスですが,モイラのまずい写真はその後手渡されることになっています。ところが,母が入院のためにロンドンにやってきます。手術のまえに結婚式を挙げよう。それがルカの次の提案でした。つぎつぎに深みにはまってしまうパリス。もうパリスにはルカのいうことを断り切れないほどルカを愛してしまっていたのです。そしてハードコートの屋敷を訪れたルカをディディはすっかりパリスのお気に入りだと思い,なにかと結婚の準備を進めてしまうのでした。結婚までしてしまった二人ですが,ルカの母の手術も成功し結局パリスは地元に帰ってきてしまいます。大学時代の先輩でルカの知り合いのティナや,かつてルカと付き合っていたマーゴットから二人の結婚は長続きするはずがないと嫌みを言われ,パリスもぷちんと切れたのでした。でもルカを愛する気持ちになんとか整理を付けようとしますが「わたしは悪い男を愛してしまった。それが事実よ。わたしは先祖の誰よりも無鉄砲だわ。父も母も無茶な冒険はしても,まっとうな人間だったのに。」と反省しきりのパリス。そんなパリスの元を訪れたルカの次の手は・・・。
 とにかく楽しく読める作品です。パリスの無鉄砲な性格と,ちょっと傲慢ですが親思いで女性に対しても一途な気持ちをもつルカの性格を互いに理解し合ったとき,きっと二人はベストカップルとなるのでしょう。そんな予感を抱きながら終末まで一気読みできる作品です。


タグ:ロマンス
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氷の中の真実 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1193
氷の中の真実 Mistaken for a Mistress 1997」
ジャクリーン・バード 原 淳子




HQB-717
16.03/¥670/200p

R-1697
01.08/¥672/156p


 原題は「愛人と誤解して」
 ヒロイン:マーリーン・ジョンソン(26歳)/外国為替ディーラー,ハーブ園経営/金色の目,173センチ
 ヒーロー:ロッコ・アンドレッティ(37歳)/地質コンサルタント/190センチ以上,黒髪,黒い目
 18歳の時に一度ちょっとだけ逢っていたロッコをかすかに覚えているマーリーン。しかしその時マーリーンの母が亡くなって遺体を確認してきたばかりで,ロッコのことをよく見てはいませんでした。そのロッコが,マーリーンの母と同棲し,最近亡くなったパオロ・ロッシが残した遺産を巡ってパオロの正妻で女伯爵と呼ばれるコンテッサの娘カテリーナと一緒にやってきたとき,ロッコがマーリーンをパオロの愛人だと勘違いし,しかも丁度土いじりをしていたところだったため,農家の田舎娘のように勘違いしたことをうまく利用して,パオロの遺産とパオロの息子であるポール(マーリーンの弟に当たる)がマーリーンの息子であると勘違いし,二重の勘違いを利用してパオロの会社の株式と,ポールに残された領地を確保しようと考えたのです。出会ったロッコに,男性としての魅力を感じて戸惑うマーリーン。マーリーンの名前を縮めて「マー」と呼ぶポールの言葉を聞いてロッコやカテリーナがマーリーンをポールのママだと勘違いしたのも好都合でした。そしてイタリアのナポリ近郊のアマルフィにあるポールに残される予定の領地を訪れることにしたマーリンとポール。ロッコの手配で順調に到着してみると,「どこかの惑星を舞台にしたSF映画のセット」のような,なんとも趣味の悪い冷たい感じの建物でした。これはコンテッサの趣味で作られた屋敷だということが後で分かります。コンテッサとカテリーナ,そしてロッコの父親のカルロは,なんとかして株式と領地の権利をマーリーンとポールから買い取ろうとします。しかしパオロの遺言で二人には渡さないように頼まれていたマーリーンは,領地は譲ったものの,のらりくらりと株式の譲渡を断り,翌月開かれる臨時株主総会で二人の悪巧みを暴こうとするのでした。頭の弱い田舎娘の愛人という虚像をそのままにして着々とマーリーンは株主総会の準備を進めていきます。ただ,ロッコからの誘惑にはなかなか勝てずに,ついには身体を許してしまうのでした。
 祖父の代に遡り,パオロと亡き母の世代の不幸な愛憎劇が,マーリーンとポールという孫の世代まで巻き込む果てしない欲望と憎しみ。その運命的な出会いに翻弄されるマーリーンとロッコ。スケールの大きな,ドラマチックな展開が終末に用意されています。臨時株主総会での胸のすく逆転劇も見事ですが,それがロッコとマーリーンの別れに繋がるところももの悲しく,読者をドラマに引き込みます。第8章で語られるロッコの幼少時代の思い出。パオロに面倒を見てもらい教えてもらった言葉「大きくなったら人生はフェアなものではないと分かると説明してくれた。人はその人にできる限りのことをし,その過程で誰も傷つけないように努力できるだけだと。」ここに本作の作者の主張が表されていると思います。


タグ:ロマンス
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気高き愛人 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1186
気高き愛人 Uantamed Italian, Blackmailed Innocent 2010」
ジャクリーン・バード 早川麻百合





 原題は「自由なイタリア人,ゆすられた純情娘」
 舞台:ロンドン
 ヒロイン:サルマキス(サリー)・パクストン(26歳)/大英博物館研究員/ブルーの瞳,清楚な顔立ち,小ぶりの鼻,ふっくらした唇,ルビーのような長い赤毛/ナイジェル・パクストンの娘
 ヒーロー:ザック・デルッカ(35歳)/実業家,「デルッカ・ホールディングス(鉱業・製造業・不動産業・オリーブオイル等国際的複合企業)」経営,「ウエストウォルド・コンポーネンツ」買収/黒い髪,黒い瞳,195センチ,ローマの養護施設出身,元格闘技選手/冷酷で尊大で血も涙もない男との噂あり/元恋人ミラノのモデル,リサ
 目的を持って父のオフィスを訪れたサリー。そこで父に母の病院に見舞いに行くよう説得するつもりでした。浮気をしたあげく母が入院していても仕事だといって見舞いにも行かない父。それでもサリーの母は父をかばうのでした。それがさらにサリーの怒りに油を注いでいたのです。今日こそは,という思いのサリーは父の元を訪れたザックは目に入っていませんでした。一方,買収した会社で横領が行われていたことを調査するため,会社の財務部長ナイジェル・パクストンを訪れたザックは,受付で自分を見もしない美女に目をとめます。普通女性は誰しも自分を振り返るものだという思いがあったザックは一度も自分を見もしない女性に出会ったのは初めてでした。そしてナイジェルのオフィスで二人は顔を合わせます。サリーの自宅はボーンマス。父はすっかりロンドンのフラットで愛人と暮らしており,サリーを懐柔するために父は元自分がいたフラットをサリーに住まわせ,自分は別のアパートに住んでいたのです。父の会社では武器の部品を作っており,そんな会社に勤め,愛人を囲い,母の病気を一顧だにしない父にサリーは軽蔑の念を抱いていたのです。サリーをナイジェルの愛人と勘違いしたザックでしたが,娘だと知ってサリーを夕食に誘います。ザックに横領のことを見抜かれてはいないかびくびくもののナイジェルは,まるで娘を差し出すかのようにザックの機嫌を取るようにとサリーに頼むのでした。サリーは忙しいと誘いを断るのですがザックは諦めません。どうせ裕福なお嬢様で我が儘な娘だろうと思い込んだザックは週末も忙しいというサリーの返事を曲解します。週末は母のいるデヴォン州の施設で母と過ごすことに決めているサリーには,ザックの誘いに乗る時間はないのでした。何度も誘いをかけるザックを,サリーは父と同じ女性蔑視の男と思い込み,二人の溝は次第に広がっていきます。しかし互いに何か惹かれるものを感じ,気持ちと言動とはますます広がっていくのでした。このすれ違いが本作の大きなプロットになって行きます。サリーは敢えて,自分が大英博物館に勤めていることを知らせません。どうせ一度食事をするだけの関係で終わるだろうと思い,わざわざ知らせる必要がないと思ったのです。さらに母が療養していることも黙っています。女性に断られたことのないザックにしてみれば,サリーが忙しいと口実にして逆に自分を誘っているのだと勘違いしてしまいます。サリーの本名はサルマキス。ザックと食事をしているとき声を掛けてきた小学校時代からの友人アルジャーノン(アル)に声を掛けられ,サリーはザックの誘惑を断るきっかけにアルを利用しようと考えます。アルも,ザックが冷酷で女性を誘惑しては捨てるというマスコミの情報を元に,これに協力するのですが・・・。ザックとの食事で,少しずつ打ち解けてきたサリーは「ザックの野性的な魅力に引き寄せられ,まるで明るい炎に吸い寄せられる蛾のように」ザックに惹かれている自分の反応に驚き,でも将来はないと,その気持ちを打ち消そうとします。ザックの誘いに積極的な姿勢と,冷たい態度と二重の反応を示すサリーにザックもこれまでの女性とは違う魅力を感じてしまうのでした。父の横領がはっきりし,それを脅しの材料として,サリーに愛人契約を申し出るザック。しかし何日か過ごすうちに,サリーが単なるゴージャスなワガママお嬢さんではなく,きちんとした学位をもつ大英博物館研究員という肩書きを持っていることや,母が入院していて週末はそこで過ごさなければならないということを少しずつ突き止め,やがてサリーに対して尊敬の念と愛を感じるようになって行くのでした。サリーもまた,冷酷だと思っていたザックが自分に対して接する態度が次第に自分のことを考えてくれていることや,男性的魅力に引き寄せられる自分の気持ちを偽ることができないと思い,ついにはザックを愛してしまったことに気付くのでした。しかし二人の間には父ナイジェル告発という問題を挟んだ愛人契約があり,それが互いの愛を告白し合う妨げになって行きます。そしてサリーの妊娠・・・。二人はこれをどう乗り越えていくのでしょうか。
 邦題の「気高き愛人」は蓋し名訳だと思います。すれ違いもの,勘違いものは,結構好きですが,ストーリーの面白さとヒーロー,ヒロインの設定にも作者の筆力が問われるジャンルだと思います。そんな意味では本作は成功例と言えるのではないでしょうか。オススメです。


タグ:ロマンス
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別れの代償 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1106
別れの代償 Shattered Trust 1990」
ジャクリーン・バード 藤村華奈美





原題は「損なわれた信頼」。夫婦の再婚物語です。若くして富豪の嫁になったアビーですが,夫の浮気によって離婚し,親友と二人で画廊を開いて成功し,夫との間の一粒種の息子と幸せな生活を送っていました。ところが,別れた夫が現れてなにかと自分の好き勝手に物事を推し進めようとします。結構アビーは夫に皮肉を言って振り出しに戻る気はないと口では言うのですが,ちょっと触れられただけでまた夫を求めてしまうということの繰り返しです。次第に離婚の時の夫の不可解な行動には理由があることが分かってきて,再婚して幸せを手にするという筋立てです。夫の会社の先代である祖父がもはやあと僅かな命ということになり,家を継ぐべき跡継ぎにアビーの息子をなんとしても引き取り,アビーとも幸せになりたいと願う夫ニック。離婚後アビーの周りで生活を助け,励ましてくれた男性たちと縁を切り,アビーが内装を計画した住まいに移ったとき,夫がアビーのためにアトリエを増築していたことを知り,浮気していたころと現在の違いに首をかしげるようになったころ,息子が水痘にかかり,かかりつけの医者が夫も以前おたふく風邪にかかり子供が出来ない身体になった可能性を夫に話したことから,息子は自分の息子ではないと思い込んでいたらしく,成長して会ってみると自分の分身であることにすぐに気付いたこと。夫として跡継ぎを作れないといわれたショックからアビーを遠ざけようとしたことが分かり,その時取った行動にアビーが理由が分からずに十分傷ついたこと,そんな行き違いからすっかり夫との縁を切ろうとしていたアビーも,また理由を話さずに離婚に応じてしまったことを反省する夫にも互いに反省すべき点はあったのですが,失われた5年間を取り戻すかのように二人の信頼は回復していくのだろうか,という点が本作の焦点だろうと思います。読者としてはツンデレのアビーに「もっといってやれ」「誘惑に負けるな」と応援したくなってしまう状況が大半をしめているので,痛快な作品ともなっており,一気読みに値する作品でした。オススメです。


タグ:ロマンス
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忘れえぬ情熱 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO732
忘れえぬ情熱 The Greek Tycoon's Love-Child (Greek Tycoons 27) 2001」
ジャクリーン・バード 鈴木けい





ウィロー。柳という名前の少女。柳のようにしなやかな体つきと長い髪をもつ彼女は「もぐら」というニックネームで知られ,いつも片隅で本にかじりついているような少女だった。ギリシア人実業家テオ・カドロスは長期出張からの帰りに,妹アンナのホームパーティで出会ったウィローが,新しい同居人だと勘違いし,一目惚れし,一夜の関係を持ってしまう。翌朝ベッドの隣にいるはずのウィローがいないので妹に尋ねてみると,すでにインドにいる母に会うために空港に旅立ったことを知る。空港まで追いかけたテオだが,ウィローは実は同居人ではなく,一夜の宿を借りに来ただけの18歳の少女だと知る。
ウィローは祖母を亡くしたばかり,そして,唯一の身内の母は赴任先のインドで暴動に巻き込まれ,流れ弾に当たって命を落とすことになる。9年後,ウィローは推理作家として自活しており,第三作目が推理小説作家賞の候補に挙がるほどになっている。その作品は映画化の話があり,その打ち合わせで訪れたホテルで,ウィローは偶然テオに出会う。ウィローはこのとき,あの夜宿った子供スティーヴンとイギリスの片田舎で隣人に支えられながら平和に暮らしていた。9年前,テオに妊娠のことを伝えようとしたウィローだったが,行き違いが重なり息子の存在をテオに伝えることが出来なかった。ウィローはテオに強引に誘われるままテオのスイートルームに。夜中に部屋を抜け出したウィローは田舎に帰る。翌朝,新聞でウィローの横に少年の姿を見たテオは,自分の息子であると確信し,予定をすべてキャンセルしてウィローの元に向かい,スティーヴンと出会う。なぜ8年間も息子を隠していたかとウィローを責めるテオ。すべては,あの時のすれ違いから起こったことで隠すつもりはなかったウィロー。少年を含めてギリシアに帰郷した三人にテオの母は,孫の存在に大喜びし,ウィローに感謝と謝罪をする。
自立したいウィローだが,父親がなくて育つ息子でいいのかとテオに言われたこともあり,休暇をともに過ごす。父親の存在に喜ぶ息子の姿にウィローは,テオとの生活を承諾することになる。互いにすれ違う偶然から,離ればなれになり,再び出会った二人。互いの気持ちの中に愛は残っているのか。信頼できるのか。二人の気持ちは再び一つになるのか。このあたりの描き方は実にうまいと思わせる秀作。


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