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虹色のシンデレラ [エマ・ダーシー]

SHALOCKMEMO1174
虹色のシンデレラ The Billionaire's Captive Bride
Ruthless 15 ) 2007」
エマ・ダーシー 片山真紀





 エマ・ダーシーのシンデレラストーリーですが,本作はシンデレラを夢見る女性ではなく,シンデレラ物語を作る側の女性を描いた作品です。そんなちょっと変わった視点から,こんなにも面白いストーリーが描ける作者の才能にまずは感謝です。
 童話作家としてすでに世界的に名を知られていたエリン・ラヴェルは,いわゆる覆面作家。プライベートな部分をほとんど明かさず,マスコミからの取材もほとんど断っています。ペンネームではなく本名で創作していますが,ストーリーを思いつくと現実からちょっと離れたその世界に行ってしまうという癖があります。最初の作品が発表されたときのマスコミからの取材に嫌気がさし,その後はインタビューもほとんど断ってきたのでした。その日は伯母の経営する幼稚園の子どもたちと一緒に園の近くの公園に行って子どもたちに語り聞かせをすることになっていました。横断歩道で子どもたちを横断させようと待っていたとき,スポーツタイプの高級車に乗った男性が目につきます。にっこり笑いかけて子どもたちを横断させただけの出会いでしたが,これが後にエリンの人生に大きな転機をもたらすとはこの時予想もしていなかったことでした。この男性こそ,親の代からの企業帝国のリーダー,ピーター・ラムゼーだったのです。ピーターは車の中から横断中の子どもたちを何気なく眺めていたとき,にっこりと笑いかけた女性,この時は幼稚園の先生だと思い込んだのですが,が,とても印象に残ります。公園の近くに車を止め,目立たないようにそっとこどもたちの様子を見ると,先ほどの女性が語る語り聞かせがとても面白く,子どもたちもその話しにうっとりと聞き惚れている様子に思わず笑みが浮かびます。その時疲れ切った様子の男性が子どもたちの中に割り込み,男の子を一人さらおうとしたのでした。何人かの先生がその男性に警察を呼びますよと興奮している中,エリンが男性に落ち着くように声を掛けている様子を見て,ピーターは思わずそこに近づいて行きました。そして男性が子どもの父親であり,母親から子どもの養育権を奪われてしまって会うことが出来ずにいることを知り,就職先と弁護士を紹介すると約束するのでした。エリンはそんなピーターの様子を見て,他の子どもたちを落ち着かせるために再び話し聞かせを始めたのでした。男性が子どもを傷つける様子がないことを信じたエリンとピーターの息の合ったこの対応で,子どもたちはすっかり落ち着きを取り戻し,事件のことをでショックを受ける様子もなく幼稚園に戻っていくのでした。あとで母親の様子を聞かせて欲しいと名刺をエリンに渡すピーター。その時エリンも自分の名前を名告ったのですが,名刺を受け取り名前を聞いてもエリンはピーターの正体に気付いた様子はありません。またピーターもエリンの名前を聞いても有名な童話作家であることは気付きませんでした。そして夕方エリンから電話をもらったピーターは,母親の様子を聞くことを口実にエリンを夕食に誘います。レストランに現れたエリンは,気合いの入った服装で現れました。きっと自分の正体を知ったからだと思ったピーターですが,これまで女性たちが自分の財産狙いでさんざん自分を売り込もうとしてきたことに嫌気がさしており,エリンの魂胆もそんなところにあるのかどうかを確かめたかったのです。エリンもまた有名な作家であることが自分をありのまま見てもらえないことに嫌気がさしており,ピーターが自分に気付かない方が都合がいいという思いでいました。そしてその夜,誘われるままにピーターの家で愛を交わし合うのでした。一夜限りの関係だろうと思っていたエリンは,ピーターがその後自分との関係をどうしたいのかを推し量っています。ピーターはこれまで付き合ってきた女性とエリンは全く違っており,自分の差し出そうとするものを頑なに固持するところから,二人の関係を深めたくないのだろうと思ってしまいます。翌日の午後ピーターの所有する馬がレースに出ることになっており,競馬場にエリンを誘いますが,エリンもまた競馬を見たことがなく,喜んでこの誘いに乗るのでした。うっとりするほど素晴らしいスタイルで現れたエリンにピーターはすっかり心を奪われてしまいます。エリンもまたピーターが自分の白馬に乗った王子様であるかもしれないと夢見ごちですが,富豪のピーターが自分と住む世界が違うはずだとこれからの関係が深まるはずはないと思い込んでいます。この二人の気持ちのすれ違いが,翌日決定的になります。競馬場で二人が一緒にいる様子がマスコミに取り上げられ,新聞に出た二人の写真を見たピーターの母親から,エリンが有名な童話作家であることを明かされたのです。どうして正体を隠していたのかとエリンを詰問するピーター。ああ,またしても自分の正体が相手を傷つけてしまったと,エリンはピーターの部屋を去って行くのでした。その後数週間して,競馬場で見た馬たちを物語にしていたエリンは体調の変化に気付き,やがて妊娠に気付きます。ピーターに知らせなければと思いつつも,気まずい関係で終わったあの時を思い出すとなかなか言い出せないでいます。数ヶ月して,エリンの書いた物語「ミリマの不思議な馬たち」が映画化されることになり,お腹の大きくなっていたエリンは自宅でプロデューサーや映画監督との打ち合わせをすることになります。ところが一緒に現れたのは,ピーター。そしてピーターこそがこの映画のオーナーだというのです。そのことにショックを受けたエリンは妊娠を何故黙っていたと難詰するピーターの声を聞きながら陣痛が起こってしまうのでした。その後はピーターの手際よい段取りであっという間に出産までこぎ着けます。子どもを得たピーターに大切にされながらもエリンは子どもをピーターに奪われてしまうのではないかと不安に襲われます。そしてピーターと出会ったときにきっかけになった事件,あの男の子と父親との件を思い出し,ピーターが子どもに対して父親として常にかかわっていきたいと考えていることを信じることにしたのです。そして結婚の申し出。子どもだけでなく自分も愛して欲しいと結婚式当日まで悩むエリン。その想いをいつピーターに伝えようか,ピーターもまたエリンが自分を愛してくれているといってくれるだろうかという想い。このすれ違いが読者にカタルシスを与えますが,そこはやはりロマンス小説。そして数ヶ月後にアカデミー賞の授賞式にエピローグが飛ぶのです。
 夢見がちでロマンチストのエリンがとても愛らしく感じられ,ミルズ・アンド・ブーンの表紙の女性はエキゾチックすぎてちょっとイメージが違うのですが・・・。また,ピーターの妹シャーロットとダミアンの物語である本作の姉妹編「奪われた祝福の夜」もこれから楽しみたいと思います。


タグ:ロマンス
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