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白雪姫の奇跡 [シャーロット・ラム]

SHALOCKMEMO1406
白雪姫の奇跡 Spellbinding 1990」
シャーロット・ラム 松村和紀子





 原題は「呪文で縛る,魅了する」
 ヒロイン:ベリンダ・ハント(22歳)/元保険会社社員(イギリス中に支店網を持つ大きな保険会社)/緑色の目,赤銅色に波打つ髪/
 ヒーロー:ヴィンセント・ギャレット(?歳)/投資銀行経営/筋骨逞しく,肌はオリーヴ色,目は淡い灰色,意志の強そうな顎,引き締まった厳しい顔つき,持ち家はディリンガム・プレイス,元恋人マグダリン/
 8カ月間意識不明のまま入院。助手席に同乗していた車にトラックが突っ込み,その事故で意識が戻らないまま8カ月間ベッドに横たわったままだったベリンダが,目覚めた!病院の医師も看護師も奇跡だと大喜びをしますが,ベリンダにとっては意識が戻ってからの方が大変でした。真実を知るまでも時間がかかるものですね。「雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、黒檀の窓枠の木のように黒い髪」が童話の白雪姫の形容ですが,本作のベリンダは,赤銅色の髪と緑色の目です。また文中「シャロットの姫」という表現も登場しますが,おそらくテニスンの詩を指していると思われますが,外に出ると死んでしまうという呪いをかけられ,鏡を通してしか外を眺められない姫と同じようにベリンダも退院後も体力回復が十分ではなく外出できなかったことを指します。8カ月もベッドに縛り付けられれば,脚の筋肉も相当落ちるでしょうし,ふらつかずに歩くこともかなり難しい状態だったろうと思われます。病院でのリハビリだけでは不十分で退院後も日々,リハビリに取り組まなければならないでしょう。そんな心細い状況の中,婚約者のリッキーの兄ヴィンセントが放った一言は,ベリンダの目覚める一週間前にリッキーはすでに結婚したということでした。シャーロット・ラムらしい独特で童話的なストーリー展開。たちまち彼女の物語の世界に読者を引きずり込みます。原題で表されているようにヴィンセントの魅力に徐々に嵌まっていくベリンダ。そしてヴィンセントもまた幼なじみマグダリンではなく,弟リチャード(リッキー)の恋人だったベリンダを愛してしまっていたのです。リッキーと交際はしていたものの,リッキーは末っ子の甘えん坊で,人を愛するよりも自分が愛される方を選ぶタイプ。しかも事故の影響で自分ではなくベリンダが昏睡状態に陥ったことへの罪悪感を強く持っていたのでした。そのため両親やリッキー夫妻に会わせたヴィンセントに恨みの気持ちを抱いたものの,リッキーへの思いを吹っ切ることができたベリンダ。そんな何でも自分の思いどおり事を運んでしまうヴィンセントを強い口調で非難することはあっても,それは裏返ってヴィンセントに甘えてしまう自分を認めたくないという気持ちの表れでもあったのです。退院後ヴィンセントの家で過ごすことになったベリンダ。ヴィンセントはリッキーと会わせたくないために,ベリンダを監視するという名目で家に連れて行ったのですが,それはあくまで名目で,ベリンダに強く惹かれてしまい,深い関係を持ちたいという欲望が湧いていたからでした。そして,ベリンダもまた「私はヴィンセント・ギャレットに恋をしている。血の気の引いた顔を両手で覆い隠したが,そうしたところで真実から逃れることはできなかった。彼と目が合うと,心臓が激しく打った。私は彼を愛している。なぜそんなことに?いったいいつ恋をしてしまったの?」ヴィンセントの両親は初めベリンダを受け入れる気持ちはありませんでしたが,リッキーとメグの仲を裂こうとしているのではないというベリンダの言葉を信じたようです。しかもヴィンセントとマグダリンの関係ともかかわらないようにという言外の圧迫を感じたベリンダに対して,ヴィンセントはきっぱりとその懸念を打ち消すのですが,自分がヴィンセントから想いを寄せられていようとは思いも寄らないベリンダ。ヴィンセントは単に欲望を持っているに過ぎないと思っていたのです。ヴィンセントのプロポーズをきっぱりと断るベリンダ。さぁ二人の間の気持ちのすれ違いは解消するのでしょうか・・・。体調が少し好転してきたベリンダはやはり母親の元に帰るべきだとニュージーランド行きの飛行機に乗ろうとヴィンセントの家を密かに脱出するのですが,空港近くのホテルについて翌朝のフライトを待っている間に,ヴィンセントに発見されてしまいます。「私の望みは愛よ」と告白するベリンダ。それに対して,ヴィンセントもまたマグダリンとの関係を明かすのでしたが・・・。そして入院中,昏睡状態にあったときにヴィンセントが取った行動を知って,ベリンダはヴィンセントの愛を確信するのでした。「白雪姫」「昏睡状態なんていうよりずっと素敵だわ。」「するとあなたは王子様かしら?」この一文に本作の本題が凝縮されています。


タグ:ロマンス
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