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白薔薇に秘めた想い [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1318
白薔薇に秘めた想い The Innocent's Sinful Craving
(7つの愛の罪 7) 2015」
サラ・クレイヴン 朝戸まり





 原題は「生娘の臆病な罪」
 ヒロイン:デイナ・グランサム(24歳)/不動産仲介士/肩にたれる茶色の髪,はしばみ色の瞳/
 ヒーロー:ザック・ベリサンドロ(32歳)/ベリサンドロ・インターナショナル会社社長/オリーブ色の肌,気むずかしい表情,くっきりした目鼻立ち,星一つ無い冬の夜空のように暗く見通すことの出来ない瞳/
 「マニオン邸」。自分が当主ジャック・ラティマー大尉の婚外子で母とともに蔑まれてきたデイナは長じて不動産仲介士となり,売りに出されたマニオン邸を自分の手にしようと,邸を訪れます。正式に館の持ち主になったアダムとは幼なじみ。アダムを誘惑して結婚できれば,自分が館の女主人として改装をすることが出来る。ところがそれを阻もうとするザックの存在がありました。まさしくアダムを誘惑しようとしたとき,暗闇だった離れのコテージを訪れたのはなんとザックだったのです。それと身を投げ出そうとしてしまうデイナ。外からアダムの声がしたことで,やっとそのことに気付きます。そしてザックの誘惑に負けてしまいそうになる自分との闘いが始まります。アダムは見かけと人当たりは良いのですが仕事を使用としないいわゆる御曹司。結局ザックにうまく言いくるめられてマニオン邸を売却され,そのお金でオーストラリアに逃げていってしまいます。アダムやザックにとってはマニオン邸はただの古めかしい建造物に過ぎなかったのです。そして館を手に入れるためには自分を投げ出しても悔いは無いと考えるデイナの気持ちを理解することが出来ません。結局館を買い取ったザックと結婚することになってしまいます。こうして一夜を共にすることと引き替えに館を手に入れることになったデイナとザックの契約結婚。そしてザックは契約通り翌朝には館を出てしまうのでした。その時にはデイナの心の中に館よりザックとの生涯を共にすることの方が大きくなっていたのでした。さらに,自分が当主の婚外子だと思っていたのに,それは母親の悔し紛れの嘘であることを母の再婚相手から聞かされたデイナ。落ち着いて考えてみるとザックのいないマニオン邸はただの建築物に過ぎなかったのです。
 次々と明らかにされる過去とテンポの良いストーリー展開でデイナの心の成長と真実の愛への心の遍歴を丹念に描いた成長譚です。オススメの1作。


タグ:ロマンス
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青ざめた薔薇 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1247
青ざめた薔薇 Bride of Desire
( Wedlocked 41 ) 2006」
サラ・クレイヴン 遠藤靖子





 原題は「欲望の花嫁」
 ヒロイン:アリース(アリー)・マーチントン(22歳)/未亡人/
 ヒーロー:レミー・ド・ブリザ(?歳)/医師/高い鼻,意志の強さを感じさせる割れた顎,頑固そうな口もと,ペールブルーとトルコブルーの中間の色の瞳/
 過去と現在が交差してちょっと不思議の国に迷い込んだかのような作品です。端的に言ってしまえばかつての恋人を捨てて結婚してしまったヒロインが結婚後ヒーローの子どもを身ごもっていたことを知り,その秘密を隠したまま再び彼と出会い,恋が再燃するものの,既婚者であることを知ったヒーローがヒロインに辛く当たる不倫物語という内容です。Wedlocked(既婚)シリーズの作品ですが,ヒロインの主体性が感じられず,脇役ばかりが活躍するという筋立てに,ちょっとついて行けないなぁと感じられる作品でした。ただ,ヒーローやヒロインの大叔母の住むブルターニュ地方と,嫁ぎ先のイギリスの貴族社会という英仏間の感情のもつれや考え方の違い,つまり対面を大切にするイギリスと愛を大切にするフランスという国民性の違いの間に挟まれたヒロインの悲哀や,マザコン夫に悩まされ,すべてを取り仕切ろうとする義母と嫁の確執という,結構アジア的な雰囲気,そしてヒーローを追い求める美人だけれど心の狭い娘との三角関係などかなり人間関係のごちゃごちゃした中で物語が進行する,なんか詰め込みすぎの作品になってしまっています。ヒロインがそこそこ美人であるとは思いますが,特にその風貌の記述もなく,ヒロインの心の言葉ばかりが描かれているので,読者がヒロインになりきるよう仕組まれているのですが,結構自分勝手なヒロインに気付いてみると,それも冷めてしまうように思うのですが・・・。ヒーローも医師の仕事のことはほとんど描かれず,ヒロインに去られるとすぐに海外に出かけてしまうような身勝手な男性で,あまり魅力が感じられません。相手を責めることで自分の鬱憤を晴らそうとする心の狭さが目立ちますし,ヒーローとしてなにか悩みがあるわけでもなく,ただのかっこいい青年のように感じられてしまいます。ヒロインの嫁ぎ先の義母と夫の驚くべき欺瞞が嫁いびりと言うより常軌を逸した態度であることもちょっと不快に感じられてしまい,ロマンス作品としての良さが見いだせないのではないでしょうか。


タグ:ロマンス
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イースターマンデー [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1215
イースターマンデー Strange Adventure 1997」
サラ・クレイヴン 大沢 晶




K-393
16.04/¥670/174p

R-0093
81.04/¥500/174p


 原題は「異国の冒険」
 ヒロイン:レイシー・ヴァーノン(18歳)/裕福な銀行家の一人娘,ピアニスト志望/銀色に輝く長い髪/
 ヒーロー:トロイ・アンドレアキス(?歳)/実業家,ギリシア人で母はアメリカ人/
 修道院の寄宿生でピアノを専攻しているレイシー・ヴァーノンは,コンセルヴァトワールの教授からはプロにはなれないと言われてしまいます。母を亡くし,5年前に父が再婚した派手好きな継母との折り合いは最悪。しかし,父だけは自分を愛してくれていると子供ながらに感じていましたが,修道院に迎えに来た継母の言葉からとんでもない計画が進行中だということを感じ取ります。父の銀行の経営が資金難で妖しくなり,その対策のため富裕な実業家トロイ・アンドレアキスの支援が是非とも必要なこと,そしてトロイが支援をする見返りとして,レイシーが利用されようとしていることでした。自分が人身御供にされることに絶望したレイシーは,幼なじみで隣家のアラン・トレバーに頼み込み,駆け落ちをすることにします。しかし,食料を買いに行ったアランが戻ったと思ってドアを開けた,二人が隠れ家に選んだモーテルの部屋に現れたのはトロイでした。レイシーは家に連れ戻され,いよいよトロイとの結婚式を挙げることになります。この結婚式の日がイースターマンデー,つまり復活祭の翌日の月曜日で,それが邦題になっています。この日を境にレイシーの運命は大きく変わっていくという意味だろうと思います。ところが,すぐに父が発作で命を落としてしまい,イオニア海のセロス島にある別荘にトロイの親友の付添で送られてしまいます。しかも,レイシーはトロイの妹で遺産相続人のエレニというティーンエイジャーの少女の監督も任せられてしまうのでした。トロイはイギリスに残り,仕事を続けるというのです。セロス島でエレニとレイシーと使用人たちの奇妙な生活が始まります。レイシーはエレニに振り回され,エレニのアメリカ時代の知り合いだったエヴァン・ケントに追い回されますが,写真家だと称するエヴァンは仕事をする様子がありません。エレニと共に気晴らしに出かけたプライベートビーチで半裸で日光浴をしていたとき,岩陰できらりと光るものが見えましたが,だれもいませんでした。レイシーは違和感は感じましたが,それが後日大きな問題になるとは思いも寄りませんでした。やがて,嵐がやってきて,エレニが家に戻らないことに気付いたレイシーは,先日見つけた洞窟にいるのではないかと探しに行きます。その時地震が起こり,洞窟の入り口の岩が崩れ,二人は閉じ込められてしまいます。やがて空気が薄くなり二人は意識を失ってしまうのですが・・・。
 エヴァンが撮った写真は,二人の女性が砂浜で半裸で寝そべっているスキャンダラスな写真でした。それをネタにトロイから金を引き出そうとしていたのですが,その悪巧みをトロイは簡単に解決してしまいますが,それがレイシーの心を傷つけてしまったことには気付きませんでした。そしてレイシーもトロイが義母のミシェルと深い関係にあるのではないかという疑いを捨てきれなかったのです。二人のこのすれ違いはエレニ(イギリス風にはヘレン)とエヴァンが画策したことだったのですが,エレニはトロイをちょっと困らせてやろうとしたたわいもないいたずら心だったのですが,エヴァンに騙されていたことに,やっと気付いたのでした。そして反抗して洞窟に隠れた自分を救ってくれたレイシーに感謝の気持ちを抱きます。レイシーとトロイの互いの誤解はどのように解けるのでしょうか・・・。
 年の離れたカップルを描いた作品ですが,純真で世間知らずなレイシーがとても愛らしく,トロイによって心の成長を遂げていく姿がすがすがしい作品です。


タグ:ロマンス
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あの夜は秘密 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1098
あの夜は秘密 A Nanny for Christmas
Nanny Wanted ! 5) 1997」
サラ・クレイヴン 漆原 麗





初出はR-1433(98.11/¥672/156p)。司書資格を持ち読書好きで高校生の時でも初心だったフィービ・グラント。親友だと思っていたティファニーに騙され,パーティガールの格好をさせられ,アルコール入りパンチを飲まされて朦朧として屋敷の主のベッドで寝てしまいます。ドミニク・アシュトンがその姿を見て,自分の妻と義弟の不名誉な姿と「プレゼントの替わり」というメッセージがあったためすっかり勘違いし,家から追い出してしまうのでした。その一夜のことは,フィービはずっと秘密にしていたのです。臨時雇いのウエイトレスをしているカフェに毎日一人でやってくる小さな女の子が気に掛かり始めたフィービはいつも来るナニーが迎えに来ないことから少女を家まで送り届け,親に一言言ってやろうと考えたのですが,その子が向かったのは忘れもしない秘密にしていたパーティが開かれた屋敷でした。やがて少女がドミニクの娘(少女は母親の苗字を名告っていたのです)であることを知りますが,ドミニクはフィービに気付いた様子はありませんでした。少女のナニーがあまりその役割を果たしていないことと事故で怪我をしたことから,そして臨時雇いしていた店に正規職員が戻ってきたこと,さらに住んでいたアパートが火災で取り壊されることになってしまったこと,と不幸が続き,それを知ったドミニクは娘タラのナニーとしてフィービを雇おうとするのでした。タラがかわいそうだと思いつつも,ドミニクの家で暮らすことは極力避けたいことでしたし,新年までの数ヶ月という条件付きの話しに,何度もナニーを変えるのはタラのためにならないと理由を挙げては見たものの,住む場所も仕事もなくしてしまったフィービは不承不承ながらその提案を受け入れざるを得なくなります。しかもタラはすっかりフィービに懐いてしまうのでした。いつ秘密がバレてドミニクがあの夜のことを思い出すか戦々恐々としながらも,当時とは全く異なり娘のことを真剣に取り組もうとしているドミニクに次第に惹かれ始めるフィービ。そしてドミニクもまた初めてフィービを見たときから惹かれ始めていたのでした。二人の関係を邪魔する人たちとしてあの夜の企てをした張本人でドミニクの義弟のトニーやドミニクの隣人で離婚したドミニクを狙っているヘーゼル・シンクレア,そして極めつけは別れた妻のサリーナ・ベインが屋敷にやってくるに及んでは,二人の関係はすっかり冷え切ってしまったかのように思われますが,作者は見事な解決策を示してハッピーエンドを引き出します。クリスマスを巡る騒動も細かに描かれ,ちょっとおしゃれな作品に仕上がっています。


タグ:ロマンス
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運命をこの身に宿して [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1043
運命をこの身に宿して Inherited by Her Enemy 2014」
サラ・クレイヴン 平江まゆみ





実の姉妹ながら家族の面倒始め家事全般を老齢の家政婦と分担し同時にカフェでウエイトレスまでやってのける姉ヴァージニア(ジニー)と,実母と継父の両方の愛情を一身に集めて我儘一杯に育った妹ルシーラ(シーラ)の二人。これは姉ジニーのシンデレラ・ストーリー。幼少から何かにつけてシーラに頼まれると断れなくなるジニーでしたが,最後には自分の婚約者や結婚相手すら譲ってしまいそうになるジニーは一昔以上前の女性像で,あり得ない設定という気がしますが,物語の中ではシンデレラ的要素をふんだんに設定されているという点で,まさに童話のような物語です。かつてジニーと何度かデートしたジョナサン・ウェルバーンはお金持ちの息子。シーラの美しさに惑わされ遂に婚約中です。そんなジョナサン(ジョン)も何かとジニーを頼りにします。そして継父アンドリューの遺言が示されたとき,新たな遺産受取人になった継父の実子アンドレ。アンドレはシーラではなくジニーに惹かれるのですが,二人の間に思いがけず子供が授かったことでアンドレの経営するフランスのワイナリーにやってきたジニー。結婚することは承諾しておらず,仕事を手伝って欲しいというアンドレに従ってワイナリーを訪れたものの決まった仕事を与えられるわけでもなくアンドレの養父ベルトラン(実母リネットはすでに故人)に胡散臭い目で見られるなど難しい立場にあります。アンドレとジニーの間にやっと愛が芽生えたと思えたとき,シーラが突然ワイナリーを訪れ,ジョナサンとの婚約が解消されたとジニーに泣きついてきます。そしてディナーの席でアンドレとシーラが親しげに話している様子と,シーラがここに留まりたいと話したことからジニーは二人の仲を邪推し,再び自分が身を引こうとするのです。しかし,シーラが惹かれていたのはアンドレの家で働く青年だったのですが・・・。
コンテンポラリーでありながら,ジニーの倫理観はあたかもヒストリカルを読んでいるかのように古風で信じがたいほど自分を殺して妹をかばおうとする行動。そして傍若無人でお金と安楽な生活を手に入れようとする姉妹の母親ロジーナ。あまりにもジニーと違いシーラと似通っているので,ひょっとして継母?と思わせるほどです。


タグ:ロマンス
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金色の甘美な時間 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO973
金色の甘美な時間 Dark Apollo 1994」
サラ・クレイヴン 古澤 紅





サラ・クレイヴンの作品は4冊目ですが,ギリシアものは初めてかもしれません。今度もまた文庫版の表紙の美しさに惹かれます。
妹の妊娠に,初めは二人のことに反対だったイギリス女性カミラ・ドライデンは,妹ケイティの相手スピロ(スピリディオン)・ザンドレウが約束の日に空港に来なかったので,二人でギリシアに行くことにします。妹が富豪の息子に騙されていると考えていたからです。でもケイティが純真にスピロを信じ切っている気持ちは理解してあげたいと思っていました。私がケイティを守らなければ・・・。両親をすでに亡くし姉妹二人で生きてきたので,カミラは自然と妹を守ることを優先してきたからです。とりあえず島のホテルに妹を残し,ザンドレウ邸を目指すカミラ。しかしそこで出会ったのは冷静で傲慢な態度だがアポロのように美しい男性でした。妹のことを財産目当ての軽薄な女と決めつける相手に腹を立て,借りてきたスクーターで館をあとにホテルに戻ろうとしたところに,坂道を登ってくる車に接触しそうになりカミラは壁に接触し,さらにスクーターから投げ出されます。車を運転していた女性はスピロの姉でした。そして再び館に運ばれたカミラですが,スピロだと思っていた男性は実は兄のニックであり,スピロが事故に遭って記憶喪失になっていることを知ったのでした。幾ばくかの金を払うからイギリスに帰ってくれと言うニックの言葉に反抗し,ケイティとスピロを逢わせて欲しいと頼み込むカミラ。しかしニックは過去に妻に裏切られ,愛を信じず,弟と妹を守ること,そして二人にはふさわしい相手と結婚させたいという強い意志があったのです。ホテルに戻ったカミラはホテルのオーナーからすぐに出て行ってくれと言われてしまいます。自分たちをイギリスに帰すためにニックがオーナーに命じたものと誤解したカミラ。しかしそれはオーナーの妻の逆恨みから生じたことでした。カミラが借りたスクーターのことでオーナーの妻の甥である貸し主が,ニックにきちんと整備したスクーターを貸すように注意されたことを逆恨みしてカミラ姉妹を追い出そうと画策したためでした。仕方なくカミラたちはニックのもつ海の家で過ごすことになります。これにはニックの妹の強いすすめがありました。妹アリアンナもまた,島の医師との間に恋愛感情がありながら,ニックによって別の相手との交際を言われていたため,何とかカミラに味方になってもらいたいという気持ちがあったからです。数日後,ニックが朝から家を留守にすることになり,アリアンナはケイティとスピロを逢わせるので,カミラにはなんとか兄が一日中家に帰ってこないようについて行って欲しいと言うのです。すでにニックの魅力が頭から離れず,だからといってニックに好かれてもいないのにという考えに板挟みになっていたカミラは乗り気ではありませんでしたが,妹たちのためとニックについていくことになります。他の島で産まれた子供の誕生祝いにやってきたニックが産まれたばかりの赤ん坊を軽々と抱き上げてあやす姿や集まった人々から尊敬と敬愛の気持ちを込めて声を掛けられているニックを見て,カミラはニックを愛していることに改めて気づくのでした。人気の無い入江で「金色の甘美な時間」を過ごした二人。夕方島に帰ってきた二人を待っていたのは警備員。そしてケイティとスピロが逢っていることを聞いたニックは館まで階段を駆け上がります。それを追いかけるカミラですが,ニックに,二人を逢わせるために自分についてきて帰宅を遅らせようとしたと非難されます。スピロはケイティに会って記憶を取り戻していました。一人海の家に傷心の思いで帰るカミラ。翌日アリアンナが興奮してやってきてニックがアリアンナの縁談を進めるために本土に行ったというのです。自分をイギリスに連れて行って欲しいと。しかし,しっかりニックと話し合うように言い聞かせるカミラに怒ったアリアンナが車で走り去ります。興奮状態の彼女が心配になったカミラはニックにこのことを知らせようと館のある対岸まで泳いでいこうとします。電話もない島内。通信手段のない時代(といっても本作は1994年作ですが)。とはいえ,この愚行はちょっと考えられない行動ですね。案の定途中で力尽きようとしたときニックの船に助け上げられます。そんなこんなでめでたしめでたしとなるのですが,ストーリー展開にちょっと無理のある本作。密度の濃いクレイヴンの作品の中では外れかな?と思いました。


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愛を買った億万長者 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO838
愛を買った億万長者 In the Millionaire's Possession 2005」
サラ・クレイヴン 茅野久枝





Mills and Boonの表紙の美しさに惹かれたことと,「先祖代々の屋敷を維持すること。それがヘレンの願いだ。だが、どこからも資金援助をしてもらえず、ヘレンは頭を悩ませていた。ある日、マルク・ドラローシュが屋敷を訪ねてきた。危険な魅力に満ちた彼はパリの建設会社の社長で、歴史的建造物の保存に関心があるという。」という内容解説の文に惹かれて本書を読み始めました。イノセントなヘレン。あまりに古風で自分の美しさに気づかないでいるヘレンの設定が,M&Bの表紙の女性とのギャップというか,いや,清純さをそのまま表しているように思います。白いドレスというところもとてもいいですね。ハーレクインの表紙に比べて,M&Bの表紙はどれも素敵ですが,電子書籍の価格がHQに比べてちょっと高いこともあって,どうしてもHQを紹介してしまいます。これはこれで仕方ないことですね。さて,本作ですが,モンティーグルという歴史的価値を持つ館の維持はイギリスではどこでも大変なのでしょう。特に女性一人が維持して行くには先代からの遺産がかなりなければ不可能で,個人が実際にそこに住みながら維持していくことは大変なことなのでしょう。そんなイギリス人気質が本作では全面に押し出されていて,その事だけでもロマンスとは無関係に面白く感じてしまいます。そして建築業者マルクがフランス出身であることと対比されていてちょっと紋切り型になってはいるものの,読者にはわかりやすい設定にもなっています。一人の女性との交際が二ヶ月も持たないと噂されているマルクと,古風な交際意識を持つヘレン。チャールズ二世を惑わせたとされているヘレンの先祖と同じ名前を持つヘレンが,互いの元恋人の存在をちらつかせながら誤解を続けていくことでストーリーに幅を持たせ,最後の最後まで興味を持続させていく作者の手腕に一気読みさせられてしまう快作です。パソコン版KINDLEでの初めての読書でした。


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億万長者と無垢な花 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO780
億万長者と無垢な花 Seduction Never Lies 2014」
サラ・クレイヴン 柿原日出子





牧師館の娘オクタヴィア(タヴィー)は学校の事務員補助として薄給の身でありながらも,いくらかでも現金収入が得られるので勤務しています。本来であれば教師として働きたいという夢を捨てきれません。そんな時,幼い頃からあこがれていた学校経営者の息子パトリック・ワイルディングが帰村し,タヴィーとの交際が進展します。かつて村の中心だったマナーハウスは3年前から放置されたまま売りに出されていたのですが,なかなか買い手がつかないでいました。しかし,かつてロックグループのメンバーで,堕落したと噂され,グループ解散後も悪名の高かったジャゴ・マーシュがマナーハウスを買うという噂が流れ,村ではミセス・ワイルディングを中心として反対運動が起ころうとしていました。マナーハウスの敷地内の湖で泳いでいたタヴィーが人の気配を感じて岸辺に上がったところで彼女の様子を見ていた黒い影のような人物こそ,ジャゴ・マーシュだったのです。翌日牧師である父と笑顔で歓談しているジャゴに出会い,タヴィーは恥ずかしい思いをします。ジャゴは牧師には暖かく迎えられましたが,タヴィーからの冷たい視線に出会います。さらに村のレストランでパトリックとタヴィー,そして村の有力者の娘でパトリックと同じ頃離婚して帰村したフィオーナと鉢合わせになり4人の男女の複雑なバトルが開始されます。反対運動に乗ってこない牧師を恨んだミセス・ワイルディングはついに,タヴィーを解雇し,パトリックとフィオーナの関係も知ってしまいます。マナーハウスの管理を任されたタヴィーですが,ジャゴとの関係も進展し・・・。一方,牧師館は修理が必要なほど老朽化していました。ついには閉館に追い込まれ,タヴィーと父親は別の教区へと追いやられることになります。マナーハウスの修理も終わろうとしていた時,ジャゴとタヴィーの悪い噂を流すものがおり,教会での最後の集会が開かれて,クライマックスが訪れます。タヴィーと父牧師の運命は,そしてジャゴとの関係は。
静かな村で密かに進行する陰謀と華やかな世界を離れて村での生活を決意したアーティストと無垢な娘タヴィーの熱い関係が見事にマッチした秀作です。


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ユニコーンの約束 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO635
ユニコーンの約束 Promise of the Unicorn 1985」
サラ・クレイヴン 大沢 晶





9歳の少女に約束したのは,ユニコーンの置物を見せれば願い事を叶えてあげる,というものだった。それをずっと信じてきたソフィー.そして,憧れの人アンジェロを訪ねたソフィーは,恋人マークとの結婚のために,職を願いでる。このとき,アンジェロの心の奥にソフィーへの愛が芽生えた。でも実は,ユニコーンの置物を渡した時に,すでにアンジェロの心の中には,将来美しい人に成長するであろうソフィーへの愛が芽生えていたのではないかと,そして,アンジェロ自身がそれに気づくまでにはいろいろな紆余曲折があるのだろうと,読者としては考えてしまいます。恋人マークのソフィーとお金の両方を手に入れようとしながら,次第にお金の方に傾いていく姿に,夢を信じられず,乙女の気持ちに思い至らない俗物的な考えが,一般的にはこうなんだろうなという悲しさを誘います。ちょっぴり悲しく,ちょっぴり切ないソフィーの成長譚です。


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