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メイドを娶った砂の王 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO1461
メイドを娶った砂の王 Destined for the Desert King
( Rhastaan Royals 1 ) 2015」
ケイト・ウォーカー 山科みずき





 原題は「砂漠の王と運命付けられて」
 ヒロイン:アジザ(ジア)・エル・アファリム(歳)/ラスタン国有力者の娘/ほっそりして小柄,黒髪,キラキラした黒い瞳,金色の目,静かな声,サンダルウッドと花の香り,左手の小指がわずかにねじれている/
 ヒーロー:ナビル・ビン・ラシッド・シャリファ(歳)/ラスタン国王/長身,深く暗い瞳,顎髭,ブロンズ色の肌/
 ケイト・ウォーカーの作品は5冊目の読了となります。砂漠の国ラスタン国の皇位継承を巡るロマンスを描いたシリーズになっているようですが,作者のWebページの紹介によると第2作目になるようです。
 常に美貌の姉の影に隠れて生きてきたアジザは,ラスタン国王の后候補の姉に付添を頼まれ,いやいやながら王宮に出かけます。国の反対勢力の有力者である父は常に2歳年上の美貌の姉だけを自分の娘のように扱い,「小柄で十人並みの娘」と呼ぶ妹のアジザは常に姉の影に隠れて,誰にも関心を向けられずにいました。その昔当時12歳だったナビルが2歳年上のジャマリアにではなくアジザに関心を向けたことがあり,アジザは無条件で彼に心を奪われたことがあります。しかし自分が国王になったナビルに現在関心を寄せられるはずがない,成長した自分をみても覚えてすらいないだろうと思っていました。かつて国内で反対グループによる暴動が起き,当時皇太子だったナビルは大怪我を負います。その時の傷跡が左頬に今でも残っているのですが,アジザにとってはその傷跡もが愛おしく感じられるのでした。ナビルはすでにその時結婚しており,身ごもっていた妻のシャミラは銃弾に倒れてしまいます。しかし国王としては跡継ぎ問題が浮上し,王妃となる后選びがナビラに課せられた使命でした。シャミラとの結婚はかれの許嫁だったクレメンティーナ・サヴァネフスキとの破局による衝動的なものでしたが,クレメンティーナは隣国マークハザド国王のカリム・アル・カリファと恋仲になり,二人の祝賀会に招かれたナビルはアジザに再会するのです。この時アジザの父は国の反対派と愛国派のキャスティング・ボードを握る有力者として娘のジャマリアとナビルとの結婚を望んでいたのです。そして祝賀会の時に出会ったアジザはとっさにジアと名乗り,ファルーク・エル・アファリムの次女であることを隠したのですが,ナビルの胸にはこの時のジアが強く印象に残ったのです。そして今,ナビルの后選びの有力候補として姉のジャマリアが選ばれ,王宮に呼ばれたとき,アジザは姉に請われてついて行くことにしたのでした。ジャマリアのメイドとして・・・。過去のナビルとの出会いから10年。成長した自分の姿にナビルが気づくはずがない。ましてや祝賀会の夜に出会ったときにもナビルは自分だとは気づかなかったではないか。という思いでいたアジザですが,アジザは十人並みの器量の自分は美しさで競うのではなく頭脳で自分らしさを得ようと大学で語学を専攻し数カ国語を操る才女となっていました。ところが父の元に届いた知らせはジャマリアではなく妹の方との結婚という返事だったのです。「シークはお前を選んだ」と父に話されたときもアジザにはその言葉が現実のものとは思えませんでした。「アジザは少女時代の憧れを手放せそうになかった。あの夜,彼女は長年の自分の想いが幻想に過ぎなかったことを思って涙を流した。しかし,シークの花嫁に選ばれたと父に言われた途端,かつての夢のすべてが押し寄せる波のようによみがえって,新たな希望とおさない頃は想像もしなかった渇望を運んで」きたのです。「アジザが求めていたのはこれだった。他の誰でもない,この男性が欲しかった。」「私はもう誰かのニ番手ではない。何より今後は父に支配され,やることなすこと監視される必要なない。」「自由」という言葉が彼女にとっては他の何者よりも必要なものだったのです。ところがナビルはアジザの幼い頃を覚えていました。ジアと名告ったあのメイドとジャマリアの妹としてのアジザが同一人物であるとは思ってもいなかったのです。結婚式の間はベールで素顔を隠したままだったアジザと寝室で顔を合わせたとき,ナビルはジアがアジザだったことを知ります。そしてエル・アファリム家の娘であるアジザがなぜ自分に嘘をついたのかと,アジザの父の陰謀ではないのかと疑いの気持ちを強くもつのでした。自分を拒絶する強い言葉を投げつけられ初夜を拒否されたアジザ。「自分はナビルの花嫁,ナビルの妻かも知れないが,所詮は便宜結婚の王妃だ。」「彼の心の妻は命を落とし,その穴を埋めることは誰にもできない。」とこれからの長い期間名目だけの妻でいなければならない自分の悲運を嘆くアジザでした。ふたりは数日後,山の宮殿に二人きりで行き,いわゆる新婚旅行替わりの休暇を過ごすことになります。前妻シャミラは自分の立場と裕福な生活ができることだけを考えて自分と結婚し,結婚直後に二人の結婚生活は破綻していたのでした。しかしアジザはナビルの心の中には未だに自分の身代わりのように銃弾に倒れたシャミラとその子供の存在が残っていると思い込んでいます。ここに来て数日でアジザが父ファルークの陰謀の片棒を担いでいるかも知れないという疑惑はすっかり消えていましたが,頑固なプライドが事実を認めることを阻んでいました。かつてシャミラに裏切られた経験がナビルの行動に暗い影を残していたのです。自分がアジザを求めているのと同じくらい彼女にも求めて欲しい。それも王としての自分ではなくただの男として・・・。6日後,二人はどちらからともなく互いを求め合います。「信頼」たった二文字のちっぽけな単語。しかしそれが二人が求めていたキーワードだったのです。「メイドのジア,あるいは僕のプリンセスのアジザ。きみは花嫁候補に挙がっていた他の女性の誰より僕の心をざわつかせた」と心の内を遂に打ち明けるナビル。そしてアジザの頬に自分の顎髭による跡がついてしまったことに気づいたナビルは「シャミラの裏切りの事実を知った日から自分の身を守るように黒々と生やしてきたひげをそろう。ひげと一緒に過去もそぎ落とせるよう願って。」と決意するのでした。しかしそんなナビルの気持ちとアジザの気持ちに微妙なすれ違いが生じます。肉体を得ても心の中はシャミラの影を消してはくれていないと感じていたアジザは自分の体の変調に気づいてもそれがナビルの心を開くことにはならないだろうと思い,そのことを夫に告げることは躊躇します。いずれ自分の体の変化が大きくなれば気づかれてしまうだろうけれど・・・。一度は信頼を感じていた二人の微妙な心のすれ違いと隙間を作者は巧みに描き出していきます。さて二人の信頼はどんな形で取り戻せるのでしょうか。このストーリー展開がロマンス作品の読みどころですね。
 二人の年齢差が7歳であることが読み取れたのですが,現時点で二人が何歳であるかは読み取れませんでした。


タグ:ロマンス
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失われた愛の記憶 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO1231
失われた愛の記憶 Shattered Mirror 1993」
ケイト・ウォーカー 鏑木ゆみ




HQSP-069
14.08/¥540/201p

R-1191
95.08/¥652/156p


 原題は「閉じた鏡」
 ヒロイン:イヴ・モンタギュー(本名・ジェネビーブ・ブキャナン)(26歳)/図書館の助手,記憶喪失/ブロンドの髪,卵形の顔,濃いブルーの瞳,僅かに反り返った鼻,柔らかくふっくらとした唇,美しい曲線を描く体,身長168センチ,誕生日5月10日/
 ヒーロー:カイル・ジェンセン(35歳)/出版社のオーナー/力強い手首,幅の広い手のひら,爪の形の整った長い指,深い褐色の瞳/
 記憶喪失ものを3作品続けて読んでいました。3作品読了後に一気にアップしようと思い,数日かかってしまいました。
 まず,本作です。これはヒロインが記憶喪失になったという設定です。美女イブ・モンタギュー。イヴがジェネビーブの愛称であり,モンタギューは住んでいた館の名前で,記憶喪失後無意識のうちにこの名前を名告っていたことが後から分かります。記憶喪失後2年間で,図書館の司書助手として僅かなアルバイト代を稼ぐだけでしたが,親友となった看護師夫婦の家に住まわせてもらい,心の赴くままに書いた小説を,出版社に送ったのでした。そしてゴミ箱に捨てられようとしていた原稿が偶然,出版社オーナーの目にとまり,その内容が,失踪した妻でしか知らなかったことが書かれていたことに気付いたヒーローのカイル・ジェンセンが,イブの住まいを訪れ,二人のプライベートなことを小説に書いたことを責め立てたとき,精神科医でイヴの姉のように思っていたダイアンとその夫のジムのベネット夫妻から,イヴの記憶喪失のことを聞かされ,記憶の復活のために手を尽くすというストーリーです。何故イヴがカイルの元を去ったのか,そしてどんな経緯で記憶喪失になったのかを中心にストーリーが展開していきますが,イヴの記憶喪失そのものを芝居ではないかと疑うカイルの心理と,カイルをふたたび愛し始めたイヴがカイルとの間に何か秘密があるのではと疑心に囚われ,それがきっと記憶喪失の要因になっているはずだと気付き始めて行くストーリーが,妻側と夫側からの二人の心理描写を複線化させることで膨らみをもたせています。イヴの誕生日5月10日という日が運命の日で,そのタイムリミットを設けることでさらに物語に緊張感をもたせています。記憶喪失ものはサスペンス的要素をふんだんにもたせられるのですが,何をその要因にするかに作家としては心を砕くのでしょう。そんな様々な要素が見事に絡み合った秀作です。「記憶喪失とはまるでゆがんだ鏡を見ているようだと思っていた。鏡の中には彼女の姿だけが映っていて,それ以外には何もみえない。その鏡が粉々に割れた今,始めて分かった。他の全ての鏡と同様に,実際には逆さの映像を彼女は見ていたのだ」という表現が見事です。
 またあまり物語の舞台にならないイギリス東部のノーリッジとその近郊も登場し,興味深い要素となっています。


タグ:ロマンス
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美しすぎた獲物 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO1166
美しすぎた獲物 Olivero's Outrageous Proposal 2015」
ケイト・ウォーカー 槇 由子





 母親のカジノでの借金を返すために会社の金を横領してしまった父親,二人の犯した罪を購うために便宜的結婚をせざるを得なくなった上流階級の娘アリス・グレゴリー。自分が婚外子であり,父に認知してもらうために異母兄の狙っていた女性を奪おうとしてアリスに近づいたダリオ・オリヴェロ。二人の思惑が交差して便宜的結婚に踏み切った二人ですが,実はパーティで出会った初対面の時から二人の間には火花のような欲望と引き合う力が働いていたのでした・・・。そして,以外とこじんまりした結婚式を教会で挙げた後トスカーナのダリオの豪邸でのハネムーン。何週間にもわたって二人は蜜月を愉しみます。そしていよいよダリオに仕事のメールが来始めたとき,アリスは急にロンドンに帰るぞと言われ慌てます。せっかく親からもアレックスからも自由になりイタリアでの生活に馴染み始めていたからです。そして数日前から襲ってくる吐き気とも・・・。荷造りの途中で偶然見かけたダリオの父からの手紙。それはアリスにこれが契約結婚だということを思い出させる決定的な文面でした。腹を立て,ダリオにすっかり騙されていたことに情けなさを感じたアリスは,一人で出ていくと宣言し,親友の元に身を寄せます。失って分かる互いの大切さ。素直にそれを認められるか,それともプライドか。何を投げ捨てででも愛する人と共に過ごしたいと思うか。教会での誓いの言葉がずしりと二重カギ括弧で登場してくる場面です。余韻を残さずにすっきりと終える思い切りの良さも手伝って,好印象のまま読み終えることのできる作品です。
 邦訳版の女性モデルさん,ちょっとふっくらして見事なブロンドの,しかも正面顔ではなく横顔が愛らしいモデルさんですが,「シンデレラの婚前契約 R-3116」と同じモデルさんですよね。


タグ:ロマンス
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シークの不幸な許嫁 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO882
シークの不幸な許嫁 A Question of Honor 2014」
ケイト・ウォーカー 井上絵里





どことは詳細には出てこないが砂漠の国の王女クレメンティーナ・サヴァネフスキは23歳の誕生日とともに許嫁のラスタン国皇太子ナビルの元に嫁ぐことになっていた。それまでの少しの期間,独身最後の自由な身分で,父親の隠し子で自分の弟であるハリーの誕生日を祝うため,母方の祖母の家のあるイギリスの片田舎に滞在している。そこへ,ラスタン国への付添人であるマークハザド国皇太子カリム・アル・カリファが予定より早くやってきてしまう。弟ハリーの誕生日より前にラスタン国へはいけないと,クレメンティーナ(クレミー)はそっと家を抜け出し,ハリーの養父母の家にやってきた。家のベッドの上に「明日戻るから」と書き置きを残して。翌日雪が深くなる前になんとか家にたどり着いたクレミーだが,家に着いたとたん車が故障してしまう。誰もいないと思っていた家に,なんとカリムは自分を待ってくれていたのだった。すぐに荷物をまとめて出発するぞ,と言われ,あきらめ顔になったクレミーだが,故障した車が門をふさいでしまい,雪が激しく降り出したため,車を移動することが出来ず,翌朝出発することにしたところで突然停電になり,二人は暗闇の中で暖炉の火とろうそくの中で一晩を過ごすことになってしまう。クレミーはカリムの男性的な魅力に,カリムもまた思ったよりも女性らしいクレミーに惹かれてしまう。しかし,カリムの仕事はクレミーを無事にラスタン国に送り届けること,クレミーもまた自分の国とラスタン国との関係を維持するためには許嫁の元に嫁がなければならないことは重々わかっていたことだった。しかし,出会った二人の間に火花が散り・・・。何度か近づいては離れるを繰り返す二人の関係に読者はやきもきさせられるものの,キス以上の関係には深まらない二人。カリムは「名誉を守る人」。この言葉が何度も繰り返されます。そして雪がやんだ翌日,二人は無事にラスタン国に到着するのでした。ところが数日後に結婚する予定の相手の皇太子ナビルは自分に顔をみせにも来ず,しかも美しい女性と庭を散歩しているではありませんか。それでも結婚は決められたこと。最後だからとクレミーに挨拶に来たカリムはクレミーの誘惑に負けそうになりますが,最後は思いとどまり振り向きもせずに帰って行ってしまうのでした。しかし,イギリスで二人が同じ家で一晩を過ごしたことがラスタン国の知るところとなり,さらにナビルがクレミーとの結婚を拒否するという事態になってしまいます。傷物扱いにされ,自国に帰ることも出来なくなったクレミーは再びイギリスの弟ハリーの元へやってくるのですが,そこに突然カリムが現れます。結婚が解消された以上,カリムもクレミーも互いに自由の身。二人の気持ちはうまくかみ合うのでしょうか。それとも愛のない結婚を二度としたくないと考え,別れてしまうのでしょうか。最後の最後まで緊張感が続く好著です。


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国王のプロポーズ [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO745
国王のプロポーズ A Throne for the Taking ( Royal and Ruthless 2 ) 2013」
ケイト・ウォーカー 麦田あかり





公爵令嬢ホノリア(リア)は,様々な陰謀に関わってきた父に今や疑いをもっていた。かつては,父の言葉を信じ,愛する人を遠ざけてしまったことが,今は分かってきた。次々にメクホリア王国の後継者が倒れてしまい,今はもう,国を潰すかもしれない人物と,かつて父によって追放された王子アレクセイ(レクシー)の二人しか残っていない。リアは,幽閉されている父のため,それよりも国民全体を考えると,国王にはレクシーしかいないという政治家たちの期待を一身に受けて,レクシーに国に戻って王位を継いで欲しいと懇願しにやってきたのだ。かつて全財産を奪われて,母と共に国を追放されたレクシーは,そんなリアの申し出をあっさり断る。しかし,もし,自分が正当な皇位継承者であることと,リアがレクシーとの婚約をするならば,国に戻ることを承諾しようと申し出る。再会してみて,レクシーがさらに魅力的な男性になっていて,どうしても惹かれてしまうことに気づいたリアは,この申し出を承諾する。自家用ジェットで故国メクホリアに到着したリアとレクシーを空港に出迎えたのは,国を代表する多くの人々の歓迎だった。
しかし,帰国後1週間もレクシーはリアに連絡をせず,不安になったリアは,密かにレクシーの部屋を訪れる。そして気持ちの赴くままにレクシーとリアは互いを求め合うのだった。一度結婚していたレクシーは,妻の育児放棄により一人娘のベルを亡くしている。そして精神を病んだ妻も亡くなっていた。そのことに自分の責任を強く感じていたレクシーは,再び愛する人たちを失うことを怖れ,リアとの関係を王と王妃として互いを利用し合う契約的なものにしたいという態度をとり続けている。かつての妻を未だに忘れられないでいると思うリアは,そんなレクシーの態度を不満に思いつつも,求められる度にレクシーとの関係を続けていくのだった。やがて戴冠式前の仮面舞踏会の夜がやってくる。王室の伝統的なこの行事に一度は参加してみたいと思っていたリアだが,二人で会場入りする直前にレクシーから意外な言葉を投げかけられる。そしてレクシーの態度は妻を想い続けているからではなく,娘の死に対する後悔の念からだと言うことに気づく。
そして,踊り終えたころ,会場には意外な人たちが現れる。リアとレクシーは,互いの気持ちに素直になれるのだろうか。


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