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赤い薔薇は背徳の香り [シャロン・ペイジ]

SHALOCKMEMO678
赤い薔薇は背徳の香り Engaged in Sin 2011」
シャロン・ペイジ 鈴木美朋





 ラベンダーブックスのハミルトン姉妹シリーズでおなじみのシャロン・ペイジのヒストリカル。アン・ペディントンは子爵令嬢でありながら,曾祖母ロスシャー侯爵夫人コーディの不興を買った祖父の代から,親の世代を通して曾祖母に見捨てられ,娼婦として生きる道しか残されていなかった。しかし,アンの夢は娼館で働かされている自分より幼い少女をなんとか娼館から逃がし,それぞれが自立の道を捜すための学校を建てることだった。あるとき友人のキャットが依頼された話を耳にして,自分が代わりにマーチ公爵の下に向かい,娼館を逃れる。
 マーチ公爵デヴォン・オードリーはワーテルローの英雄として活躍したが,視力を失い帰国してからはアルコール浸りの生活を送り人を遠ざけた生活をしていた。戦争の時の心の傷がその後の生活に大きな影響を与えていたためだった。
互いに心に深い傷を持った二人が,いくつかの障害を乗り越え,互いの愛に気づいていく過程が読者を次第に物語に引き込んでいきます。特に視力を失っているマーチ公デヴォンが,心の目でアンの美しさを想像し,外見のみならず,常に他人のことを考える心の美しさを持っていることに気づきつつも,娼婦であることから愛人にしかできないもどかしさを感じているところは,ヒストリカルのもつ現代とは異なる価値観を体現している社会情勢であり,読者をひどくやきもきさせる効果をもっています。そんなデヴォンが身分よりも愛のある結婚をしてほしいと本気で考えているデヴォンの母親や妹たちが,いわばメッセンジャーとして現代への橋渡し役をしていることが,最後まで希望を捨てないで前向きに進もうとするデヴォンに期待するゆえんではないかと思います。


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