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甘美な誘惑 [ヘザー・スノウ]

SHALOCKMEMO719
甘美なる誘惑 Sweet Enemy 2012」
ヘザー・スノウ 高里ひろ





ヘザー・スノウのデビュー3部作の第1作。リージェンシー。1817年,ナポレオン戦争で傷を負ったストラトフォード伯爵ジェフリー・ウェントワースの領地のマナー館では,まさに花嫁選びのパーティーが開かれようとしていた。ハンサム,独身,富裕と3拍子揃った花婿候補の館に招かれたのは,揃いもそろって美貌,家柄,才能に恵まれた美女たちとその家族。2週間にわたるいわばお見合い期間に,婚約が成立すれば大成功というわけだ。ジェフリーの母はちょっと問題のある性格で,両親は離婚はしなかったものの,結婚は失敗と言わざるを得なかった。ジェフリーは父親っ子のようで,叔父のジョスはどちらの見方でもなく中立的な性格だが,ジェフリーは父亡きあとこの叔父を相談相手として何でも話している。美女たちに交じって,レディ・ベルシャムが娘のペネロピ,姪のリリアナ・クレアモントを引き連れてやってくる。本作のヒロインは,このリリアナ。化学者だった父の一人娘で科学者として,さらには治療師だった母の想いを引き継ぐため,社交界や結婚には全く関心がなく,ひたすら科学の研究に没頭する生活を送ってきた。しかしリリアナを見て,ジェフリーはその隠された美しさに惹かれていく。二人の最初の出会いは,夜の図書室で。本を探しに来たリリアナとばったり出会ったジェフリーは,成り行きでキスを交わしてしまう。その後の数日間のパーティでの催し物のなかで,二人はすっかり対立していくが,早朝の馬の早駆けで再会した二人の間は急速に接近していく。リリアナに欲望を感じていたジェフリーだが,リリアナの方もこれまで男性に魅力を感じなかったのに,ジェフリーにだけは強く惹かれていた。この辺の二人の接近の仕方が本作の大きな魅力の一つと言える。

しかし,リリアナには,このマナー館にやってきた別の目的があった。父の死後発見した手紙の封印がストラトフォード伯爵のものであり,父は本当は事故死ではなく殺されたことが分かり,現ストラトフォード伯爵か前伯爵,つまりジェフリーの父が,それに関係しているはず。父を殺した犯人は誰か,それを探るためにリリアナはパーティーに参加したのだった。この謎解きが,本作の第二の大きなプロットになっている。2週間の滞在期限のなかで,その謎解きができるだろうか。初めのうちはなかなか進展しなかった謎解きだが,物語の終盤に一気に解決へと盛り上がる。しかしジェフリーを愛し始めたリリアナにとっては,この謎が解けることはジェフリーとの別れを意味することになる。悩み,ジェフリーへの裏切りの滞在動機をいつ話したらよいのか。滞在最終日。いよいよ物語は大団円へと向かう。

見事な盛り上がりを見せるミステリ風味ヒストリカルロマンスの醍醐味が味わえる傑作。今年最初のお勧めの一作。


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