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最後のおおいなる情熱 [エマ・ダーシー]

SHALOCKMEMO938
最後のおおいなる情熱 The Last Grand Passion 1993」
エマ・ダーシー 霜月 桂





エマ・ダーシー1993年の作品。原題もそのまま。初めはこのタイトルの「最後の」がなにを意味するのかわかりませんでしたが,読了してみてわかりました。もはや涙なしには読み終えない感動の作品です。もっと読んでいると思いましたが,ダーシー作品を読了するのは,「鏡の中の迷宮」以来5年ぶりとは驚きです。
舞台美術家のアン・トリバー,衣装係の助手からスタートしてプロデューサーのアレックスに認められ,舞台美術家としての仕事も順調にいっていました。4人姉妹の長女のアンですが,妹たちはそれぞれ愛する人を見つけ,末妹のジェニーの結婚式も間近で,アンはジェニーのウエディングドレスのデザインをしているところです。母親からはなかなか相手を見つけられていないアンにプレッシャーをかけてきているのですが,それを聞かないふりをして仕事に没頭しています。7年前,アンには愛する人がいました。しかし,突然の別れ,そして数年後付き合った相手は運命の人ではないことに気づき,別れを告げたのでした。そんなアンとジェニーの前にかつて愛した相手で世界的な脚本家のサディ・リオダンがやってきます。今更なにしにシドニーまでやってきたのかとすげない振りをするアン。しかしアンの気持ちには今にもサディの胸の中に飛び込みたい気持ちが強く残っているのでした。サディは,アンのかつての恋人トム・コルビーとの関係を質されたり,アレックスとは付き合うなと言われたり,もはや何とも思っていない相手のことをあげつらわれます。しかし,二人の関係は舞台のイギリス初演のためにロンドンに行って再燃します。やがて初演の舞台後のパーティで,二人の関係は周知のところとなっていきます。サディの弁護士の美人ポーラに嫉妬したりアンの心境も複雑ですが,サディを愛していることはもうアンには止められない気持ちになっていました。結婚しようという言葉は聞かれませんが,二人の関係が将来も続きそうだと判断したアンはサディの子を設けようと避妊を止めます。サディはどうしてもアメリカに渡らなければならない事情が出てきました。一人にしておけないのでポーラの家にいるように言われたアンはサディについてアメリカに行きたいと言いますが,サディは自分しかいけないのだとアンを拒みます。そしてサディが結婚していることを知らされるのでした。アンの中にはすでにサディの子供がいるにもかかわらず・・・。何故こんなにサディが一緒にアメリカに行くことを拒むのか,なにか既婚であること以外にも秘密があるのではと思うようになったのは赤ん坊のマイケル・ジョンが産まれた直後にサディがアメリカに渡ったからでした。アレックスに無理矢理言わせた本当のこととは・・・。ここからが本作の最大の山場です。そして,「最後の」というタイトルの意味も,クライマックスでわかるのでした。
全ての件が片づいて3カ月後。サディが再びアンとマイケル・ジョンの元を訪れます。サディが書き上げた未完の脚本「最後のおおいなる情熱」。それは公演されることのないアンとサディだけの見事な脚本でした。サディの苦悩とアンに対する深い愛,その全てが込められ,しかも結末はアンに委ねられるという脚本家らしいサディのプレゼントだったのです。本当に舞台で上演されているかのような二人の人生をかけた物語。スケールの大きな作品です。今年読んだ中では確実にベストに入る作品です。


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