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静かに愛して [ダイアナ・ハミルトン]

SHALOCKMEMO1387
静かに愛して Betrayal of Love 1989」
ダイアナ・ハミルトン 三好陽子




HQSP-130
16.12/¥540/200p

R-1089
94.06/¥652/156p


 原題は「愛の裏切り」
 ヒロイン:フェリシティ(フリス)・ドレイカー(旧姓ソームズ)(22歳)/家電メーカー「ハーリーズ電器工業」販売部長/茶色のつややかな長い髪,優美で肉感的な曲線美,深いサファイア色の目/
 ヒーロー:レオン・ドレイカー(33歳)/実業家,「ドレイカー・エレクトロニクス」会長,夫/グレイの目,黒く豊かな髪,力強い長い指,長身で肩幅が広く,引き締まった腰/
 雇い主で恩人のジェラルド・ハーリーからレオンと夫婦なんだってねと問われ,「レオンを嫌うのは,以前彼に裏切られたから。彼は私の気持ちなんて考えもせず,ある女性に報復するためだけに私と結婚したんです。そして,今この合併話を進めるための唯一の条件は,四年前に決別した彼と結婚をやり直すという」要求があったからですと答えざるを得なかったフリスでした。ある女性とは,レオンのまたいとこにあたるエドウィーナで,8週間の結婚生活の最後の日,レオンのベッドに裸体のエドウィーナがいたところをフリスが見てしまったことで決定的になったのでした。そして復讐による結婚というエドウィーナの言葉を18歳で世間知らずだったフリスが,そのまま信じてしまったからでもあったのです。レオンの母親のアナベルもレオンがいないところではフリスに意地悪な言葉ばかり投げつけ,本当はエドウィーナとレオンを結婚させたかったということをフリスにはばかりもせずに直接話していたのでした。実の親に見捨てられ,期待もされていなかったフリスがようやくレオンとの結婚で親に認められようとしていた矢先の出来事はフリスの心にさらに深い傷を負わせていたのです。幸いジェラルドとネッタのハーリー夫妻がフリスの親代わりとして仕事と家庭を与えてくれ,懸命に働いて現在の販売部長という地位まで上り詰めたところに,突然降って沸いた会社の買収話。業績の悪化はジェラルドが愛して止まなかった妻ネッタの死に落胆したジェラルドが体調を壊したことと,コネで入社したティム・オーモンドがライバル会社のスパイとして入社し,わざと会社の業績を下げるような契約をしてきたからでした。もうレオンの要求を呑んでレオンとの結婚生活を再開するしか会社を立ち直らせることができないことを知り,仕方なく会社を後に,ドレイカービルの最上階にあるレオンのフラットで共に生活することになってしまいます。4年も経っていながらも,心ではレオンを拒絶しようとするフリスですが,レオンに触れられることで自分の体はレオンを求めてしまい,やっとの思いで身を引き離せなければならないことにフリスのプライドは傷つきます。そしてレオンとエドウィーナの関係についてちょっと匂わせてみても,何のこと?というふうにレオンが答えることにも嫌気がさすフリスです。さらには親子ほども年の違うジェラルドと自分の関係を疑っている様子のレオンにあきれ果てたフリスは,もうレオンの勘違いに反論する気力すら失せてしまうのでした。突然冷たくなったり,自分を求めてきたりする,今で言うツンデレのレオンの行動を巧みにすり抜けながら再び騙されまいとするフリスですが,結局この再度の結婚生活もレオンが自分を愛しているからではなく,最近自分に迫ってきている女性との関係を清算する言い訳として,フリスが妻であることを利用しようとしているだけのことだと知り,再びフリスの心は凍りつくのでした。しかしレオンを愛していることを思い知ったフリスは,そんなレオンとの結婚生活を戦わずして投げ出すことができないと気付き,敢然と誤解を解こうと決意するのです。
 若さゆえに夫を信じられずに結婚生活から逃げだしてしまったフリスが,社会人として苦労し,人生経験を積むことによって真実の愛を掴むために立ち向かっていくまでの成長を描いた成長譚です。邦題の「静かに愛して」というシンプルでやさしい言葉の響きが本作の雰囲気をよく伝えているとともに,SP文庫表紙のフリスのイメージが純真でしかも女性らしさに溢れた様子をよく表しておりBESTなIMAGEだと思います。イチオシの作品です。


タグ:ロマンス
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罠に落ちたシンデレラ [ダイアナ・ハミルトン]

SHALOCKMEMO1373
罠に落ちたシンデレラ The Kouvaris Marriage
( Wedlocked 46 ) 2006」
ダイアナ・ハミルトン 伊坂奈々




PB-184
16.11/¥700/156p

R-2257
08.01/¥680/156p


 原題は「クーヴァリスの結婚」
 ヒロイン:マデレイン(マディ)・ライアン(23歳)/造園家/淡褐色のつややかな巻き毛,ブルーの瞳,豊満な体/
 ヒーロー:ディミトリ・クーヴァリス(歳)/海運業者/長身,浅黒い肌,金色の目/
 2006年のHQロマンスがもう再刊されるなんて早すぎませんか。その前にもっと再刊すべきものが沢山あるように思うのですが。またKINDLE化も更に推し進めてほしいものです。
 さて,本作は夫婦者です。両親に愛されずに育った名家の一人息子ディミトリは人生を冷めた目でしか見られないギリシアの上流階級意識の強い独身の叔母に育てられます。二人の出会いはマディの学生時代からの無二の親友アマンダ夫妻の開いたパーティでした。互いに一目で惹かれ合った二人。しかし,一介の造園家で裕福でもない自分がモデルの親友とは異なって男性に気に入られる体型をしておらず,男兄弟の中で育った自分は,どちらかというと女性には頼られる存在であったので,事業家として大成功を収めている名門出身のゴージャスなディミトリが自分を気に入るとは思ってもみませんでした。ところが数日後に自分の家に帰宅したときディミトリがリラックスして両親とキッチンで話しているのを見て驚きます。しかも翌日プロポーズしてきたのです。互いに何も知らないのに結婚できるわけがないし,パーティでディミトリの腕にぶら下がるようにしていて,いずれ婚約するのは時間の問題だろうと噂されている,イリニという美女の姿をマディも見ていたからです。イリニの存在が二人の結婚生活に大きな影響を与えるだろうとはこの時はマディも想像もしていませんでしたが,イリニからはなんとなく敵意が感じられたのでした。
 簡単な結婚式を挙げ,アテネの大邸宅にやって来たマディは,そこにイリスがいて我が物顔で振る舞っているのを目にします。そして決定的な言葉,「いずれ子供が出来たらあなたはディミトリにすてられるのよ」を残して帰っていきます。さらに叔母のアレクサンドラ・クーヴァリスからはことあるごとに身分の低さ,ギリシア語もできない役立たずと罵られます。これらはいつもディミトリの目の届かないところで行われるのでした。三ヶ月後,決意したマディはディミトリの留守中,書き置きを残してイギリスに帰っていきます。ところが飛行機と列車を乗り継いでやっと真夜中に家にたどり着くと,すでにディミトリは車の中で待っていたではありませんか。自家用ジェットを使えることをマディは想像もしていなかったのです。そして夜遅くだからと近くの安宿に連れて行かれ,マディはディミトリに脅迫されます。もし自分と一緒にギリシアに帰らなければ,両親は家を失い,兄たちの職場もなくなるだろうと・・・。何でも自分の思いどおりにしてきたディミトリがそれだけの社会的影響力を持っていることはマディにも分かっていました。仕方なくディミトリの言いなりにならざるを得ないマディでしたが,心とは裏腹にマディの体はディミトリに触れられただけで熱く燃えてしまうのでした。そして,していなかった新婚旅行を改めて行うという言葉どおり1カ月の予定で連絡船も通らない孤島の別荘に連れて行かれてしまいます。徹底的に自分を大切にしたがるディミトリとの間にやはり愛があるのかと思いかけたマディですが,すでに妊娠していることを医師から告げられ,大きな喜びとともにディミトリが一度も自分を愛しているといったことはないことに気付きます。さらに叔母とイリニから告げられた言葉がマディの胸のしこりとなっていました。そしてアテネに帰った二人の元に,相変わらず叔母の冷たい言葉と,イリニからの緊急電話があります。マディが待ってと言うのを振り切ってディミトリはイリニの元に行ってしまうのでした。その時マディは気を失ってしまいます。流産かと恐怖を感じたマディですが,過度のストレスによるものと分かり,このままディミトリとの生活を続けていくわけにはいかないと思うマディですが,ディミトリが病院にやって来たのは3日後のことでした。しばらくはリラックスすることが胎児にとって大事なことだという医者の指示に従い,しぶしぶディミトリとともに家にたどり着いたのですが,叔母はディミトリによって家を離れることになってしまっていました。マディと叔母の間に何か不穏な空気にやっと気付いたディミトリは再びマディが家を出ることをなんとしてでも避けたいと思っていたのです。そして,二人の間には冷たい空気が流れつつも,ディミトリは何くれとマディの世話を焼いてくれます。二人の間の互いに打ち明けていない事情,それはいつどんな風に解消されるのでしょう。
 骨太なストーリーと二人の内面が丁寧に描かれることによって,読者はすっかりダイアナ・ハミルトン・ワールドに引き込まれていってしまいます。一気読み間違いなしの秀作です。


タグ:ロマンス
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冷酷なフィアンセ [ダイアナ・ハミルトン]

SHALOCKMEMO1095
冷酷なフィアンセ Virgin : Wedded at the Italian's Convenience
Innocent Mistress, Virgin Bride 7) 2008」
ダイアナ・ハミルトン 白槻小枝





エンディングがとても小気味がいい作品です。150センチほどの小柄でほっそりした女性リリー・フロームは母を亡くし父からも捨てられ,元教師の大叔母のエディスに引き取られ,慈善団体を運営しています。村のお年寄りや困った人を助けるためにボランティアの人たちに手伝ってもらいながら何とか生活してきました。最近になって村の大きな屋敷が売りに出されたという情報を得て,バザーのために家具などを引き取りたいと申し出るために屋敷を訪れると,先日弁護士事務所から出てきた大柄でハンサムな男性が新しい持ち主パオロ・ベニーニであることが分かります。尊大で自分を物乞いのように扱う態度に腹を立て,リリーは用件だけを済ませて帰ってきたのでした。ところが知り合った秘書のペニーと話しているところにパオロがやってきて,慈善団体を支援する代わりにやって欲しいことがあると申し出たのです。それはなんと,病気のパオロの母を励ますためにリリーと便宜的な婚約をしたという申し出だったのです。普通の女性として豊かな暮らしではなくとも正しく生きてきたリリーからしてみれば,いくらなんでも結婚,婚約という人生の重大事を嘘でスタートさせることなど考えも及ばないことでした。しかし2週間パオロとイタリアで過ごすだけで,5000ポンドという大金をポンと寄越すほどの富豪であり,これがあれば団体運営も軌道に乗るだろうという見通しと,大叔母のエディスももう若くないことを考えると楽をさせてあげたいという気持ちにどうしても勝てずにこの申し出を受けることにします。というより,次々とリリーの行動を予測して先々と手を打つパオロの手腕に振り回され,引きずられるように従ったと行ってほうがいい状況でした。しかもそれがそんなに嫌じゃなく,パオロにどうしようもなく惹かれていく自分自身にリリーは怖れを抱いたのです。モデル体型のブロンド美女と浮き名を流しても不思議でない人もうらやむ美貌と財力をもつパオロのような人が自分のような見栄えのしない女性を好きになるはずがなく,しかも今回の申し出はあくまで便宜的なものであることをはっきりと宣言されていたからです。これまでの人生でパオロはすでに1度の婚約失敗と1度の離婚を経験しており,愛のある結婚ということを期待してはいないからでした。パオロの母にはとても大切にされ,話がどんどん進んでしまいます。婚約披露パーティにまで発展し,戸惑うリリー。しかもパオロの目に自分を求める気持ちが表れ,ついには自分もパオロを愛していることに気付くリリーでした。しかし本物の愛のある結婚は望めないという現実との狭間で気持ちが揺れ動くリリー。そのうち結婚の準備まで始まってしまい,慈善団体はパオロの準備したプロの経営者が引き継いで運営をしてから好調な様子。さらにパオロを求めたい気持ちも強まっていくリリー。ついに結婚式まで挙げて本物の結婚にしたとパオロに告白されてしまってはもう逃げ道はありません。ところが披露パーティに集まったベニーニ家の人々は,結構自堕落であまりいい印象は受けません。特にパオロの従妹のレナータに前妻と自分を比べられて,結婚生活がいつまで続くかと嫌みを言われて動揺するリリーでした。ベッドを共にしたくないとパオロに宣言したリリーですが,次第に元気をなくして悩む生活に陥ってしまいます。できるだけ顔を合わせないように過ごす仮面夫婦になってしまった二人に決定的な出来事が・・・。シンプルな筋立てだけにとても小気味がよく,すっきりした読後感が味わえる,2009年に亡くなったダイアナ・ハミルトン晩年の作品です。


タグ:ロマンス
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