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4月の閲覧履歴 [toppage]

4月の閲覧履歴
あっという間に4月も終わります。
さて,2016年4月のブログの閲覧者数の多かったベストスリーは,

1位 危険な億万長者 サラ・モーガン SHALOCKMEMO1213
2位 大富豪の忘れえぬ妻 イヴォンヌ・リンゼイ SHALOCKMEMO1225
3位 天使のためについた嘘 ダニー・コリンズ SHALOCKMEMO1222

の3冊でした。ベテランどころがやはり人気があるなかで,ダニー・コリンズの善戦が光りました。

なお,4月はイチオシ作品が少なかったのですが,読了日順に
○ ギリシア富豪と愛の結晶 ジュリア・ジェイムズ SHALOCKMEMO1221
○ 遅咲きの花と貴公子 リズ・カーライル SHALOCKMEMO1233
の2作品でした。

読了冊数もちょっとペースダウンしましたが,私生活の方がちょっと忙しかったのと,頁数の多い作品を読んだからだと思います。読書時間は相変わらず朝4時30分からの2時間と休みの日の日中です。
タグ:閲覧履歴
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ガラスの靴のゆくえ [レベッカ・ウィンターズ]

SHALOCKMEMO1235
ガラスの靴のゆくえ The Millionaire's True Worth
(ギリシアの花嫁 1) 2015」
レベッカ・ウィンターズ 後藤美香





 原題は「百万長者の真の財産」
 ヒロイン:ラレイン(レイナ)・メイウッド(26歳)/アメリカのジェット推進研究所の研究員で複合企業のCEO,ジョセフ・メイウッドの孫娘で相続人,祖母は画家のジンジャー・モス/作家バイロン・ウォレスの元妻で20歳で結婚,離婚して1年半の結婚生活に終止符を打って4年経過,両親は12歳の時飛行機事故で死去,その後祖父母に育てられる/ストロベリーブロンド(赤みがかった金色)の髪,ラベンダーブルー(菫色)の瞳,身長175センチ弱/カリフォルニア州モントレーのカーメル在住/ギリシア人クロエ・ミロニスの友人
 ヒーロー:アキス・ジアノポウロス(29歳)/ギリシアのコンビニエンスストア・チェーン「ジアノポウロス社」を兄ヴァッソと共同経営/黒い髪と瞳,ギリシア神話のポセイドンのような風貌/アテネのシンタグマ広場近くのジアノポウロス・ビルのペントハウスに在住,アンティ・パクソス島に住居を所有/銀行家テオ・キオティスの親友/
 ゴージャスな美女の登場です。アメリカ航空産業をリードするメイウッド家の相続人で自らもジェット推進の研究者でもあるラレイン(レイナ)です。大学生の時10歳年上の作家に夢中になり結婚しますが,相手はレイナの財産狙いで,結婚当初からレイナを裏切っていた作家のバイロン・ウォレス。離婚後も男性を信用できずにいたのです。友人で1年間レイナの屋敷で留学生活を送っていたクロエの結婚式のためにギリシアにやってきます。パパラッチからの取材を避けるために結婚式には出ず,披露宴だけの出席でパーティ会場の片隅にいたレイナの元にクロエの夫テオの友人アキスが近づいてきます。それが二人の運命的な出会いでした。アキスはギリシア北部の島の出身。愛にあふれた両親の元で貧しいながらも幸せな暮らしをしてきましたがティーンエイジャーで両親を亡くし,2歳上の兄のヴァッソと協力して小さな商店から始め10年後の現在ではギリシア中に支店をもつコンビニチェーンの経営者となっています。しかし学校も途中までしか通えず働きづめに働いてきた兄弟は,自分たちに近づいてくる女性は財産目当てと決めてかかっています。互いの素性を知らないままに偶然の出会いで知り合ったレイナとアキス。やがて,レイナが大富豪の相続人であることを知るアキスは,二人の間に将来はないと思うようになっていきます。その理由の一部には幼少のころにかかった重篤なおたふく風邪による無精子症の既往症があったことも原因していました。そのことも素直に打ち明けるアキス。しかしギリシア各地を飛び回って観光地を案内してくれたり,捻挫したレイナを温かく気遣うアキスのポセイドンにも似たたくましく男らしい美しさにすっかりレイナは参ってしまいます。なによりたたき上げで兄弟二人だけで成功を勝ち取ったアキスたちに対する尊敬の念すら抱いていくのです。そして深くアキスを愛していることにレイナは気付きます。カリフォルニアとアテネ。二人の距離を埋めるためにはどうしたら良いだろうか。レイナは一大決心をし,アキスに愛を告げますが,アキスはレイナの申し出を受けようとはしません。学歴もなく芸術のことも知らず,育ちもレイナとは違っているとアキスは自分を卑下し,いずれレイナに飽きられて捨てられるだろうと考えたのでした。
 きっちりと自分の考えを述べ,自分たちの力で成功を勝ち取ったジアノポウロス兄弟が素晴らしい人間だと見抜いたレイナと,まるでヴェスタのようだとレイナを神話化していくアキスの関係。身近な親友テオと新婦のクロエが似たような環境で育った理想のカップルだと思っていたアキスにしてみれば,レイナとの育ちや環境の違いに臆してしまった気持ちも分かるような気がします。ロマンス小説では尊大で鼻持ちならないが実はそんな男性に惹かれていくヒロインが多い中,本作は全く異なった観点で描かれた秀作だと思います。


タグ:イマージュ
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奇跡を宿したナース [アリスン・ロバーツ]

SHALOCKMEMO1234
奇跡を宿したナース Definitely Daddy 2000」
アリスン・ロバーツ 小林ルミ子





 原題は「確実に父親」
 ヒロイン:ハリエット(ハリー)・マッキンレイ(35歳)/「コロネーション・ホスピタル」脊髄損傷専門病棟看護師/栗色の髪,青い目/フレディの母/
 ヒーロー:パトリック(パディ)・ミラー(40歳?)/「コロネーション・ホスピタル」脊髄損傷専門外科医/フレディの生物学上の父/
 通りがかりに出産を手伝った医師のパディが救った母親と男の子は,後にパディの勤務する病院の看護師だということがわかりました。その時パディは気付いていませんでしたが,取り上げた男の子は自分が精子提供して生まれた子供だったのです。母子共にかかわることになってしまったパディの愛の奇跡を追う物語です。まさしく邦題どおり,「奇跡を宿した」というストーリー展開です。ヒロインの年齢が35歳とロマンスのヒロインとしてはやや高いですが,パディから見るとハリーはまさに美しい女性。看護師としても頼りになり,病棟の患者やスタッフからも好かれています。しかし始めに出会ったとき,ハリーは夫を亡くした絶望のあまり,命を救ってくれたパディに少々投げやりな言葉をいくつか吐いたのでした。「生きることはもうどうでもいい」「この子の父親は誰かも分からない」その二言が決定的となり,パディはハリーのことを身持ちの悪い,しかも父親が誰かも分からない赤ん坊を生んだというふうに・・・。それが病棟で再会したときにパディがハリーに冷たく当たった態度に表れたのでした。しかし,あの悪夢のような出産の時のことをハリーはほとんど覚えていなかったのです。そのためパディに再会しても,どこかであったような気はするけれども,また声にはなんとなく聞き覚えがあるけれども果たして誰だったかは,わからないでいました。パディはもちろん忘れがたいあの時の女性だとハリーにすぐに気付いたのです。パディもまた数年前,自分が運転する車が交通事故に巻き込まれ,同乗していた妻と子供を失っていました。そのため,あの時取り上げた子供のことや命を失いかけていたハリーのことを気になっていたのです。ハリーの夫は登山の時の事故に遭い脊髄に重大な損傷を受けたて入院してきた男性でした。そして合併症で亡くなる前に二人は結婚し,ハリーは不妊治療によって名前を知らされない男性の精子によって妊娠していたのです。しかし夫はなくなり,父親の手助けを受けてフレディを2年間育ててきました。まだ言葉を正確に発音できず,「スティック」と「ディック」,「パディ」を「ダディ」と発音したために,様々な誤解を生むことになるのですが,元気で活発な明るい子に成長してきました。郊外の広大な敷地にある「城」とフレディが呼ぶ立派な邸宅の離れに親子三代3人で生活している様子を見たパディは,当初ハリーに抱いてきた身持ちの悪い女という印象が全くの誤解であることに気付いたのです。そして自分が精子を提供した病院と,ハリーが妊娠のために受けた精子提供の病院や時期から,フレディが自分の実の子であると確信したのでした。そして,実の子であるということよりも,自分はハリーに惹かれる気持ちがかつての妻以上であることに気づいたのです。しかしハリーはかつてパディが,事故で妻子を亡くしたことを聞かされ,パディが子供が欲しいために自分に近づいたのではないかと疑ってしまいます。しかも住んでいた家の持ち主がアメリカに移住することになり,屋敷を売りに出そうとしていることや,父が造園業の共同経営者の女性と愛を確かめ合ったことを聞き,家も父も可愛がっていた犬も,そして恋人のパディも全て失うかもしれないと悲嘆に暮れてしまうのでした。これ以上パディとの関係を続けられないと病院に辞表を出そうとしていたとき,パディは思い切った手を打ってハリーを説得しにかかるのでした。さて,その手段とは?
 あまりに都合のいい関係が出来ていくので,まぁこれはお話しだから,とは思いますが,純真なフレディの行動や,病院の患者たち,スタッフたちの温かい雰囲気に助けられ,癒やされる作品になっています。ヒーロー,ヒロインの容貌などがあまり明確に表現されていませんので,逆に想像力がかき立てられ,目の前にいるかのような錯覚を覚えるのは,作者の筆力によるものだと思います。ニュージーランド南島の大自然を舞台にしたオススメの作品です。


タグ:イマージュ
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遅咲きの花と貴公子 [リズ・カーライル]

SHALOCKMEMO1233
遅咲きの花と貴公子 In Love with a Wicked Man
( MacLachlan Family & Friends 5 ) 2013」
リズ・カーライル 兒島みなこ





 原題は「不道徳な男と恋に落ち」
 時代/場所:1850年サマセット州,ベルコーム館
 ヒロイン:キャサリン(ケイト)・ウェントワース(28歳)/第14代ダレネイ女男爵/灰色の目,茶色の髪,アルトの声,誠実で純粋でウィットを備えている/
 ヒーロー:ナイル(ネッド)・エドワード・ダゲナム・クォーターメイン(歳)/ロンドンの賭博場の経営者にしてギャンブラー/公爵の私生児?実は賭博師の私生児/緑色の瞳/
 さて,記憶喪失もの第3作目になります。でも,本作は記憶喪失がストーリーの中心的な要素というより,物語のきっかけに過ぎないと思います。ヒーローが落馬して頭を石にぶつけて記憶喪失になるのですが,館の執事フェンダーショットによってその身分が突き止められ,しかも知り合いが続々登場してしまい,まもなく記憶も完全復活してしまうからです。記憶喪失中も自分があまりいい生活をしてこなかったことをなんとなく感じ,館の主人である女男爵に惹かれる気持ちをなんとか抑えようとしているのですが,ヒロインの女男爵の方がヒーローに強く惹かれ,身を投げ出してしまうという結果になるのです。
 ヒストリカルは久しぶりでしたが,本作の魅力はなんと言っても登場人物たちの個性の豊かさでしょう。確かにヒーロー,ヒロインが中心に描かれてるのですが,ヒロインの家族たち,母のオレリーはじめ,妹のナンシー,家政婦のミセス・ペピーなどケイトを取り巻く人々はもとより,敵役のレジー卿,管財人のアンストラザーなど,個性あふれる行動が克明に描かれているために,物語の中で生き生きと人物が動き回り,物語を盛り上げていきます。各章の冒頭にタイトルがついており,全体的にはシェークスピアの喜劇を思わせるハチャメチャぶりが読者を飽きさせません。もっぱら前半はナンシーと牧師のリチャードの騒動,そしてオレリーの登場の後はもっぱらオレリーの一人舞台となって母子3人のロマンスが成立するまで次から次へと事件が続いていきます。最後はケイトの冒険譚,そして白馬の騎士になるエドワードの活躍で締めくくられ,物語は最終場面に・・・。と思いきや,さらにオレリーの思いつき行動のように見える振る舞いが周囲を振り回していくのです。イチオシの作品です。
 ところで,訳の兒島みなこさんは初訳作品でしょうか。違ったら申し訳ないですが,書店の検索では該当なしだったので。ちなみに気になった部分は,位置ナンバー4288で距離を無理やり1.5キロ強としていますが,1マイルのことでしょう。翻訳物をたしなむ人たちにはマイル表記はなかば当たり前になっていると思うのですが・・・。もう一つ,位置ナンバー2124「勝手にクレッシェンドへと高まっていき」とありますが,クレッシェンドが高まっていくことを意味していますので,「勝手にクレッシェンドしていき」若しくは「クレッシェンドしてエンディングに向けて高まっていき」という方がわかりやすいのではないかと思います。


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記憶なき富豪への贈り物 [ポーラ・ロウ]

SHALOCKMEMO1232
記憶なき富豪への贈り物 Forgotten Marriage 2007」
ポーラ・ロウ 秋庭葉瑠





 原題は「忘れられた結婚」
 ヒロイン:アレクサンドラ(アリー)・マックナイト(29歳)/フリーライター/豊かな栗色の髪,可愛らしい顔立ち,160センチの小柄な体/
 ヒーロー:フィン・ジェイコブ・ソレンセン(?歳)/「ソレンセン・シルバー社」副社長/デンマーク人,高い頬骨,角張った顎,長いまつげに鮮やかなエメラルドグリーンの瞳/
 「結婚していた。僕には妻がいた。どうやらその女性はオーストラリアに住んでいるらしい。ああ,なんて厄介なんだ。」で始まる本作は,ヒーロー側の記憶喪失の物語です。「その謎の妻もまた,父ニコライが統べるジュエリー帝国(ソレンセン・シルバー社)の支配株を10パーセント相続することになる。」記憶喪失ものの要素として,遺産相続が絡んできます。しかもヒーローの継母マレーネの身勝手さが敵役的要素をふんだんに醸し出します。「12月に起きた交通事故で父が集中治療室に入り,彼自身も記憶の大部分を失ってから,フィンの人生において現実離れした事実が次々と発覚した。」とあり,会社経営と結婚生活の記憶を取り戻すためにフィンの行動が説明されていくのですが,本作では記憶喪失期間は二ヶ月と三週間と五日と比較的短い期間です。さらに,ヒロイン,アリーの妊娠。夫の出奔の後に発覚した妊娠。記憶喪失と妊娠という2つの現実の間で奮闘するヒロイン,アリーがちょっと身勝手な感じがするのですが,そこはオーストラリア人のおおらかさが救ってくれています。それでも,名家の出身のフィンに対して,無責任な飲んだくれの母をもつ自分に対して相手にふさわしくないのではないかと考えてしまうヒロインのアリーは,記憶を失っているフィンとの関係修復の絶好の機会ではないかと考えます。もしそれがうまくいかなかったら離婚届にサインしよう。でも子供は産みたい。もし離婚したら二人の関係は子供を挟んでどうしていったら良いだろう。そんな不安な気持ちを隠したままアリーは記憶喪失後のフィンが,かつての傲慢な人から別人のように変化したことを感じていました。そんな二人に復縁はあるのでしょうか。やがて妊娠を知ってしまったフィンはどう行動しようとするのでしょうか。「過去は変えられないとしても,未来を正しいものにすることは出来るだろう。それは彼女の真実を打ち明けることを意味する。」記憶を取り戻したフィンは,一大決心をするのでした。もつれた糸を見事に解きほぐしていく作者の腕前は見事です。記憶喪失ものの醍醐味を味わえる秀作です。そして,シルエット・ディザイア版の表紙に描かれたヒーローとヒロインの姿。フィンの北欧人らしい長身と,顔がフィンの胸までしかない小柄なアリーの姿が印象的です。


タグ:ディザイア
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失われた愛の記憶 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO1231
失われた愛の記憶 Shattered Mirror 1993」
ケイト・ウォーカー 鏑木ゆみ




HQSP-069
14.08/¥540/201p

R-1191
95.08/¥652/156p


 原題は「閉じた鏡」
 ヒロイン:イヴ・モンタギュー(本名・ジェネビーブ・ブキャナン)(26歳)/図書館の助手,記憶喪失/ブロンドの髪,卵形の顔,濃いブルーの瞳,僅かに反り返った鼻,柔らかくふっくらとした唇,美しい曲線を描く体,身長168センチ,誕生日5月10日/
 ヒーロー:カイル・ジェンセン(35歳)/出版社のオーナー/力強い手首,幅の広い手のひら,爪の形の整った長い指,深い褐色の瞳/
 記憶喪失ものを3作品続けて読んでいました。3作品読了後に一気にアップしようと思い,数日かかってしまいました。
 まず,本作です。これはヒロインが記憶喪失になったという設定です。美女イブ・モンタギュー。イヴがジェネビーブの愛称であり,モンタギューは住んでいた館の名前で,記憶喪失後無意識のうちにこの名前を名告っていたことが後から分かります。記憶喪失後2年間で,図書館の司書助手として僅かなアルバイト代を稼ぐだけでしたが,親友となった看護師夫婦の家に住まわせてもらい,心の赴くままに書いた小説を,出版社に送ったのでした。そしてゴミ箱に捨てられようとしていた原稿が偶然,出版社オーナーの目にとまり,その内容が,失踪した妻でしか知らなかったことが書かれていたことに気付いたヒーローのカイル・ジェンセンが,イブの住まいを訪れ,二人のプライベートなことを小説に書いたことを責め立てたとき,精神科医でイヴの姉のように思っていたダイアンとその夫のジムのベネット夫妻から,イヴの記憶喪失のことを聞かされ,記憶の復活のために手を尽くすというストーリーです。何故イヴがカイルの元を去ったのか,そしてどんな経緯で記憶喪失になったのかを中心にストーリーが展開していきますが,イヴの記憶喪失そのものを芝居ではないかと疑うカイルの心理と,カイルをふたたび愛し始めたイヴがカイルとの間に何か秘密があるのではと疑心に囚われ,それがきっと記憶喪失の要因になっているはずだと気付き始めて行くストーリーが,妻側と夫側からの二人の心理描写を複線化させることで膨らみをもたせています。イヴの誕生日5月10日という日が運命の日で,そのタイムリミットを設けることでさらに物語に緊張感をもたせています。記憶喪失ものはサスペンス的要素をふんだんにもたせられるのですが,何をその要因にするかに作家としては心を砕くのでしょう。そんな様々な要素が見事に絡み合った秀作です。「記憶喪失とはまるでゆがんだ鏡を見ているようだと思っていた。鏡の中には彼女の姿だけが映っていて,それ以外には何もみえない。その鏡が粉々に割れた今,始めて分かった。他の全ての鏡と同様に,実際には逆さの映像を彼女は見ていたのだ」という表現が見事です。
 またあまり物語の舞台にならないイギリス東部のノーリッジとその近郊も登場し,興味深い要素となっています。


タグ:ロマンス
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君を傷つけた理由 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO1230
君を傷つけた理由 The Reluctant Husband 1998」
リン・グレアム 高木晶子




HQSP-106
16.03/¥540/208p

R-1449
99.01/¥672/156p


 原題は「乗り気でない夫」
 ヒロイン:フランチェスカ(フランキー)・カパレリ(21歳)/旅行会社共同経営者/漆黒のまつげ,澄んだ緑色の瞳,赤と赤銅色と金色のが混ざった髪/11歳でロンドンからサルディーニア島シエンタの祖父の元に連れてこられ16歳で結婚,半年で離婚/
 ヒーロー:サンティーノ・ヴィターレ(29歳)/銀行家/身長193センチ,気むずかしい天使を思わせる男の臭いが香り立つクラシックな顔つき,くすんだ金色に光る瞳/
 「サンティーノは裕福らしい」かつて結婚し半年間しか続かなかった結婚生活。その時フランキーは16歳でした。大学生のサンティーノに憧れ,追いかけ回すばかりの女の子だった自分。5年後の今,友人と共に営む旅行会社の経営立て直しに必要なヴィラとの契約を取るためにサルディーニアに戻ってきたフランキーは,そこで元夫のサンティーノに出会い,しかも衝撃の事実を告げられるのです。二人の離婚は成立していないと・・・。つまり二人の結婚の事実はまだ有効で,しかもサンティーノはこの5年間フランキーに毎月相当額のお金を振り込んでいたというのです。ひょっとして母がそのお金を使い込んでいたのでは・・・と疑いはするものの,自分の母がそんなことをしていたことを認めたくないという気持ちから,フランキーはプライドから嘘をつき始めます。それに一々反証を挙げ自分を責め立てるサンティーノ。当時如何に自分が幼く,しかも夫が別の美女と口づけしているところをたまたま見かけて,不実を理由にサンティーノの元を去ったのは自分の方だったので,忘れられない存在であるサンティーノを憎み忘れようと努力してきたこの5年間でもありました。サンティーノは3週間だけ共に生活し,その後正式に離婚しようと提案,というより命じられたとき,それで決着がつくのであればそれでいいと,かつてのように唯々諾々と夫の命令に従ってしまうフランキーでした。封建的で古い考えの持ち主のサルディーニアの祖父たちにとってみれば,家を飛びだしたフランキーが翌日サンティーノに発見されて連れてこられたのをみて,一夜を共にした男女は結婚しなければならないと祖父に責められ,サンティーノが仕方なく結婚を承諾したという事情からして,サンティーノ自分を愛していないと思い込んでいた幼いフランキーでした。そしてサンティーノもまた高額のお金を母と共謀して自分からだまし取っていたフランキーに相応の苦しみを味わわせたいと考えての3週間の提案でしたが,実はなかなかフランキーの魅力から逃れられないでいる自分に本当は気付いていてもそれを認めたくないという気持ちもあったのでした。次第に近づいて行く二人の気持ち。そして愛を交わすときの互いを惹きつける魅力。いつしかフランキーは母のデラが自分たちを騙していたことも知り,そしてサンティーノも騙されていることを半ば知りつつフランキーへの支援を続けていたのに気付いて愛を確信するのでした。サンティーノの両親からは,特に母親からは全く厄介者のように扱われてしまうフランキーを,サンティーノは弁護し,大切にしてくれるのでした。そしてフランキーは如何に自分が自分の夫のことを何も知らない子供だったかと言うことを思い知らされるのです。「サンティーノは裕福らしい。」それも,莫大な財産をもつ富豪であることを知らなかったフランキーでした。
 世間知らずの幼妻だったフランキーが本物の愛に目覚めていくまでの過程を描いた成長譚です。サンティーノもまた,兄の死によって家族から見捨てられた自分がフランキーの愛によって家族に受け入れられていくまでのサイドストーリーも描かれていて二重の成長譚になっています。8歳の年齢差はそれほど大きなものではありませんが,精神的な落差はかなりの開きがあり,その分愛らしく純真なフランキーの若さが強調されています。HQ文庫版の表紙モデルは意志の強そうなかなり激情的なフランキーの一面を表していますが,HQSP版の表紙モデルは儚げで純真そうな少女のときのフランキーをと対照的なイメージを伝えています。


タグ:ロマンス
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愛の物語の結末は? [ルーシー・ゴードン]

SHALOCKMEMO1229
愛の物語の結末は? His Brother's Child
( Baby Boom 7 ) 1997」
ルーシー・ゴードン 高橋庸子




HQSP-109
16.04/¥540/224p

I-1149
98.05/¥641/156p


 原題は「彼の弟の子供」
 ヒロイン:ドナ・イーストン(27歳)/元看護師,イギリス人/卵形の顔,黒い髪,大きな青い瞳/7歳で両親が離婚,10歳で母を亡くし,その後施設に入る。16歳で自立。里親たちにも捨てられた。自分の居場所がないと感じている。/
 ヒーロー:リナルド・マンティーニ(33歳)/実業家/背が高くハンサム,威厳に満ちた容貌。/
 またまた傲慢なイタリア男の登場です。年の離れた弟の恋人で,すでにその子供を妊娠している女性を奪おうとするヒーロー。そして財産目当てで,まだ考えの幼い弟を騙してマンティーニ家に入り込もうとしていると徹底的にヒロインを虐めます。ところがヒロインのドナは兄弟の父のピエロに好かれ,さらにリナルドを育てたも同然の家政婦マリアにも好かれ,家中の使用人たちからも好かれていくのです。そして自分とドナとの結婚を認めようとしない兄に嫌気がさして駆け落ちしようとした弟の気持ちを考えずにドナに高額なお金を渡そうとします。弟トニが隙を見てその金をせしめたとは知らずに,出奔した二人が言い争って事故を起こし,トニは亡くなってしまいます。幸いドナのお腹の子供は無事でしたが,父親を亡くした赤ん坊を育てるという名目でリナルドはドナに結婚を迫ります。妊娠中の不安定な気分のまま結婚を承諾するドナ。市役所で簡単な式を挙げてドナはマンティーニ家のヴィラで暮らすことになります。それには自分を大切に思ってくれる義父ピエロが息子を失った落胆で倒れてしまい,ドナとリナルドの結婚を望んだからでもありました。義父の看護をしながらもリナルドとは同居しているだけの関係に,ドナはリナルドを愛していることに気付きますが,言葉の端端にトニのことを回顧するドナにリナルドは冷たい態度を取らざるを得なくなるのでした。このころにはもうリナルドもドナの言っていることを信用するようになっていたのですが・・・。赤ん坊は無事には生まれませんでした。リナルドと一緒の車で帰宅途中に急に産気づいたドナ。まだ予定日まで1カ月もあったにもかかわらず,ついにドナは車中で息子を出産し,トニと名づけます。ピエロの喜びもそして家中の使用人たちも赤ん坊を可愛がり,いたたまれなくなったリナルドは数カ月間事業のために出張し,各地の工場を回ることにするのでした。この隙を狙ってやってきたのが,本作の最大の敵役,かつてのリナルドの恋人で,自分の女優というキャリアのためにリナルドを捨てたセリーナでした。少し前,出産後の洋服を買いに街に出たドナはセリーナのフラットを訪れてみたのですが,留守でした。セリーナはドナとリナルドの結婚は偽装結婚であり,本当は子供が産まれたらリナルドはドナと離婚し,自分が後釜に座ることになっていると言うのでした。少し前に留守にしていたのは自分とリナルドが一緒にいたためだというのです。驚愕のあまりセリーナの耳を掴んで家から追い出したドナですが,リナルドへの疑心が芽ばえ,幼いトニを連れて家を出ることにします。帰宅したリナルドは,セリーナの奸計をピエロから聞かされ,ドナを追いかけ,発見するのでした。9歳の時,母ロゼッタが弟を出産しそれまで母の愛を一身に受けていた自分より,弟が愛を注がれていくのを敏感に感じ取ったリナルド。そして愚かしいことを繰り返す弟の後始末をしてきたリナルドは,愛を信じられなくなっていたのです。それでもドナへの愛を隠すために家を留守にしていたリナルド。その事情を明かされたとき,ドナはもうリナルドへの愛を止めることが出来ませんでした。
 傲慢な態度を繰り返していたリナルドが次第にドナの虜になって行く過程が本作の読みどころですが,同時に両親に捨てられたドナもマンティーニ家の家族になることによって自分の居場所を見つけて行くというハッピーエンドのお話しです。


タグ:イマージュ
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バージンロード [ヘレン・ビアンチン]

SHALOCKMEMO1228
バージンロード Dark Enchantment 1986」
ヘレン・ビアンチン 雨宮朱里




HQSP-108
16.04/¥540/208p

R-1347
97.10/¥672/156p


 原題は「暗い魔法」
 ヒロイン:クリスタ(クリス)・ローレンセン(21歳)/名家の令嬢/亜麻色の髪,真っ青な大きな瞳
 ヒーロー:ジャレッド・チェイス(34歳)/チェイス=ローレンセン社社長,クリスタの後見人の一人/
 なんの苦労も知らないお金持ちのお嬢さん。フランスの花嫁学校を終えシドニーに帰ってきます。北欧系の美女クリスタ(クリス)は,それでもそんなに大柄ではないようです。教養はあっても何か資格があるわけではなく,職に就く必要もない,日々,買い物やのんびりすることだけの生活。そして継母は結婚こそクリスの生きる道と考えています。一方ジャレッド・チェイスは会社の共同経営者としてクリスの父とジャレッドの父が経営する会社を取り仕切っていますが,クリスの父が亡くなった今,実質的にはジャレッドが会社の全てを支配していると言っても過言ではありません。シドニーにあるクリスの家は,クリスが結婚すれば継母アンジェラのものになるというのが遺言です。何をしてもアンジェラに敵うはずがないとクリスは半ばあきらめの気持ち。しかも結婚に関してアンジェラとジャレッドが結託しているとなれば,もうどうにも手の打ちようがない,というのがクリスの正直な気持ちでした。では誰と?やはり,裕福なお坊ちゃんサイモンが時々パーティで声を掛けてきますが,惹かれるものが何もありません。それに対していつも自分の保護者のように振る舞うジャレッドを意識してしまうクリスでした。そんなジャレッドから結婚は自分とと言われたクリスは,驚きます。ローレンセン家とチェイス家の合体という意味では会社の安定に最も有効な手段であり,クリスの父もそれを望んでいたと聞かされ,まるで会社の合併のための政略結婚のように思えたからです。そこに愛はないの?と落胆するクリス。しかしジャレッドに惹かれるものを感じているクリスにとって,この結婚は自分にとっても良いのでは?でもジャレッドの愛を獲得できるのだろうか,そんな思いで,結婚を決意したのでした。そして決意するにはもう一つ,ジャレッドがかつて付き合っていたパメラというモデルが未だにジャレッドを狙って時々現れるということも理由にありました。ジャレッドの行動にいつもなにか反抗的な態度を取ってしまうクリス。しかし次第にジャレッドとの結婚の準備が進み,花嫁介添え人を務めてくれることになった親友ルイーズに逢うために出張中のジャレッドを追いかけて西海岸のパースまで飛ぶクリス。そしてパースでついにジャレッドと一夜を過ごすのでした。ホテルの夕食の席にもまたまたパメラが現れ,クリスは立腹してジャレッドの頬を平手打ちするのですが・・・。
 幼少期に母を亡くし,ティーンエイジャーで父をも失ったクリスが,後見人ジャレッドの庇護の元で次第に少女から乙女になりそして21歳で結婚するまでを描いた成長譚です。何不自由のないお金持ちの令嬢が,実は意外と幸せを見つけるのは大変なのだということを描いた作品ですね。つい大人ぶってしまう,しかも自分に自信が持てないで過度の心配をしてしまうクリスが愛らしく,その心の成長が丁寧に描かれています。


タグ:ロマンス
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哀愁のプロヴァンス [アン・メイザー]

SHALOCKMEMO1227
哀愁のプロヴァンス The Night of the Bulls 1972」
アン・メイザー 相磯佳正




PB-166
16.04/¥700/176p

R-0001
79.09/¥450/173p


 原題は「雄牛たちの夜」
 ヒロイン:ダイアン/教師,シングルマザー/愛らしい目,セクシーな唇/
 ヒーロー:マノエル・サン=サルヴァドール/農園経営者/黒い眉,灰色の瞳,高い頬骨,厚い唇,引き締まった顎,濃いもみあげ/
 初訳はハーレクイン・ロマンスの第1番の復刻です。HQの古典的名作を復刻する「ロマンス・タイムマシン」のシリーズの1作で2001年にCPで再版されています。初訳は1979年。40年前の出版(原作は1972年)ですから,さぞや古めかしい作風かと思いきや,文学作品を読むような格調高い調子ではあるものの,描かれている登場人物たちの気持ちの動きは現代とあまり変わらず,ヒーローのマノエルが少し寡黙で男らしさがにじみ出る性格,そしてヒロインがちょっと浮気っぽい感じであることや,敵役のイヴンヌとマノエルの母の性格の悪さが目立つことなどは,ストーリー展開に明確さをもたらし,筋立てはさすがアン・メイザーと思わせる作品だと思います。時代的なものを感じさせるのは,ヒロインが公衆電話を使うところとか,ロマ(本作ではジプシーと表記されていますが)の風習が描かれているところなどはあるものの,それが返って魅力になっています。舞台がフランス南部,ミストラルやアルルといったフランス独特の風物,都市が舞台となっているため,エキゾチックな感じがなかなかイイですし,フランスでも闘牛が行われていることなどが分かって,楽しめます。いわゆるシークレット・ベビーものですが,子供の存在を隠すことなく,その子の病を治すためにヒロインが強い気持ちでヒーローの元を訪れるところから物語の幕が上がるところも,若干ミステリーの倒叙もののような感覚になれるところも面白さの理由だと思われます。今後もこのシリーズ出版が続いていくとすれば,ハーレクインの古典を読む絶好の機会になりそうです。


タグ:ロマンス
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