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ジュリア・クイン ブログトップ

恋心だけ秘密にして [ジュリア・クイン]

SHALOCKMEMO450
恋心だけ秘密にして Romancing Mr. Bridgerton 2002」
ジュリア・クイン Julia Quinn juliaquinn.com 村山 美雪







ジュリア・クインの「ブリジャートン・シリーズ」の第4巻です。ジュリア・クインの翻訳はラズベリーブックスで既刊4冊すべてがこのブリジャートン・シリーズ。8人の子供を持つ先代ブリジャートン子爵夫人は自分の子供たちが早く幸せな家庭を持つために日夜努力している肝っ玉母さん。一族はそれぞれのロマンスを成功させ,次第に一族が広がっていきます。
長男アンソニー,次男ベネディクト,三男コリン,長女デボラ,次女エロイーズ,三女フランチェスカ,四男グレゴリー,四女ヒヤシンスとアルファベット順に名前の付いた8人兄弟姉妹。翻訳では原作第3巻から出版され(「もう一度円舞曲を」),その後原作第1巻から順に翻訳されています。原作第4巻に当たる本書は,前半4作のいわば小エンディングに当たる作品で,三男コリンのロマンスが描かれています。あわせて,4巻を通じてブリジャートン家を中心に社交界の内幕を描いたコラム,「レディ・ホイッスルダウンの社交界新聞」の謎の筆者を描き,これまで以上にブリジャートン家や関連した一族の人々が大団円で登場するという,サービス精神旺盛な作品に仕上がっています。



兄弟姉妹それぞれに特色をもった人物像を描き分け,見事な作品群に仕上げているこのシリーズですが,三男コリンは美しい容姿と,当意即妙な話術,そして誰からも好かれる人当たりのいい理想的な花婿候補でありながら,しばしばヨーロッパ中を駆け回る旅行好き。数カ月に一度は家を離れ,あちらこちらを旅しては再びロンドンに戻ってくるという生活を送っている33歳の独身男性。そのコリンを16歳のころから憧れをもち,ずっと秘めた心をだれにも打ち明けず,しかもすでに28歳の適齢期を過ぎた社交界の壁の花,ペネロペ・フェザリントンがヒロインです。容姿にも恵まれず,母親からも,周囲の社交界の人たちからもほとんど顧みられず,ブリジャートン家のエロイーズとは唯一親友と呼べる付き合いをしてきたペネロペですが,実は絶対人には言えない大きな秘密をもっていました。それは,「レディ・ホイッスルダウンの社交界新聞」の謎の筆者であるということでした。社交界では振り向かれない壁の花であるペネロペにとって,社交界に出入りし,じっと人々の様子を眺め,会話を耳にし,誰にも気づかれずに文章につづる才能をもった女性。しかし,誰にも気づかれないからこそ,レディ・ホイッスルダウンの正体は誰かということが社交界の大きな謎として存在するのでした。そんなペネロペは,昔から妹の友人であり,その素晴らしい知性と文才になかなか気づきもしなかったコリンですが,少しずつ,そのすぐれた知性と徐々に瞳の色,髪の色,・・・など細部にわたってみると,これまで気付かなかったその魅力が少しずつ見えてきたのです。もちろんペネロペにとっては昔からのあこがれの人であるコリンへの愛が冷めていたわけではありませんが,どうせ振り向いてもらえないだろうというあきらめの気持ちの方が強かったのです。しかし,コリンが少しずつ自分の方を見てくれ始めたとき,ペネロペは「レディ・ホイッスルダウンの社交界新聞」に断筆宣言をするのです。
それに対して,ペネロペの隠れた魅力に気付き,その才を認めていた社交界のご意見番,レディ・ダンベリー伯爵夫人は,レディ・ホイッスルダウンが何者か当てたものには1000ポンドを進呈すると社交界で宣言してしまいます。ペネロペがその人であることを知ってしまったコリンは,ペネロペがその正体を暴かれ,社交界からの激しい攻撃から守ろうとしますが,自分がレディ・ホイッスルダウンだと宣言したのはなんと美貌に恵まれながらも意地の悪い女性からの嫌われ者,クレシダ・トォンブレイでした。クレシダは宣言することによってレディ・ダンベリーの1000ポンドを得ようとしたのです。今まで10年以上も自分を隠し,書きものによって社会から一定の評価を得てきたペネロペにとっては,自分が最も嫌っているクレシダがレディ・ホイッスルダウンだと名乗ったことに我慢が出来ずに,断筆宣言の後にコリンの反対を押し切って社交界新聞への投書をしてしまうのでした。その文章が,クレシダにペネロペがレディ・ホイッスルダウンだと気づかせることになってしまい,逆に10,000ポンドの口止め料を要求されるという窮地に立たされてしまいます。



ペネロペの本当の魅力に気づき,全力で守ると決心したコリンは,自分が兄たちとは異なり何の特技もないことを悩んでいたのでしたが,旅行中にしたためた日記をペネロペに認めてもらい,編集の手を入れてもらって出版を望むようになっていたところでしたが,ペネロペがレディ・ホイッスルダウンだと暴露されるのを防ぐため,思い切った行動に出ます。ブリジャートン家の他の面々の協力を得て,公然とペネロペを愛していることを宣言し,ペネロペこそレディ・ホイッスルダウンだと明かしたのでした。
エピローグでは,コリンの旅行日記がついに本になったところが描かれます。書きものによって自分の存在意義を確認し合った夫婦。外見だけではなく,知性や内面の美しさが本当の人の美しさであることを見事にあらわした傑作ヒストリカルです。


もう一度だけ円舞曲(ワルツ)を [ジュリア・クイン]

SHALOCKMEMO386
ラズベリーブックスク2-1/07.06/\910/517p
もう一度だけ円舞曲(ワルツ)を An Offer from a Gentleman 2001」
ジュリア・クイン Julia Quinn 村山美雪





ジュリア・クインが「シンデレラ」換骨奪胎に取り組んだ佳作。ガラスの靴の変わりに紋章入りの手袋,最後のメデタシ・・・・も工夫が凝らされている。ママハハ役のアラミンタは,徹底してヒロインのソフィーをいじめ抜き,しかも自分の末娘も姉娘と比較し,いじめる。最後は因果応報で,アラミンタの行く末で,すっきり感を味わえる。
ヒーローのブリジャートン家の次男ベネディクトは,すばらしい大家族の中で育ったものの,8人兄弟(男四人,女四人)の常に二番目としてしか認められないことに不満を持っているが,ソフィーの生い立ちと比べて自分を取りもどす。
ブリジャートン家の他の兄弟姉妹のロマンスはシリーズになっているらしい。



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ブリジャートン・シリーズ(原作)
Bridgerton
1. The Duke and I
2.
The Viscount Who Loved Me
3.
An Offer from a Gentleman
4.
Romancing Mr. Bridgerton
5.
To Sir Philip,with Love
6.
When He Was Wicked
7.
It's in His Kiss
8.
On the Way to the Wedding


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