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運命の回転ドア [シャーロット・ラム]

SHALOCKMEMO1290
運命の回転ドア Body and Soul 1994」
シャーロット・ラム 高田真紗子




K-406
16.06/¥670/156p

R-1291
96.12/¥640/156p


 原題は「肉体と魂」
 ヒロイン:マーティーン・アーチャー(27歳)/証券銀行社員/150センチぐらいの小柄で痩せ型,グリーンの瞳,赤褐色の髪/
 ヒーロー:ブルーノ・ファルカッチ(?歳)/銀行家/180センチくらいの長身,小麦色の肌,石に刻まれたような顔立ち,黒い髪,黒い瞳/
 複雑に入り組んだ愛憎をテーマにさせては右に出るものがいないシャーロット・ラムの作品。本作も憎んでいるように見せかけて本当は心から愛している相手との愛の物語です。そして何より驚くのが,脳腫瘍にかかった患者が生きがいをもって生きる意欲をもつことで腫瘍が小さくなり元気になっていくというストーリーです。原題の「Body and Soul」はそんな意味があるのでしょうか?
 証券銀行の経営者チャールズのもとで働き始め,元々持っていた才能を開花させて昇進を続け,みんなに頼りにされているマーティーン。しかし,チャールズは従弟のブルーノをイタリアから呼び寄せ,いずれ経営を任せるつもりだと言い出します。そのブルーノとマーティーンはある日偶然会議が行われるホテル入り口の回転ドアで一緒に挟まってしまい,互いをののしり合ったのが出会いでした。互いにその時,気持ちの中に互いを深く印象づけたのでした。会社にやって来たブルーノに表面的には慇懃に対応しているマーティーンですが,その男性的魅力に太刀打ちするためにはなんとか自分の気持ちを抑えつけなければならずに苦労しています。そして体調の悪いチャールズの代わりにブルーノが行くことになったローマの銀行家会議の最終日に遂に二人は深い関係を持ってしまうのでした。帰国を一日早めて先に帰ってきたマーティーンはその日のうちからインフルエンザで体調を崩し,出勤できなくなってしまいます。ブルーノはその話しを信じず,マーティーンが故意に自分を避けてしまったと感じているのですが,数日後マーティーンのフラットを急襲し,細々とマーティーンの世話を焼くという思いがけない行動に出るのでした。チャールズとマーティーンの関係を疑うブルーノの言葉に敢えて説明も打ち消しの言葉も話さないため,ブルーノはさらに二人の関係を疑い,長期の出張に出てしまうのでした。その間,マーティーンは自分の体調の変化がインフルエンザだけでなく,妊娠によるものだと気付きます。当初誰にも,両親にすらそのことを告げずにいたのですが,次第に服では隠せない状況になって始めて友人にそのことを打ち明けていたとき,出張から帰ってきたブルーノにその話を聞かれてしまいます。チャールズの子か,自分の子か,と聞かれたマーティーンはブルーノを避ける言葉しか話さず,ますますブルーノの疑心はつのっていくのでした。この当たりの緊張感に読者はドキドキしますし,その後,事情を知らないチャールズに子供をどう育てようとしているのか聞かれたマーティーンは,自分だけで育てると言い切るのでした。それに対してチャールズは自分と結婚すれば問題は解決するとプロポーズをしてくれますが,友人以外の感情を持っていないチャールズとの結婚はマーティーンの選択肢にはありませんでした。やがて,チャールズの病気の深刻さを知ったマーティーンは誘われるままにクリスマスをウィーンでチャールズと過ごします。しかしプロポーズを断ったマーティーンとチャールズは気まずい想いを抱いたまま帰国するのでした。ここまで頑固に二人の男性からの求愛を断り続けるヒロインの姿に拍手を送りたくなります。やがて地下鉄事故の影響で産気づいたマーティーンに,病院に駆けつけたチャールズ。そして入院を聞きつけて病院にやって来たブルーノに病院の看護師たちが病室に入れるのは一人の父親だけだといい,後からやって来たブルーノに冷たく対応する様子に思わず読者もクスリとするでしょう。愛らしい女の子が産まれ,名前をローマと名づけるマーティーン。この洒落た命名にも思わず拍手を送りたくなります。次々と溜飲を下げてくれる作者の見事な腕前に完全に参ってしまう秀作です。なお,ホテル入り口の回転ドアは日本では事故が起きてからほとんど姿を消すか,近くに普通のスライド式のドアが付けられるようになりましたが,欧米ではまだ残っているようですね。韓流ドラマでも一流ホテルでは結構見かけます。かつて「スライディング・ドア 1998」という名画があり,ヒロインのグィネス・パルトローの清純な美しさが際立っていた記憶がありますが,ちょっとそれを思い出してしまいました。今はAmazonPrimeにも入っていますから手軽に見れるようになってうれしいですね。


タグ:ロマンス
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