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ナニーは逃げだした花嫁 [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO1427
ナニーは逃げだした花嫁 Third Time's the Bride !
( Three Coins in a Fountain 4 ) 2016」
マリーン・ラブレース 仁嶋いずる





 原題は「三度目の結婚」
 ヒロイン:ドーン・マギル(?歳)/グラフィック・デザイナー/茶色の髪,赤毛,栗色の髪,天使のような緑色の目,悪戯っぽい笑顔を持つ小さなエネルギーのかたまり,なまめかしい曲線美,ボストン大学でグラフィック・アートの学位を取得,副専攻は広告,ジョージタウン大学で総合デザインメディアの修士号を取得,自然食品会社のグラフィック・デザイナー/
 ヒーロー:ブライアン・エリス(?歳)/「エリス航空システムズ」CEO/身長180センチ超,茶色の髪,吸い込まれそうに青い目,5年前に妻キャロラインをガンで亡くす/
 「トレビの誓い」として99年にラブ・ストリームで三ヶ月連続刊行されたシリーズの関連作のようですが,本作だけ2016年の原作刊行,しかもラブストリーム(本国ではアメリカン・ロマンス)ではなく(すでにシリーズはなくなっていますから),スペシャルエディションをディザイアでという状況です。どの程度関連性があるのかは内容を見てみないと分からないので,そこは後日ということで・・・。とにかく久しぶりのマリーン・ラブレースの作品です。
 ヒロインのドーン・マギルは教会の祭壇に向かう直前で逃げだした花嫁経験者で,しかも二度も!。婚約不履行者常習者ということでしばかれても不思議ではないのですが,この当たりの事情はさておき,ヒーローのブライアンは,とにかく息子を面倒見てくれるナニーが早急に必要でした。やってきたのは,「茶色の髪に天使のような青い目をし,悪戯っぽい笑顔を持つ小さなエネルギーのかたまり」という若い女性でした。名前は夜明けという意味のドーン。まさにきらきらした女性なのです。その明るさに息子のトーマス(トミー)もすっかり気に入ってしまいます。ドーンと友人たち,ケイトとキャリーは何でも話し合い相談し会える親友。ドーンはかつて2度婚約し,2度とも式の前に逃げだしています。さて,トミーの父親ブライアン・エリスは航空会社を自力で興し,ケイトの夫トラヴィスとともにNATOの基地で極秘のプロジェクトに参加していました。ローマのトレビの泉に願い事をしにやってきた3人の女性たちのうち,ブロンドのケイト,ブルネットのキャリー,そして赤い髪のドーンと多彩な登場人物がドーンを中心にさまざまなところで絡み合って楽しい物語が展開していきます。「ブロンドは奔放でブルネットは誠実,そして赤毛のことは誰にも分からない」という例えを絵に描いたような3人です。両親の不仲と離婚,そして2度の婚約破棄と容易には男性を信用しないドーンですが,トミーとその父親ブライアンには,すぐに親しみを感じてしまいます。ドーンの3人の兄たちも,またドーンが不幸になるのではと心配していますが,グラフィックデザイナーとして働くドーンは仕事さえしていれば勤務場所を問いません。そのためナニーとしてブライアンの家で暮らしてもトミーが学校に行っている間は仕事ができるのでした。ケイトは世界銀行の管理職,キャリーはマサチューセッツ州の児童保護局の勤務。それぞれバリバリのキャリアパーソンとして活躍しています。ケイトの夫トラヴィスもアメリカ空軍少佐,イタリアのNATO基地に勤務するカルロ・ディ・ロレンツォ王子とその特別警護班のジョー・ルッソと脇役たちもセレブばかりです。さて二人の生活はトミーを中心に廻っていきますが,隣家のトミーの同級生シンディやその母のカルーサーズ家の人たちも含めて多くの人物が絡んできて,おもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎの中でドーンとブライアンの愛は静かに進行していきます。そして3度目の正直と言えるドーンとブライアンの結婚式も警察が絡む一騒動がおこり,全く読者を飽きさせません。舞台もイタリアからアメリカ東部へと転々と移り,作者の得意な軍関係の蘊蓄も時々登場し,とにかく楽しめる作品に仕上がっています。


タグ:ディザイア

海運王への実らぬ想い [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO1097
海運王への実らぬ想い The Texans's Royal M.D.
Duchess Diaries 4) 2015」
マリーン・ラブレース 中野 恵





 シリーズ第4弾です。とりあえずのシリーズ最終巻ということになるのでしょうか?近年作者の作品は少し数が減っているようですし,今のところ年明け2月に出版が予定されているのは["I Do"... Take Two !]という3部作の第1巻のようです。
 さて,本作ですが,ヒロインは大公の妹アナスタジア(ジア)。休暇を取って南部テキサスで家族とともに滞在しているときに海辺でおぼれかけているひとりの少年を助けます。その叔父がヒーローのマイク・ブレナンでした。数日のうちに意気投合し深い関係になる二人。ジアは家族にも話していない自身の秘密を何故かマイクには打ち明けてしまうのです。それほど会った瞬間からマイクを信頼したとも言えますし,ニューヨークに戻ってしまえばもう会うこともなくなるだろうという気持ちもあったのかもしれません。しかし何度か会ううちにさらに会いたくなってしまう二人でした。何がそんなに二人を結びつけたのか。そしてそんな二人をじっと見つめるのは,例によって大公妃シャーロットです。すでにジアの近親には兄である大公始め,社会的に重要な地位にいる人々,つまり権力と財力を兼ね備えた上流階級の人々がいます。しかもジア自身がアナシタジア・アマリア・ユリアナ・セント・セバスチャンというフルネームを持つプリンセスでもあります。ジアは小児科の研修医の最終年度として病院勤務をしていますが同時に病院付属の研究所での研究もしています。自分が現場の小児科医として進むかあるいは研究所勤めをするかを決めかねていたのですが,マイクは自身がCEOを務める海運会社の補助金をジアの研究に役立てることができるかもしれないと持ちかけ,ニューヨークに戻ったジアは研究助成金を得るための準備に取りかかります。テキサスとニューヨークに別々に暮らす二人が果たしてどんな将来を送ることができるようになるのでしょうか。エピローグを見る限りとてもうまくこの問題を解決したように思えますが・・・。普段は研修医として白衣姿しかしていないジアですが,パーティではさすがにプリンセスとしての格好をし,さらに気品あふれる態度,そしてマイクとのプライベートでは奔放な医者らしい態度をとります。男性からすれば自立し,美しく,賢く,自分への愛を率直に表現できる女性はまさに理想の女性でしょう。どうしたって相手を守りたくなるのは自然な成り行きなのですが,そのことがジアの心の琴線に触れてしまうとは,いかにも作者らしいストーリー展開の妙だと思います。補助金獲得のための活動を援助するはずのアドバイザーが犯罪に手を染めてしまうというサイドストーリーを交えて,物語は進行しますが,本作の最大の山場はなんと言ってもマイクとジアの結婚式に60数年ぶりに故国の山に立つシャーロット大公妃の姿です。切なさともの悲しさそして壮大な歴史を生き抜いた大公妃の姿が目に浮かび,思わず涙ぐむほどの場面です。「サウンド・オブ・ミュージック」の最後の場面が思い浮かびます。あの場面は事実とは異なる映画ならではの場面だそうですが,それでも本作のイメージにぴったりの風景ではないかと思います。一気読み間違いなしの傑作です。


タグ:ディザイア

大公殿下と忘却の恋人 [マリーン・ラブレース]

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大公殿下と忘却の恋人 Her Unforgettable Royal Lover
Duchess Diaries 7 ) 2014」
マリーン・ラブレース 中野 恵





「伯爵夫人の日記」シリーズの第3弾です。最後はセント・セバスチャン家の長男ドミニクのロマンスです。長女サラに雇われてシャーロットやカルレンブルク家の歴史を調べ,日記を出版しようとしていたナタリー・クラークはドミニクに出会います。そして当時の記録を調べているうちに大公位を認めた文書を発見し,系統からしてドミニクが大公位を持てることを突き止めたのでした。ドミニクはインターポールの潜入捜査官としてハンガリーに在住していたのですが,祖母が住んでいるダコタ・ハウスを訪れ,妹たち(実は実の妹ではなく従姉妹に当たるのですが)やナタリーに出会います。ナタリーの風貌については第2章に詳細にまとめられています。「ナタリー・エリザベス・クラーク。イリノイ州ファーミントン生まれ。年齢29歳。身長168センチ。髪色ブラウン。瞳ブラウン。独身。ミシガン大学で図書館学の学位を取得。専攻は文書の収集と分類。センターヴィル・コミュニティカレッジで3年,イリノイ州庁で4年,それぞれアーカイビスト(文書データ管理係)として勤務。現在ロサンジェルス在住でサラ・セント・セバスチャンに雇われている(一部省略)。」ドミニク自身はマスコミに写真や大公であることがすっぱ抜かれたことで潜入捜査官としての仕事が宙に浮いてしまい,数週間の休暇を取るように上司に言われてしまいました。しかしどこに行っても「大公」と呼ばれ,レストランで食事をしていても何となく周囲のの人たちに見つめられたり声を掛けられたりするようになってしまうことに腹立たしさを感じるのでした。その原因を作ったナタリーに会いに行きますが,いつも眼鏡をかけ,サイズの大きめなトップスと脚を見せないようなパンツをはいているのは,なにか自分を目立たなくするような秘密があるのではとドミニクは職業柄感じるのでした。たまたま眼鏡を外していたナタリーの瞳がブラウンでセクシーな瞳であることに気づいたドミニク。ナタリーのアーカイビストとしての仕事ぶりを直接ミタドミニクは,インターポールにナタリーの調査の参考となり得る部署がパリにあり,その担当者に紹介できると誘います。
ハンガリーに戻ったドミニクはある日警察の訪問を受けます。そして警官が連れてきたのはなんと破れた服を着て瀕死の状態にあるナタリーでした。ナタリーは襲われて記憶をなくし,病院で一言大公とだけ口を開いて気を失ったのでした。身分証明書をもたず手がかりは大公という言葉だけだったため,警察はドミニクがなんらかの手がかりをもっていると思い,ナタリーを連れてきたのでした。それからナタリーとドミニク,そして狩猟犬の奇妙な生活が始まります。休暇中だったドミニクは記憶が回復するまでナタリーの世話を試用と申し出ます。ナタリーが何故ハンガリーの首都ブダペストにいるのか,妹たちに連絡を取ってみますがパリに行ったはずだという情報だけで目的は不明だったのです。ここからはいわゆる記憶喪失ものになります。いろいろの経験をしていくうちに少しずつナタリーの記憶は蘇ってきますが,ドミニクはナタリーの素の顔を見ることができ,やはり彼女は以前自分が目立たないようにワザと扮装していたのではないかという予感が当たっていたことを知ることになるのです。「シャワーで頬をばら色に上気させ,豊かな栗色の髪を解いた彼女はまるで別人だった。」ナタリーはとびきりの美女だったのです。ホテルでの滞在費を負担するというサラの申し出を断り,記憶が戻るまで世話をするとドミニクは決意するのですが,それはナタリーのためというより自分のためという気持ちを表に出すことは出来ないと考えています。ドミニクの知り合いの神経科医の診察でもナタリーがある一部分の記憶だけなくしているという診断でした。記憶喪失の裏にはなにか大きな出来事があり,それが自己防御の役割を果たしているのかもしれないと神経科医は見抜きます。というのは仕事にかかわる記憶は鮮明に残っていたからでした。とにかく手がかりとなるものがないかと,今はなきカルレンブルク城の廃墟を二人で調査することにするのでした。そしてブダペストでの彼女の足取りを追っていた警察から川下りのフェリーに乗ったことと船着き場に彼女が借りたレンタカーが残っていることを知ります。レンタカーには荷物が残っていましたがパスポートは消えていました。ドミニクが潜入捜査官であることを聞き,ナタリーはドミニクをふざけてダブルオーセブンと呼ぶようになります。そして名前の付いていなかったドミニクの犬をデュークと名づけるのでした。記憶が戻るまでのこの二人の接近ぶりは,読んでいても思わず笑みがこぼれるような,つかの間の幸福感に満ちあふれています。そして二人の急接近。訪れたカルレンブルクの小さなホテルで二人は結ばれます。そしてレンタカーにあったパソコンのパスワードが解けたとき,ナタリーの過去も一緒に明らかになってしまうのでした。ナタリーは交際していた同僚に騙され,犯罪にかかわってしまった過去を持っていたのでした。幸い捜査の過程でナタリーの無罪は証明されたのですが,かなり大きな事件であったため自分の身元を雇い主に気付かれないように目立たない服装をしていたのでした。それをドミニクには知られたくなかったとナタリーは思いますが,その時すでにドミニクへの愛がナタリーの中でかなり大きな部分を占めていたのでした。そしてドミニク自身ももうナタリーへの思いを隠すことができないほど彼女を愛していたのでした。最後は例によって伯爵夫人の日記で締めくくられます。続編の可能性のあるジアの名前も登場します。いつも,いくつかの謎を孕んだマリーン・ラブレースの作品。本作でも記憶喪失をうまく生かし,ドラマチックで変化に富んだストーリー展開で読者を呻らせます。オススメの一作。


タグ:ディザイア

婚約指輪についた嘘 [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO1036
婚約指輪についた嘘 A Business Engagement
( Duchess Diaries 1 ) 2013」
マリーン・ラブレース 中野 恵





「公爵夫人の日記」シリーズの第1弾です。9月発売のシリーズ第3作「大公殿下と忘却の恋人」に関連して未読だった本作を読みました。なお,第2弾の「御曹子の傲慢なプロポーズ(SHALOCKMEMO786)」は既読です。本作と第2作はいわゆる姉妹編になります。グラフィック・デザイナーサラは祖母であり,シリーズの語り手的存在でもあるシャーロット・セント・セバスチャンの世話をしながら生活しています。自堕落で問題児でもある妹ジーナに手を焼かせられながら早くに母を失ってジーナにとっては母親的役割も果たしていました。そんな彼女の勤める女性向け雑誌「ビガイル」では世界で最もセクシーな独身男性の特集を組み,その第3位になったのが航空宇宙企業のCEO,デヴォン・ハンターでした。シリーズ第1作である本作では,セント・セバスチャン一族に絡む不幸な過去の出来事が詳しく紹介されていますが,サラの本名はレディ・サラ・エリザベス・マリー=アデル・セント・セバスチャンという貴族の称号をもっています。領土を失った大公国カルレンブルクの大公の孫娘だったからです。大公位は国が失われてしまい,その後大公だったサラとジーナの両親が事故で亡くなって以来誰も継いでいないのですが,祖母のシャーロットは貴族の気位と圧倒的な存在感でアメリカの上流社会でも人望を集める人でした。サラのジーナの姉妹も小さいうちから「家柄が高貴な女は気品を保ってさえいれば,人生のあらゆる恩恵に浴することが出来る」という祖母の信条に沿って「私立の有名校に通い,音楽の個人レッスンを受け,ウォルドーフ・アストリア・ホテルでの舞踏会で社交界デビューを果たし,名門女子大であるスミス・カレッジを経てソルボンヌに留学」するという生活を送ってきたのですが,亡命貴族である祖母は迫害を逃れて亡命する際に持って出た大公家の貴重な宝石類を売って,孫たちの生活を支えてきたのでした。そのことを知らずに育ってきたサラですが,今や家の経済がかなり苦しい状況に陥っていることを知っていました。そんな時,「ビガイル」の編集長アレクシス・ダンヴァーズを訪れたのがデヴォンでした。かつて記事で自分が勝手に世界で最もセクシーな独身男性第3位と書かれたために,大口契約であるフランスの企業との契約に暗雲が立ちこめている,その責任を取って欲しいとねじ込んできたのでした。デヴォンは契約相手の経営者の妻エリーズに言い寄られて困っていたのです。応対したサラにデヴォンは自分と偽りの婚約者として一緒にパリに行って欲しいというのでした。見返りとして経済的に困っているセント・セバスチャン家の借金を負担しようというのです。最近入院して治療中の祖母の健康や,妹のジーナがまたまた問題を起こしていることなどからデヴォンの提案を飲まざるを得なくなったサラ。そしてなによりも噂に違わぬデヴォンのセクシーさにサラ自身が惹かれていることを意識せざるを得なかったからです。さらに編集長のアレクシスから二人が婚約すれば絶好の特集記事が組め,もしそれを断ればサラを解雇せざるを得なくなると脅かされたからです。かつて留学生活を送ったパリの地で,デヴォンの婚約者として過ごすことに戸惑いとデヴォンに惹かれる自分の気持ちにブレーキをかけられるか迷いながらも,サラとデヴォンはパリに向かいます。偽りの婚約でありますがジーナを個人的に知るデヴォンはジーナとは全く異なるサラの慎み深く優しい人柄,そして派手ではないが気品のある美しさに惹かれる自分に驚いていました。パリでジャン・ジャック・ジロール,エリーズ夫妻に会ったサラは,エリーズの歯に衣を着せない話題とデヴォンに対する思わせぶりな行動に嫉妬している自分に気付きます。そしてデヴォンにどうしようもなく惹かれている自分に気付くのでした。二人は恋の町パリですっかり偽りの婚約ではなく本物の婚約者のように振る舞ってしまいます。「ビガイル」のパリ支社で,サラはアレクシスがニューヨークでの方針とは正反対に,二人の写真を撮る専属のカメラマンが用意されているのを知って驚きます。大切な契約をまとめるために偽りの婚約者になったのに,このパリでの行動が雑誌に載ってしまえばデヴォンが進めようとしている契約がまとまらない可能性があるからです。そのことをデヴォンに話す前に,二人がパーティのために訪れたホテルから出ようとしたところで二人に向けられたフラッシュが光ります。これがデヴォンの怒りを買ってしまうのですが,サラがアレクシスに抗議し,なんとか問題は解決したかのように思われましたが,さらにエリーズの元愛人のアンリ・ルフェーヴルがサラに邪な思いを抱き,サラに邪険にされるとその仕返しにサラを身代金目的で誘拐しようとします。緊急事態に気付いたデヴォンによってこの事件は未遂に終わりますが,その後警察の事情聴取などがあり,パリを離れられなくなります。契約成立によって二人の偽りの婚約は終わるはずでしたが,サラはデヴォンを失うことに大きな悲しみを感じていました。そんな時音信不通だった妹のジーナから連絡が入ります。大きなトラブルに見舞われスイスにいるというのです。デヴォンに詳細を告げる間もなくルツェルンに駆けつけるサラ。そしてジーナの妊娠が明らかになります。この相手が第2作のヒーローになるジャック・ハリス・メイスン3世です。ジーナとサラのいるホテルで顔を合わせたデヴォンとメイスン。いきなりメイスンを殴りつけるデヴォン。二人が間もなく親友になっていくのはストーリーの面白さです。そして互いの愛に気付いていくサラとデヴォン。
二人の孫娘の行く末を案じていた元大公夫人シャーロットはサラの幸せをかみしめるのでした。エピローグは再びシャーロットの日記に戻ります。この静かで幸せな幕切れは,余韻と次作への期待を感じさせ,まるでヒストリカルを読んでいるかのような充実感を味わえる秀作です。オススメのシリーズ。


タグ:ディザイア

妻という名のナニー [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO815
妻という名のナニー The Paternity Promise 2012」
マリーン・ラブレース 杉本ユミ





大企業のCFO(最高財務責任者=Chief Financial Officer)ブレイクと双子の兄アレックス(CEO)のどちらが父親か?それが分からないまま赤ん坊のモリーを抱えてダルトン家の門をたたいたグレース・テンプルトン。実はモリーはブレイクとグレースのいとこアン・ジョーダンの間の娘であることがすぐに判明するのですが,アンの夫ペトリー・ジョーダンがアンを虐待し続けていたことを明かすことが出来ませんでした。ペトリーから逃れるため,アンの身分を何度も替えて身を隠してきたからです。ダルトン家の人たちがモリーのためにとてもよくしてくれることは分かっても,ブレイクが自分とモリーを守ってくれるかどうかと信頼することが出来なかったからです。その秘密を隠したままでも良いからと,モリーの親権を得るためにブレイクとグレースは偽りの結婚をすることになります。しかし,グレースとブレイクの間には本当の愛が芽生えていくのでした。ダルトン家の長老である兄弟の母デリラは,周囲も認める女傑として名高い人,デリラはグレースにもモリーにもとても好意的ですが,ジェットコースターのように考えていることを実行に移してしまう人。ブレイクとグレースの新婚旅行もデリラの企画でどんどん勧められてしまいます。しかもその間モリーは自分が預かるという主張をさも当たり前のようにするのでした。旅行での様子が詳しく語られます。偽装であった二人の結婚ですが,ロマンチックな中で次第に互いに愛する心が育っていきます。帰国した二人は平和な日々を送り,ペトリーの追跡ももう心配ないと思われた矢先,グレースはペトリーによって拉致されてしまいます。ダルトンインターナショナルの総力を挙げてグレースの発見に取り組む双子。そして,ついに対決の時が・・・。マリーン・ラブレースらしいロマンスの要素とアドベンチャーの要素が見事に融合した作品です。
本作はシリーズ第2作で,前作が何か分からないため,双子の兄アレックスとその妻ジュリーとのロマンスが分かりませんが,ジュリーもまた素晴らしい美点を備えた女性であることが本作からうかがえます。是非読んでみたい作品です。


御曹子の傲慢なプロポーズ [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO786
御曹子の傲慢なプロポーズ The Diplomat's Pregnant Bride 2013」
マリーン・ラブレース 中野 恵





シリーズ2作目の翻訳です。前作のヒロイン,サラの妹ジーナがヒロインです。奔放でいろいろと問題を起こしてきたジーナですが,外交官(無任所大使)のジャックの子供を身ごもってしまいます。しかし,サラがデヴォンとの結婚で家を出てしまうと祖母の面倒を見る人がいなくなってしまい,当面家に帰って祖母と過ごすことになります。そして,自分自身のキャリアを積むため,イベント・プランナーとして実力で「TTS」という大手企画会社の面接に行くのですが・・・。経営者のニコールはすぐにでもジーナに働いて欲しい様子。ジャックからは結婚して欲しいと何度も言われますが,自分の自立がまず優先と,ジーナはその提案を受け入れません。ジャックの両親にも会いに行きますが,ジャックの父からちょっと言われた嫌みが結構気に触ったりしますが,ジャックはそんなジーナを気遣ってくれます。祖母のシャーロットからはふたりの間の問題だから自分たちで決めるようにと許しを得,姉のサラも相談に乗ってくれます。ほとんど悪阻もなく妊婦として食べるものに気をつけるぐらいで,ばりばりとイベントプランナーの仕事をこなし,会社や周囲のスタッフからも信頼を得てくるようになりました。そんなとき,祖母と住む家に突然ヨーロッパから遠い親戚と称する兄妹が訪ねてきます。ドミニクとジアが家に滞在することになりますが,ジャックが家にやってきたとき,ドミニクとの間で火花が散ります。どうやら二人は知り合いで,しかも因縁がありそうな様子です。ジーナがジャックのアパートで一夜を過ごしバスルームから出てきたとき事件が起こります。3人の男性がアパートに侵入し,ジャックに銃を向けてイルではありませんか。しかもそのうちの一人がドミニクだったのです。あごを殴られて気絶したジーナは,気がつくとすぐに通報し,連れ去られたジャックの捜索が始まります。FBIはもちろんデヴォンの会社のスタッフにも協力を得てジャックの行方を捜してくれます。やがてジャックの行方を見つけたFBI捜査官の後をジーナたちが追いかけていくと,ドミニクが血を流しながらやってきて,妹のジアと再会します。ドミニクにジャックはどこか,無事かと問い詰めるジーナの眼に,FBI捜査官と話しているジャックの姿が見え,二人は感激の抱擁を・・・。事件の真相が明かされ,もうジーナとジャックの間には愛以外のものが存在しないこと,そしてイベント会社の社長ニコールが二人の結婚式のイベントを準備したいと言っていることで,もはやジーナに結婚を断る理由もなくなりました。
代々大統領の補佐官を輩出するなどの政治分野で活躍していたジャックの家,そして先祖をたどるとマリア・テレジアにたどり着く由緒ある家柄の子孫でレディの称号も持つジーナ。ちょっと豪華な登場人物ですが,簡単に結婚を承諾しないジーナのきっぱりした性格がとても気に入りました。そして孫娘たちの行く末を案じ,必要なときは威厳を持って力を示すシャーロット大公妃が水戸黄門のような存在です。ちなみに,表紙の金髪のモデルさんがほとんどの作品で横顔で登場する素敵なモデルさんで気に入っています。


バルセロナの夜に二人は(異国で迎える季節 3) [マリーン・ラブレース]

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バルセロナの夜に二人は The Exective's Valentine Seduction 2009」
マリーン・ラブレース 中野 恵





「異国で迎える季節」三部作の最終巻。
 ヒロインは,三人のヒロインたちの中で最も落ち着いているように思えるキャロライン。そして,ヒーローは,国際的なセキュリティ会社のCEO,ローリー・バークです。
 ローリーの会社の役員研修会をスペインのバルセロナ近郊のトッサ・デ・マール(バルセロナの北85キロ)で開いた。会場で初めてローリーと出会ったキャロラインは,ローリーがハイスクールの時自分を妊娠させ,その後去ってしまった相手だと気づく。しかし,ローリーにはそのことを知らせることができないまま,赤ん坊は死産で,キャロラインは以来心から愛せる相手には出会わなかった。出会ってみるとローリーは当時の風来坊的な要素は全くなく,世界的な大企業のCEOとして,社員からの信頼も絶大な大人になっていることが分かった。
 実は,この会議の企画は,ローリーがキャロラインとの接触を都合よく果たすためにローリーが綿密に計画した企画の一部だったが,二人が出会ってしまうと,ローリーには昔の借りを返したいという気持ちだけではおさまらず,計画そのものも大きく変わってしまうことになった。
 キャロラインも,昔のローリーの自分に対する所業を責める気持ちは全くなく,逆に,ほかの男性に感じられない深い気持ちをローリーに抱かざるを得ないことに気づいてしまうのだった。
 こんなストーリーですが,三部作の最終巻らしく,終盤では,デヴォン,サブリナ,そして,カルとマルコがキャロラインのもとを訪れ,「ヨーロッピアン・ビジネス・サービス」の3人の女性経営者と,その相手の3人の男性が勢ぞろいします。まさにセレブや6人の男女が揃った場面は,想像しただけでも圧巻です。昨夜のテレビでゴールデン・ブローブ賞の授賞式を見ましたが,あんな感じなのかなぁと。


アマルフィの公爵(異国で迎える季節 2) [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO535
アマルフィの公爵 The Duke's New Year's Resolution 2008」
マリーン・ラブレース 山口 絵夢





「異国で迎える季節」第2弾。
サブリナ・ルッソがヒロインです。クライアントの会議候補地として,世界遺産に登録されている風光明美なイタリア南部のアマルフィ(ソレント近郊)を訪れたサブリナがレンタカーを止めて海岸を眺めているとき,フェラーリが突っ込んできてサブリナは断崖から落ちてしまいます。幸い枝に引っかかり足首を痛めただけで命に別条はなかったのですが,車を運転することはできず,歩くこともままなりません。このままでは,会議候補地の下見にも影響を与えそうで…。
このとき突っ込んできた車はフェラーリ,そして運転していたのは医者のマルコ・カルヴェッティでした。まさに,セレブの象徴。しかもとびきりハンサム。診療所を訪れたマルコに看護師が呼びかけた言葉は「閣下(エッチェレンツァ)」。なんと,外科医でありながら,公爵位をもつ,セレブ中のセレブだったのです。
足首のねん挫のため,車の運転はできず,サブリナはマルコに誘われるままにマルコのヴィラ(別荘)で看護を受けることになります。ヴィラを訪れたサブリナはまたもや出会った料理人からまじまじと見つめられることになるのですが,それは,サブリナがマルコの亡くなった妻とそっくりだったからでした。外科医としてローマで仕事をしていたマルコ。船と海の好きだった妻は,夫にあまり構ってもらえなかったため,一人で出航し,事故で亡くなってしまったのでした。それを自分の責任だと感じていたマルコでしたが,サブリナに出会ったとき,外見は似ているものの,妻とサブリナの内面的な違いをすっかり見抜いたのでした。
松葉づえで歩けるところまで回復したサブリナは,次の候補地ナポリを訪れ,そこで,マルコの母や家族と出会い,パーティに出席します。そこで,パパラッチの記者によりサブリナの若いころの奔放な姿を暴かれてしまい,マルコと家族に迷惑をかけたと感じたサブリナはマルコのもとを去ります。二人の関係はどうなるのでしょうか。
第1作のデヴォンもはっきりしたものを言える自立した女性でしたが,サブリナは,さらに奔放ともいえるほど自由で屈託なく自分の行動を決めるられる女性です。そんなサブリナは公爵家と社交界にうまく自分を順応させることができるものなのでしょうか。しかし,そういう周りとの関係ばかりに気を使うのではなく,愛する人とともに過ごすことのほうが大切であることにサブリナとマルコは気付いてくれるでしょうか。そんな思いを読者に抱かせながら最後まで読者を飽きさせない好著です。


ザルツブルクに響く鐘(異国で迎える季節 1) [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO534
ザルツブルクに響く鐘 The CEO's Christmas Proposition 2008」
マリーン・ラブレース 広瀬夏希





久々にコンテンポラリー・ロマンスを読んでいます。
マリーン・ラブレースの作品にはいつもいい男や,ちょっと危険で繊細な男たちが登場します。
本作は「異国で迎える季節(Holiday Abroad)」3部作の第1作で,このミニシリーズ全体の設定が描かれていますが,続けて第2作,第3作も読む予定です。
元歴史学教授のデヴォン・マクシェイ,元トラベル・コンダクターのサブリナ・ルッソ,元司書のキャロライン・ウォルターズの3人は,ザルツブルク大学三年次に知り合い,卒業後それぞれの道を歩き出しました。それぞれの人生で何かしら心に傷を負った三人でしたが,同窓会での再会をきっかけに,三人で新たな事業を興すことにしました。それが,「ヨーロピアン・ビジネス・サービス(EBS)」という会社です。アメリカからヨーロッパにビジネスでやってくるエグゼプティヴの宿泊や会議場などの確保という,旅行会社と秘書業を足したような事業です。
さて,季節はクリスマス目前の時期。体調を崩したサブリナに代わってドレスデン空港にクライアントを迎えに出たデヴォンですが,クライアントのカリブ・ジョン・ローガン・ジュニア(カル)は,空港でデヴォンに出会ったとたんに突然キスをしたのです。身長188センチ,漆黒の髪にレーザーブルーの瞳,フットボール選手のような肩というローガンが,すらりとした長身,暗めの赤褐色の髪,高い頬骨に豊かなまつ毛,キャラメル色の瞳とその時の二人が形容されていますが,二人の間にこの一瞬のキスで,電流が,火花が飛んだようです。
二人は,ローガンの交渉相手「ハオプトマン・メタルワークス」のミスター・ハオプトマンとの交渉,ベルリンでの銀行との交渉を順調にこなし,ザルツブルクでの数日の休日を楽しみます。かつて,両親の離婚,夫との離婚により結婚よりは事業に全力を傾注しようとしていたデヴォン,元婚約者のアレクシスが自分よりも自分の財産目当てで付き合っていたことに嫌気がさしていたローガンですが,このザルツブルクでの休日は二人の間の距離をあっという間に縮めたのでした。
ドイツ・オーストリアの3都市とクリスマスという季節を見事に描き切った力作です。


甘い銃弾は最後に [マリーン・ラブレース]

SHALOCKMEMO383
甘い銃弾は最後に The Last Bullet (Cle North 3) 2005」
マリーン・ラブレース 皆川孝子





クレオ・ノース・シリーズ第三巻。
前回に引き続きジャック・ドノヴァンとの関係が気になるところだが,同時に独立心が強く決して妥協することのないクレオがいつまで一人でがんばれるかも気になるところでもある。
今回の事件,冒険はクレオがかつて所属していたOSIの上司から政府の仕事を頼まれるところから始まる。初めは断ろうと思っていたクレオも,ジャックと一緒に仕事であり,前作で知り合ったMI6のレディ・マーストンからの依頼でもあり,再び海の冒険へと出かけていくが,かっこ悪いことに船酔いで朝食をすっかり戻してしまう。このあたりの人間らしさがアイすべきクレオの姿。レディ・マーストンとマルホランド船長との関係,ジャックと前妻の関係など,微妙な男女の心のひだが見事に描かれている。そしてドリーンの驚くべき秘密兵器は,ムーンスピナー。また,謎の奥にはぶきみな生物兵器。ミステリファンにも,とにかく楽しめる1冊。


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