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買われた純愛 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1424
買われた純愛 A Virgin for Vasquez
( Rich, Ruthless and Renowned 2 ) 2016」
キャシー・ウィリアムズ 松尾当子





 原題は「バスケスのための純潔」
 ヒロイン:ソフィー・グリフィンワット(25歳)/運送会社経営者/栗色の髪,すみれ色の瞳,焦げ茶色のまつげ,シルクのようになめらかな肌,張りのある胸/
 ヒーロー:ハビエル・バスケス(33歳)/会社経営者/黒髪,黒い瞳,彫りの深い顔,長いまつげ,長身/
 「マドリード郊外の貧民街に生まれ」「いずれ家を出て成功を収めなければならない,そのために立派な教育を受けるべきだ」と言われ「父親はタクシー運転手」「母親は清掃作業員」として息子の学費を必死に貯めていたヒーローのハビエルは,イギリスの大学でヒロインのソフィー・グリフィンワットに出会い,人生で初めて追いかけたいと思う女性に巡り逢います。しかし,まだ定職に就かない外国人のハビエルはソフィーの父親からすげなく拒否されてしまいます。その後ソフィーは別の男性と結婚してしまったのでした。ソフィーが大学を辞めてロジャー・スコットと結婚しなければならなくなったのは,家庭の事情によるものでした。運送会社経営者の父の病気と会社の経営不振をロジャーの豊富な資金に頼るため,謂わば人身御供としての政略結婚だったのです。結婚生活はすぐに破綻し,しかもロジャーは賭け事と放漫経営で会社の経営不振は全く解消されないまま亡くなり,ソフィーが実質経営者として父親の没後会社を引き継いだときには,もう倒産は目前だったのです。スポーツ奨学生としてアメリカに渡っていた弟のオリバーを呼び戻して同族企業として経営を助けてもらおうとしていますが,オリバーは会社経営には全く興味を示さず名目的な重役というだけだったのです。古くから父を手伝ってきた重役たちが大勢おり,その人たちを含めた大胆な人員整理を行い,業務の近代化を図るしか会社が生き残る道はないのですが,そのための決断力も資金もなく,オリバーはかつて姉と親しかったハビエルに資金融通を頼み込んでしまったのでした。ハビエルに逢いにソフィーが会社を訪ねたところから物語は始まります。「そう,これが問題なのだ。彼を求める気持ちが,七年前からずっと消えていないことが。けれど消さなければ,私はこの渇望に死ぬまで苛まれることになる。これを消し去る方法は一つしかない。」そしてソフィーはハビエルを誘惑することを決意するのですが・・・。ハビエルは七年前に自分を捨ててたの男性と結婚したソフィーを恨んでいました。彼女の会社を救う代わりに彼女を自分のものにし,そして捨ててやるのだ。と,復讐の念が浮かびます。彼女の弱い立場を利用して今度こそ自分の欲望を達成しようとするのですが,すぐにではなく,彼女の方から自分を求めさせなければと,あえて欲望を抑えています。ソフィーはロジャーと結婚はしたものの,謂わば便宜的な結婚に過ぎず,二人の間には夫婦関係はありませんでした。バージンのままの未亡人という設定が本作の最も特徴的なキャラクター設定です。そしてソフィーとハビエルの虚々実々の駆け引きが始まります。ロジャーとの結婚の真相をなかなか話そうとしないソフィー,そしてそれを知りたいと強く願うハビエル,この緊張関係が読者の興味を引き続けます。元々惹かれ合っていた二人が7年の歳月を超えていよいよ本格的な関係を築いていくまでの愛の迷路をたどった秀作です。


タグ:ロマンス
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契約外のシンデレラ [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1402
契約外のシンデレラ Seduced Into Her Boss's Service 2016」
キャシー・ウィリアムズ 東みなみ





 原題は「彼女のボスの仕事上の誘惑」
 ヒロイン:サニー・ポーター(24歳)/法律事務所事務員/身長172センチ,銀色がかったブロンドの長い髪,緑色の瞳,天使のようなハート形の顔立ち,短くてまっすぐな鼻,ふっくらした完璧な形の唇,バレエダンサーのように手足が長く細身で優雅な仕草/
 ヒーロー:ステファノ・ガン(31歳)/会社経営者/長身,黒髪,黒い瞳,エキゾチックなブロンズ色の肌,森林のような清潔でとことん男らしい香り/スコットランド人の裕福な地主の父と亡き両親から相当な遺産を受け継いだイタリア人の母との間に産まれた一人息子/
 「マーシャル,ジョーンズ&ジョーンズ」法律事務所に勤務するサニー。無口で近寄りがたい雰囲気を漂わせているのは,最近,失恋を経験し仕事一筋に生きようと,そして弁護士を目指そうという目標を持っていたからでした。その事務所の弁護士に仕事を依頼しに来たのが富豪のステファノ・ガンです。身長190センチの堂々たるハンサム。そして訪れた先のキャサリンとの間に交際の噂が事務所の中では囁かれていました。妻アリシアとの離婚,そして事故死,残された一人娘フローラとの気まずい関係,母親からの再婚の催促,その候補の一人がキャサリンであることはステファノも気づいています。ところがステファノが目にとめたのは,キャサリンではなく,事務員のサニーだったのです。父親が誰かも知らず,酒と薬物と男中毒の母親の元で育ち,学校へも満足に通えなかった11歳までの幼少の頃,そんな不幸な育ち方をしたサニーでしたが,母親のようにはなるまいという強い決意で里親の援助で13歳で奨学金をもらい寄宿学校へ通うことができるようになったサニーでしたが,入学当初から同級生からのいじめ,さらに保護者たちからの冷たい視線に耐えて十代を過ごした彼女が無口で人を信用しない性格になったのも当然のことでした。大学卒業後の2年前から勤め始めた法律事務所と夜のウエイトレスのアルバイトをこなし,しかもどんな仕事にも熱意を持って取り組む彼女は格別美しく,ブロンドの髪に緑色の目,そして天使のような顔立ちをできるだけ目立たない服装に隠し,熱い思いと静かな雰囲気で独立心を持った24歳に成長していたのでした。サニーを目にしたとたん惹かれたステファノ。もちろんそんな彼女の育ち方を知るはずもありません。そしてこれまで女性から拒否されたことがない経験に反して,いかにも自分を遠ざけようとするサニーの態度に逆に新鮮さを感じたのでした。サニーもまた失恋の痛手からは立ち直っていたものの,あたたかい家庭と白馬の王子様を待っていたのは他の女性と同じです。そしてステファノこそ,その条件にぴったり合う,しかし自分には手の届かない,裕福で何一つ苦労をしたことのない育ち方をした男性であろうと,惹かれないように自分を戒めるサニーでした。ステファノはいつも自分に反抗的な娘フローラが,サニーとは親しげに会話しているのを見て,ナニーが帰った後の夜間にフローラの世話をしてくれないかと頼み込みます。フローラもその話しには乗り気になっているのを見て,サニーは断り切れなくなります。しかし同じ家にステファノといることになると考えると,自分の気持ちとは裏腹に体が反応してしまうことに戸惑います。かつての恋人との間には経験したことのない緊張感が漂うのでした。水泳を習う暇のなかったサニーが,フローラによって泳ぎを教わっていたときに突然帰宅したステファノに水着姿を見られて慌てておぼれかけたり,来る予定より早くステファノの母アンジェラが家にやって来て,ステファノとサニーとの仲を憶測したりと,いろいろな出来事がありますが,さらに関係を深めたいステファノはついにスコットランドの母の家にフローラを連れて行くのにサニーの動向を求めるのでした。2週間の期限つきとはいえ,ステファノとの関係が深まってしまっていて,しかも期限つきの休暇,スコットランドから帰るときは二人の関係は終わってしまう,それが二人の将来に発展する余地がないことは容易に想像できるものの,それでもステファノと一緒に過ごせることを楽しんでも良いのではないか,と。そして母とフローラが一日買い物で出かける日,二人は親密な日を過ごします。互いの過去のことを話し合いながら・・・。そしてステファノが前妻との辛い結婚を乗り越えられずにいること,そしてサニーもまた母親の悲惨な人生と同じ過ちを繰り返したくないことを理由に二人は別れを決意します。それから2週間後,契約書類を取りに行くという言い訳をこじつけて法律事務所を訪れたステファノ。サニーにどんな言葉をかけるのでしょうか。物語はクライマックスを迎え,ついにステファノはサニーに愛を告白するのでしょうか。そしてその言葉を待つサニーの返答は?
 MB版の表紙の女性モデルはちょっと違和感がありますね。本作についてはHQ版の勝ちでしょう。でもイメージとしてはサニーはもう少しふっくらした少女のような顔立ちではないかと想像していたのですが・・・。


タグ:ロマンス
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イタリア富豪の秘密の休日 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1367
イタリア富豪の秘密の休日 The Surprise De Angelis Baby
( Italian Titans 2 ) 2016」
キャシー・ウィリアムズ 南 亜希子





 原題は「デ・アンジェリスの驚きの赤ちゃん」
 ヒロイン:デリラ・スコット(21歳)/クルーズ船の臨時絵画講師/姉とコッツウォルズのコテージのギャラリー経営,ネプチューンとムーンの娘/背が高くてすらりとしたからだ,赤から赤褐色までさまざまな色合いが混ざっている髪,キャラメル色の肌/
 ヒーロー:ダニエル・デ・アンジェリス(29歳)/リゾート会社社長/身長190センチ,兄よりやや明るい髪,グリーンの目,ブロンズ色に焼けた細い左右対称な顔,黒くて濃いまつげ,くすんだブロンドの髪/
 サントリーニ島から始まる地中海クルーズ船の旅。そんなすてきな前半の物語です。「シンデレラは偽りの妻(SHALOCKMEMO1349)」で登場したデ・アンジェリス家のテオの弟ダニエルが本作のヒーローで,テオとアレクサは家族の関係でちょっとだけ顔を出します。ダニエルは経営状況の妖しいクルーズ船を買収しようと,地中海クルーズの旅にサントリーニ島から乗り込みます。ダニエルはクルーズ船ランブリング・ローズ号のオーナーのジェリー・オクリーは大富豪の父親から受け継いだすばらしい船を海賊でさえ見逃しそうな代物に変えてしまったと考え,自分が買収に成功したら,乗組員の誰を残すべきか誰を整理すべきか実際に数日間乗船してみて見極めようと思っていたのです。船内を廻っているときに気付いたのは絵画教室の講師でした。絵心などは全くないダニエルでしたが,そんな自分にもていねいに説明してくれるデリラに興味を持ったダニエルはバレリーナのように優雅なほっそりした体型の女性,普段自分が好んでつきあっているグラマーな体型の女性とは正反対で,着ているものも身体の線を隠すような野暮ったい格好の女性に好意を抱いてしまう自分に驚いています。かつて自分を裏切った女性ケリー・クローズを思い出すと,自分の財力にばかり興味を持ってしまう女性という存在を信用しないで独身でいることを信条としているのを当然と思っていて,アレクサという女性と結婚した兄のテオの気持ちを信じられない思いで眺めているのですが,この飾り気のないデリラという女性は,これまで知った女性とは全く違う存在であることを,何日間の交際の末に分かり,そしてデリラから離れられなくなってしまうのでした。数日間しか休みを取っていなかったダニエルはクルーズに乗っている期間を延長し,数日から数週間へと日延べしながら,デリラと深い関係を続けていくのでした。初めに深い関係になったとき,デリラもまた自分を真剣に求めてくれ,目眩く時間を二人で過ごすことができたのですが,やがて二人とも船を下り,さらにはもう二度と会うこともないだろうということは互いに確認し合っていたのです。最後に船を下りるとき,デリラはもうダニエルを愛してしまっていたのですが,二人の間に将来はないことは充分分かっていました。そして,ダニエルが本当は富豪であり,自分が働いてきたこのクルーズ船を買収するために自分を利用したことを知り,再び男性に裏切られたことに深く傷ついてもいたのです。
 下船から1カ月ほどして,デリラは自分の体の変調に気付き,検査薬で調べてみて妊娠していることの気付きます。そのことをダニエルも知るべきだと思ったデリラはロンドンの会社にダニエルを訪ねます。そこで妊娠のことを話すと,ダニエルは予想外の行動を取るのでした。初めから二人の将来は結婚という形には結びつかないと思っていたデリラはシングルマザーとして生きて行くことを想定し,ダニエルが子供の養育費の負担と,時々子供に会にくること位しか考えていませんでした。「ダニエル・デ・アンジェリスのように傲慢でうぬぼれの強い男が私の突然の来訪を全く違う風に受け取るであろうことを考えもしなかった。彼は私が負けを認めて戻ってきたと思っているのだ。彼との関係を辞めたところから再開するために。それも,自分がお金を私の鼻先にぶら下げたからだと思っている」「本当にお金が欲しくて私がここまで来たと思っているの? お金と交換に体を差し出すために?」「気の毒な人ね」「女はみんなお金目当てだと信じるあまりに,そんなものをなんとも思っていない女性もいるとは考えもしない」というデリラの痛烈な非難の言葉にダニエルは驚きますが,子供という存在にダニエルは感動を覚えていたのでした。「僕は子供の人生に積極的な役割を果たすつもりだ。たまに会うだけではそれはできない。それから親権を争うこともしない。君がどこかで出会った男に子供の親権を取られるのはゴメンだ。もちろんぼくも独身気分で女の後を追うつもりはない。」といいながら,ダニエルはデリラに結婚をいいだしたのでした。ダニエルは愛のためではなく子供と自分の体を求めているだけだとこの便宜的な結婚の申し出を冷めた視点で捉えたデリラですが,次々に自分のことを心配してやさしい気配りを持って接してくれるダニエルに次第に心を開いていきます。しかしダニエルの優しさが愛に基づいたものだとは信じられないデリラ。ダニエルは果たしてこのデリラの心の冷たい塊を溶かしていけるのでしょうか。
 いつもどおりにキャシーの作品は最後が唐突に終わってしまいます。本作もいつもの終わり方ですが,それも彼女の作品の魅力の一つなのでしょう。突然足場を外されたような強烈な余韻で締めくくられます。前作のアレクサが大人の魅力を持っていたのに比して,本作のデリラはいかにも若い,しなやかな美しさと芯の強さを持ったヒロインでした。


タグ:ロマンス
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シンデレラは偽りの妻 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1349
シンデレラは偽りの妻 Wearing the De Angelis Ring
( Italian Titans 1 ) 2015」
キャシー・ウィリアムズ 龍崎瑞穂





 原題は「デ・アンジェリスの指輪をはめて」
 ヒロイン:アレクサ・カルディーニ(26歳)/弁護士事務所勤務/卵形の顔,長い黒髪,黒い眉毛と長いまつげ,ターコイズブルーの目,身長162センチの砂時計のような体型,趣味は読書/
 ヒーロー:テオ・デ・アンジェリス(32歳)/実業家/身長,短く刈り込まれた漆黒の髪,彫りの深い顔,独特な色合いのグリーンの目,ふさふさしたまつげ/
 今月はとにかく読了冊数が激減しました。なぜ?仕事が忙しかったせいだけではなかったのです。朝の読書時間だけでなく日中や夜間の読書量が減ったことと,その理由がウェブページの更新に時間をかけたからだと思います。更新中にどうしても「これは読みたい」というものが多くなり,新刊に取りかかることが少なかったことも大きな要因だと思います。SHALOCKMEMO1350はあっという間に今月中に終わるものと思っていましたが,未だ到達せず!ちょっと意外な結果になってしまいました。
 さて,本作です。10月5日刊のHQロマンスです。邦題には「シンデレラ」とありますが,ヒロインも育ちの良いお嬢様。両親の強制的ないわゆる企業合同のための子女の便宜的結婚のストーリーです。アレクサの父カルロ・カルディーニの会社の共同経営者の大規模な横領で会社の経営が傾いてしまい,どうしても資金協力が必要になります。かつての友人で今はあまり仲良くしていなかったステファノ・デ・アンジェリスに救いの手を求めると,その条件として,お宅のお嬢さんをうちの息子の嫁に欲しいと言われたのでした。欧米ではいわゆる見合い結婚は過去の遺物。しかしお金持ち同士の間ではいわゆる身分が厳然として存在している,というのが一般的です。デ・アンジェリス家は息子が二人いますが,カルディーニ家は一人娘。ステファノ・カルディーニは一人娘を差し出す代わりに資金援助を受けるしか会社の存続は難しくなっていました。しかもデ・アンジェリス家の長男テオは弟のダニエルとは異なり,堅実な会社経営をしており,謂わばお堅いビジネスマンです。いずれ二人が結婚したらカルロは引退して会社経営そのものをテオに任せたいと考えたのでした。カルロの妻でアレクサの母コーラは持病で身体が弱っており,会社経営よりもカルロは妻に寄り添っていたかったのです。愛情深い二人に育てられたアレクサは自身も愛にあふれた結婚をし,子供を育てながら幸せな一生を送りたいと両親の結婚生活と同じような人生を夢見ていました。何人かのボーイフレンドはいましたが深い付き合いをすることなくこれまで生きてきています。「自分も特権階級に生まれながら,アレクサは彼らのような男性を避けて生きていた。金と権力はあっても中身がない男なら,周りに大勢いてよく知っている。神から与えられた権利であるかのように,自分勝手を通す男たち。彼らは女性のことも好き勝手に扱う」こう考えるアレクサが初めてテオに会ったとき,テオもまたこういう上流階級の俗物だろうと思っていたのです。いわゆるモデル体形ではないことは中学生の時に周囲の女子生徒たちから噂されてしまっており,自分に自信が持てずに弁護士事務所に務めながら週3日はシェルターのボランティアをしています。悩みを抱えた人たちを助ける仕事に生きがいを感じていました。しかしロンドンからイタリアに呼び戻され,そして父から懇願されテオと会うことに。初めて会った瞬間女性たちが皆憧れるハンサムなテオと自分とでは釣り合わないと感じたアレクサはことごとくテオの言葉に反抗してしまいます。テオもまたこれまでの女性たちとは異なるアレクサの態度,そして体型に面食らいながらも強い興味を抱くのでした。アレクサはテオを避けようとしつつも時折見せるテオの持つ人に対する優しさに次第に自分の態度が子供っぽいものだと反省するようになります。ことごとく自分に反抗するアレクサの姿も,要するに自分に自信がないせいだと気付いたテオは,アレクサを守ってあげたいという思いに駆られていくのでした。そしてニューヨークの出張にアレクサを伴い,マスコミに二人の婚約が広まるようにわざと身体に触れているうちに,次第に二人とも触れずにいられない気持ちになって行くのでした。恋愛になれていないアレクサがはじめにテオに夢中になってしまい愛を認めざるを得なくなります。テオもまた自分を求めてくるアレクサに愛情を持つのですが,父が結婚して仕事を放りだしてしまった過去の経緯から学んだ,愛は人を弱くするという固定観念からアレクサへの思いを認めたくないのです。
 アメリカ滞在中にアレクサの父から電話がありイタリアに帰ってくるようにと知らせが入ります。母の具合が悪くなったのではと心配して滞在を短縮して帰国してみると,カルロとステファノの間の密約がカルロの妻コーラの知るところとなり,愛のない結婚をする必要はないと3者の間で話がついたというのです。すでに互いを愛してしまった二人ですが,それを打ち明けるだけの勇気も持たなかった二人。アレクサはそのままロンドンに戻って仕事を探すことにします。テオからはその後連絡が途絶えてしまうのでした。さぁ二人の関係はどうなるのでしょうか。
 ゴージャスではない普通の女性アレクサの愛情あふれる性格が両親から得たすばらしい才能だということが「シンデレラ」という表現になったのかもしれませんね。連作のテオの弟ダニエル・デ・アンジェリスとデリラ・ショーのロマンスは,次作「イタリア富豪の秘密の休日」で11月刊行予定です。


タグ:ロマンス
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誘惑のらせん階段 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1326
誘惑のらせん階段 Rafael's Suitable Bride 2008」
キャシー・ウィリアムズ 青海まこ





 原題は「ラファエルの“適切な”花嫁」
 ヒロイン:クリスティーナ(24歳)/花屋/158センチ,ずんぐりした体形,豊かな胸と腰のくびれ,小麦色の肌/
 ヒーロー:ラファエル・ロッキ(36歳)/企業グループ経営者/180センチ超,彫りの深い顔立ち,黒髪,茶色の瞳/
 ヒロインはイタリアの宝石のチェーン店を経営する裕福な家の娘というだけで,苗字が示されていません。一方ヒーローのラファエルはロッキ帝国と呼ばれる企業グループを一人で取り仕切るスーパー仕事人間で,女性との付き合いも長くもったことがありません。若かりし頃結婚した相手は9歳も年上のデパートガールで,ラファエルのお金目当てで近づき,浮気を繰り返したあげくアメリカで事故死したのでした。その経験から結婚を言い出す女性には警戒心が強かったのです。三姉妹の末っ子で姉二人はモデル体形の完全無欠な美女で,すでに他家に嫁いでおり,自分だけが父親に似た体型で幼少の頃から自然とのふれあいを好み,活発でスポーツを得意としていたため,姉妹仲はいいのですがクリスティーナ自身は寄宿学校からイギリスで育っているのでした。そのナチュラルで気取らない性格,自分を決して美人だと思わずに誰に対しても率直で思ったことを口に出してしまうくせ,そして夫と子供と自然に囲まれて幸せな家庭生活を夢見る乙女でもありました。二人の出会いは冬の雪道で始まります。ロッキの母の主宰するパーティーにロンドンからそれぞれ来るまでやって来た二人ですが,雪道に嵌まってしまったクリスティーナの車に危うくぶつかりそうになったロッキのフェラーリ。結局泥だらけで雪の中に落ちたコンタクトを探していたクリスティーナを乗せて行くことになり,二人の両親が知り合い同士だということが分かります。結局クリスティーナの車はバッテリーが上がってしまって修理が必要であり,ラファエルはクリスティーナをロンドンまで送ることになるのですが・・・。ここから二人の付き合いが始まります。女子サッカーチームのコーチを務めることになったクリスティーナを助けたり,外食に出かけたりと少しずつ互いの心の中に入っていく二人ですが,これまで付き合っていたモデル体形のすらりとした女性たちとは異なり,ややポッチャリ気味でも砂時計のようにカーブを描くクリスティーナの体形,そして子犬を思わせる茶色の瞳は,自分が守ってやりたいと男性に思わせる魅力を持っていたのです。妄想の中でしか存在しなかった素敵な男性が自分に興味を持ってくれていると知ったクリスティーナに,自身の経営する花屋の従業員アンシアには注意を促されていたものの,プロポーズされ,すぐにイエスと答えてしまいます。瞬く間に三ヶ月が過ぎ,二人は互いに離れがたい存在になっていた後のことでした。しかしラファエルの母マリアが何気なく言った一言がクリスティーナの耳に残ります。「息子がとうとう私の言うことを聞いてくれてどんなに嬉しいか。身を固めなさいと言ったの。“適切な妻”を見つけなさい。でないと哀れで孤独な老人になると脅したの。」,つまり自分は“適切な妻”に過ぎないのだ。ラファエルが自分を愛しているわけではないのだ。「ラファエルは私を愛していると一度も行ったことがなかった。なのに愚かにも私は,それが彼の愛を疑う理由になると考えなかった。愛されているに違いないと信じていた。さもなければ,結婚を申し込むはずはないと・・・」。クリスティーナは婚約の解消を宣言します。ラファエルにはクリスティーナがなにを怒っているのか想像もつきませんでした。“適切な妻”という一言が何故そんなに問題になるのかということも・・・。その後一週間も互いに連絡を取らなかった二人。しかし互いに何度も連絡を取ろうとしていたのですが,最後の一歩が踏み出せないでいるのです。そんなやきもきした状況が続き,ついに最近知り合った女性シンディを利用してパーティを開き,クリスティーナに見せつけて嫉妬させようと画策しますが,現れたクリスティーナのけばけばしい服装を見,男性陣がクリスティーナに興味津々な様子を見て,逆に自分が嫉妬に駆られてしまい,パーティはさんざんな結果になってしまいます。そして自分から去ろうとしているクリスティーナをこれ以上放ってはおけなくなってしまうのでした。
 かつての結婚の失敗から女性の愛を信じられなくなってしまったラファエルが,クリスティーナの真心に触れて,自分を解放していくまでの顛末を描いた成長譚です。飾り気がなく,純真で育ちの良いクリスティーナの人物造型が光るオススメ作品です。


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愛し子の肖像 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1320
愛し子の肖像 A Natural Mother 1997」
キャシー・ウィリアムズ 藤村華奈美





 原題は「生みの母」
 ヒロイン:アンジェラ・フィールド(25歳)/美術教師/澄んだ穏やかな目,金髪/
 ヒーロー:ニック・キャメロン(?歳)/多国籍企業経営者/黒髪,灰色の瞳,精悍な男らしい顔/
 ニックの姉アマンダとその夫クリーヴのストリートマン夫妻が車の事故で命を落としてしまいます。アメリカ人のニックの元に8歳になる夫妻の養女ナターシャが預けられますが,多忙で仕事一筋のニックには姪に対して十分に対応することは出来ません。次第にナターシャが学校に不適応を起こしてしまいます。それより少し前,姉アマンダの知り合いという女性からナターシャのナニーを引き受けても良いという手紙が来ていました。ロンドンに戻った方がナターシャにとって良いかもしれないと考えたニックは,家政婦のエヴァに少し超過勤務をさせてナターシャの面倒を見させていましたが,次第に反抗をつのらせ,学校でも全く勉強に身が入らず,友達もいないと面談でいわれ,先の手紙の主に連絡を取ることにしたのでした。その女性こそ,ナターシャの生みの母アンジェラだったのです。勿論そのことはアンジェラにとってはニックにもナターシャにも秘密にしておきたいことでした。高校生だった17歳の時男の甘言に乗せられてついて行ってしまい,予定外の妊娠をしてしまったアンジェラ。彼女自身は頼れる兄弟姉妹も母親もなく,いるのはアルコール中毒の父親だけ。その悲惨な生活環境の中に娘を住まわせることだけは絶対に避けようと,ナターシャを里子に出すしか方法がなかったのです。幸いストリートマン夫妻は娘の成長を毎年写真とともに送ってくれ,何か大きな病気にかかったりしたときも連絡をくれていました。しかし,しばらく連絡が取れなくなっていたので不安に思い,調べてみると,事故で二人ともなくなり,叔父の元で育てられるようになったことが分かり,思い切って手紙を出してみたのでした。その後数週間も返事がなく,諦めかけていたところに面接をしたいと連絡があり,娘に会えるのではないかと期待を膨らませながらイギリス中部からロンドンに出てきたのでした。1カ月の試用期間で結果を出せば継続するという条件で3人での暮らしが始まります。初めは反抗心一杯のナターシャでしたが,アンジェラは自分の娘と一緒にいられるという歓びに浸って幸せでした。思いつきで始めたナターシャをモデルにしての人物画を描き始めた頃から少しずつナターシャの気持ちもほぐれ,学校でも学習に真面目に取り組むようになって行きます。アンジェラが独身のニックの家に住み込んだということを聞きつけたニックの元恋人で会社の財務部長フィリッパ・エイムズがここで登場します。アンジェラの魂胆を疑い,ニックに想いを寄せないようにと釘を刺すために嫌みを言い,自分がニックと結婚したら真っ先にアンジェラをクビにしてナターシャを寄宿学校に入れてしまうからと脅迫めいた言葉を吐いていきます。これをニックに告げ口すれば良いのにと読者は思うのですが,ナターシャが傷つくことを恐れてアンジェラは怒りを飲み込みます。と同時にいつか自分がナターシャの実母であることが分かってしまうのではという不安と,なぜか始めに会ったときからニックに惹かれてしまった自分の気持ちもあり,このことをニックには告げずに済ますのでした。自分などよりもフィリッパのような美貌と知的能力と育ちの良さをもつ女性こそニックにふさわしい,例えそこに愛がなくとも,と自分に言い聞かせるアンジェラ。しかしフィリッパのような底意地の悪い女性にニックが捕まるとかわいそうだという気持ちも芽生えてきます。そして17歳の時の嫌な記憶から,男性とは最後まで関係を持つことが出来ないというトラウマにも苛まれます。そんなアンジェラの行動をニックは自分にお預けを喰わせるだけの狡猾な女性というふうに誤解するのでした。そしてフィリッパの脅迫を受けた直後,アンジェラはニックを誘惑しにかかるのですが・・・。あるパーティの席にニックはアンジェラを同伴していきます。そしてバルコニーで身を寄せ合う二人をアメリカ出張だと思っていたフィリッパが突然現れ,二人を難詰するのですが,それに対してニックは決然とフィリッパに首を言い渡します。そしてその脚でニックの家に行き,アンジェラの秘密にしていたニックの姉から送られていた写真と日記を見つけられてしまいます。と同時にアンジェラが実母であることをナターシャに告げたらしく,帰宅後気付いてみたらナターシャは行方不明になってしまったのです。半狂乱でナターシャを捜し回るアンジェラ。そしてかつて住んでいたストリートマン夫妻の家の納屋で隠れるようにしゃがみ込んでいたナターシャを発見するのでした。即日アンジェラはイギリス中部のかつていたフラットに戻り,以前勤めていた学校に復帰できることが分かりました。
 いつしかニックを愛するようになってしまったアンジェラ。しかしニックには愛されていないというその切ない想いと,ナターシャへの母としての愛,この二つの思いに板挟みで揺れ動くアンジェラの気持ちが克明に描かれた作品です。登場人物も少なく,まるで舞台芝居を見ているかのような気分にさせられる作品です。20年ほど前の作品ですが,古さを感じさせないのは,テーマがしっかりしているせいでしょう。フィリス・ホールドーソンの「花嫁の告白(SHALOCKMEMO1311)1994」とほぼ同じ設定ながら,二つの作品は全く印象は異なります。それはヒロインの人物造形や生い立ちの違いなどが大きく影響しているからのように思います。


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契約関係 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1299
契約関係 Wife for Hire
( Blackmail Brides 1 ) 1999」
キャシー・ウィリアムズ 原 淳子




K-413
16.07/¥670/156p

I-1389
00.11/¥641/156p


 原題は「雇われ妻」
 ヒロイン:レベッカ・ライアン(?歳)/寄宿学校教師兼舎監/175センチの長身,教師にふさわしいとは決して思えない豊かなバストと体の曲線,肩の長さの金褐色の髪/
 ヒーロー:ニコラス(ニック)・ナイト(?歳)/実業家/漆黒の髪に黒い瞳,彫りの深い顔立ち,ギリシア系イギリス人/
 原題は妻として雇われたという意味ではなく,家庭教師として雇ったけれど,妻にしたという感じでしょうか。16歳の少女を突然元妻の元から引き取ったものの手に負えず寄宿学校に入れた富豪のニコラス・ナイト。その娘エミリー・パーは離婚した妻ヴェロニカ・パーが亡くなり,オーストラリアからロンドンのニックの元に来ました。しかしティーンエイジャーの娘との関係を築くことが出来ずにいます。学校からの呼び出しに応じて不承不承校長室に顔を出すとそこには校長の他に見知った顔を見つけます。娘の寮の舎監をしているレベッカ・ライアン教師。かつてレベッカが10代の頃ニックと2週間ほど付き合った女性でした。何も言わずに自分の元を去って行方をくらましたレベッカが再び自分の目の前に現れ,しかも娘の学校の教師だったとは・・・。ニックの気持ちが再燃しますが娘は誰とも言わない男性との間に関係を結び妊娠したというのです。学校は退学にせざるを得ない。でもエミリーは問題行動を繰り返してはいるが頭脳は明晰で家庭教師の下で正しく導かれれば出産後に大学進学も可能だというではありませんか。それならとニックは一計を案じます。つまり自分と娘が落ち着いて話が出来るようになるまでレベッカに家庭教師をしてもらえないかという提案です。提案と言うより,生徒の監督を怠った学校への仕返し的なニュアンスを感じたレベッカでしたがニックが謝礼はたっぷりはずむという言葉に動かされた校長までがこの提案に乗り気になってしまったのでした。とりあえず学期休みの数カ月間はニックの家でエミリーの指導に当たることになったレベッカ。なんとか親子関係を修復しようと二人の会話の間に入り込んでいき,次第に二人が近づくと喜びを感じるのでした。しかし,ニックがレベッカにちょっかいを出し始めたので戸惑ってしまいます。ちょっかいがいやなのではなく,それに応じてしまう自分が許せなかったのです。ニックのガールフレンドのフィオナはニックが追い出してしまいます。自分の思いが通じたと思い,エミリーは少しニックに心を開き始めます。そして3人はエミリーの妊娠という問題に取り組もうと南仏ブルージュ近郊の村の農家で1カ月の休暇に入ります。ニックも仕事は持っていますが夕食は必ず3人でという提案をしっかり守るのでした。落ち着きを見せてきたエミリーは毎日午後に勉強の後の自由時間が与えられるようになります。そしてその時間にニックはレベッカを誘惑し,レベッカもまたニックへの思いをつのらせていくのでした。そして1カ月後,エミリーを捜しに町に出たレベッカをニックも追いかけ,エミリーがバーで男性と笑顔で会っているところを発見した二人。驚きで叱責したニックについ真実を告げてしまったエミリー。妊娠は嘘だったのでした。もはや休暇は何の意味ももたなくなりました。ロンドンへ帰り,次学期から転校して学校に通うことになったエミリー。もう自分の役割は終わったとナイト家を去る決意をしたレベッカも,前の学校に戻る前に数ヶ月臨時の仕事を得ることが出来ました。そして寮を出たからには住む家を,出来れば自分の家を持ちたいと捜していたところ格好の旧家が見つかります。すぐに契約とと思った矢先,別の人が即金で契約しようとしているという情報が入りレベッカは愕然とするのでした。翌日早速物件を訪れてみるとそこには・・・。
 自分の要望に自信を持てないレベッカですが,そのレベッカの良さを見抜いて愛していくニックとエミリー。見る人が見れば外見も違って見えるのですね。そしてなにより人の価値は決して外見だけではなくその能力や思いやりなどが重要なのだということを改めて感じさせる作品です。


タグ:イマージュ
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永遠に失われた初夜 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1269
永遠に失われた初夜 The Wedding Night Debt 2015」
キャシー・ウィリアムズ 山科みずき





 原題は「初夜の負債」
 ヒロイン:ルーシー(ルース)・ルイス(24歳)/ボランティアの教師/葦のように細い175センチあまりの長身,バニラブロンドの髪,数学学士/
 ヒーロー:ディオ・ルイス(?歳)/実業家/漆黒の髪,ブロンズの肌,銀灰色の瞳,黒く濃いまつげ,引き締まった口もと/
 6月20日刊の作品がダウンロードされましたので,購入した作品を整理しました。出版順からすると逆ですが,本作から読み始めました。ノンシリーズ作品です。5月刊の「いけない魔法(SHALOCKMEMO1246)」のヒロインが小学校教師でしたが,本作のヒロイン,ルーシーはあまり環境の良くない地区にある民間の放課後クラブ(児童館のようなもの?)でボランティアとして働きます。2年前,会社社長の娘だったルーシーが憧れていたハンサムなディオからプロポーズされときは天にも昇るような気持ちでした。育ちが良く世事に疎かったルーシーは,このプロポーズが企業買収がらみの便宜的なものだという婚約者と父の話を立ち聞きしてしまいます。「父は娘を身代わりに生き延び,ディオは大金を積むだけでは手に入らないものを,つまりは家柄の良い妻を得るというわけだ。」ということに気付いたルーシーですが,父から認められたいと幼い頃から頑張ってきたルーシーはおとなしくこの便宜的結婚に従います。それから一年半もの間,ルーシーは夫の社交的な行事に付き合い,寝室は別にするいわゆる仮面夫婦を演じてきたのでした。柳の木のように細く,髪はブロンドに輝き,圧倒的な美しさを備え,華やかな容姿の下に汚れのない気品を漂わせ,気高い美しさはモデルや社交界の女性たちも及ばない理想的な妻をルーシーは演じ続けます。そして,父の死。ルーシーはもはや仮面夫婦を演じ続ける意味は無いと判断して,ディオに離婚を申し出ようとするのです。しかしルーシーは自分の父が会社の経営を悪化させてしまったというぐらいのことしか父を理解していませんでした。実は父ロバート・ビショップはあくどい手法でディオの父を苦しめていたのです。そのためディオは復讐のため会社の乗っ取りを計画していたのでした。ルーシーはいわばそのためのおまけに過ぎなかったのです。おまけで結婚した女性,ところが,ディオにとってルーシーはそれだけの存在ではなく「彼女の顔立ちの何かが常に彼の心をとらえる。あからさまな性的魅力は無いし,親しみやすい美しさでもない。それでいて,彼女のもつこの世のものとも思えない魅力についてささやく声が,いつも彼の心を引きつけてきた」のでした。すでにこの時点でディオはルーシーを愛していたのです。離婚をいいだした妻に対し,この気持ちをあからさまにしたくないディオのプライドがルーシーを引き留めるのをためらわせます。そして,気付いたときにはルーシーはもう家を出ていたのでした。
行方を捜し当てて再会したルーシーは,白いTシャツに色あせたジーンズをはいてポニーテールに髪を結んだ若々しい女性に変身していました。これまで見たこともないルーシーの姿にディオは逆に若さと性的魅力を感じてしまうのです。そして家に戻るように説得しようとするディオにルーシーは真っ向から立ち向かおうとします。「そう,私はディオを憎んでいる。彼は不純な動機で私を結婚に追いやった。」教師になりたいという夢を結婚という檻の中に押し込めてしまったディオから逃れ,今は環境の良くない地域の恵まれない子供たちに勉強を教えるボランティナの教師として働いていたのです。しかしディオはこの環境の良くない地域に自分の妻が生活していることに危機感を持ちました。そしてルーシーが教えている崩壊しそうになっている建物を改装してやるから家に帰るようにルーシーを説得しようとするのです。お金で何でも解決できると考えているディオにルーシーは再び憤りを感じます。そしてそんなディオに惹かれている自分の体に最も憤りを感じてしまうのでした。その後のディオの素早い行動力に押しまくられるルーシー。そしてそれに気持ちは反抗しつつもつい従ってしまうルーシー,これまで父に従い,夫に従ってきた習性から逃れられない自分にいらだつ気持ち,そんな複雑なコンプレックス状況の中で,「ディオはプライドが高くて,頑固で,でも私はそんな彼をどうしようもなく愛している。」そして,その気持ちをディオに知られたくないというかなりねじ曲がった状態のルーシーでした。そして,昔語りに自分の父とディオの父のトラブルを聞き,自分が如何に世間知らずでディオの言葉を勘違いしていたかを知ったルーシーは・・・。キャシー・ウィリアムズお得意の揺れ動く主人公たちの気持ちの変化を見事に描ききった作品です。


タグ:ロマンス
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いけない魔法 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1246
いけない魔法 A Pawn in the Playboy's Game 2015」
キャシー・ウィリアムズ 春野ひろこ





 原題は「プレイボーイのゲームの駒」
 ヒロイン:ローラ・リード(26歳)/小学校教師/豊かな髪,ふっくらした柔らかそうな唇,不思議な魅力のあるハート型の愛らしい顔立ち,鼻にそばかす,小柄で豊満な体型,緑色の瞳/
 ヒーロー:アレッサンドロ・ファルコーネ(?歳)/実業家,企業グループの代表/ロンドンのペントハウス在住/
 頑固者の父と気まずい関係が続いてもう何年にもなります。スコットランドに住む,すっかり老いてしまった父の健康を気遣い,自分の近くのフラットを準備しようとしたアレッサンドロですが・・・。アレッサンドロは7歳で寄宿学校へ追いやられ,休暇になるとスコットランドの,広く寒々とした屋敷に帰ってきてはいましたが,父との関係にぬくもりは感じられませんでした。財産を受け継ぐことを拒否し独力で現在の企業グループを築き上げたアレッサンドロ。父ロベルトは10年前までは企業帝国を率いて君臨していましたが,今はただの老人になってしまいました。ただ敬意だけは絶やさず,父との関係は維持してきたアレッサンドロですが,ロンドンの自分の近くに住み,万一の場合にも最高の医療を受けさせ,自分もすぐに駆けつけられるようにと考えたのでした。すっかり準備を整えて父のもとへとやって来たのですが,父からは了承の返事をもらえません。アレッサンドロの知る限り現在の父は使用人と植物を相手に朝から晩まで家に閉じこもっている様子です。そんな時,父の元を若い女性が訪れます。すっかり父の通いの使用人ではないかと疑うアレッサンドロに,その女性ローラ・リードはロベルトに会いに来たと言います。ひょっとして若い愛人?アレッサンドロはローラを父の財産狙いの女性と勘違いしてしまうのでした。自分のことを父の友人だと主張するこの若い女性にふとアレッサンドロは興味を持ちます。これまで刹那的な関係で付き合ってきたモデル体形の美女とは違い,ハンサムな自分に媚びを売らずしかも出るべきところは出ているような女性らしい体型の女性に,これまでとは違った魅力を感じたのです。かつてロンドンで秘書として働いていたローラは,上司の男性が既婚者であることを知らずに関係を持ち,裏切られたことに失望して辞表を出し,スコットランドの祖母のもとに帰り,小学校で教師をしていたのでした。隣人であるアレッサンドロの父とは,園芸の趣味が一致し,またチェスの相手として館を訪ねたりしていたのです。息子からこの地を離れてロンドンに移るように言われていることをローラもロベルトから聞き及び,気の置けない話し相手に囲まれている今の暮らしを離れることをいやがっていることを知っていたのです。父に疎まれていると言うアレッサンドロに対して「ロベルトにだって落ち度はあるかもしれない。だけど,あなたの方は何の努力もしていないじゃない。ずっと父親を知ろうとする努力さえしなかった。」と責めるような言い方をするローラをアレッサンドロは強く否定しながらも,父親のことをさっぱり知らないことに気付くのでした。ローラの祖母とロベルトは友人のように互いに言いたいことを言い合っている様子を見て,アレッサンドロは父の別の一面を見たような気がし始めます。「祖母はロベルトにもノーと言える人なの。祖母が彼にああしなさい,こうしなさいと言うと,ロベルトは子羊みたいに従うわ。」とローラに言われ,父がこの地に住むことを認めつつも,もっとこじんまりした便利な家に移住することを望むようになったアレッサンドロ。互いの妥協点としてそれが最も現実的なことになっていきます。ローラに惹かれる思いを我強くなっていくアレッサンドロですが,ローラの方もアレッサンドロと一緒にいることが,かつて男性に裏切られた心の傷を忘れさせてくれる楽しみにもなって行きます。もう二度と男性との関係を持つまいと思っていたローラですが「あの決意をしたのは彼と出会う前だった。この世界のどこかに私の慎重な人生計画をすっかり忘れさせるような男性がいるなんて,当時は思ってもみなかった。こと男女の関係となるとアレッサンドロ・ファルコーネは奪う人だ。」という気持ちの変化に戸惑い,しかし「自分の家庭を持ちたいとも思っていないし,愛というものを信じていない。一人の相手を愛し続けることも出来ない。彼は私が嫌悪するものの象徴とさえ言える。」と自分に納得させようとしますが・・・。遂にはローラは自分の欲望に負け,アレッサンドロと関係を持つことを決意します。そしてアレッサンドロと父との和解の時がやって来ます。妻を亡くしたとき絶望のあまり二人の間の息子の存在すら妻を思い出させるからと敢えて遠ざけてしまった父の気持ちを知り,アレッサンドロは再び人を愛する勇気を持とうと決意するのでした。父にローラとの関係を問いただされたアレッサンドロは「特別な絆」が生まれていると返答します。ローラにはこお「特別な絆」が何を意味するかいぶかしげに思いますが,そんな時ロベルトと祖母から意外な提案が為されます。アレッサンドロと二人で休暇旅行に行ってきなさいと言う提案です。カリブ海の別荘に出かけた二人。そこでローラはアレッサンドロがいかにお金持ちであるかと言うことを肌で実感するのでした。しかしそのことよりも自分が如何にアレッサンドロを愛し始めているかに気付いて,心の傷を癒やすどころではなく一生をこの男性と過ごすことを真剣に考えるようになります。しかし彼の気持ちは・・・。アレッサンドロもまた「どうして僕は相変わらず彼女が欲しいのだろう。彼女が去ることを考えるとなぜ不安と困惑に襲われるんだ?」とローラへの気持ちが真剣なことに気付くのでした。しかし互いに素直な気持ちを言い出せない二人。イギリスに帰った二人が互いの気持ちに素直になれるときはいつなのでしょうか。
 トリニダード・トバコ出身の作者が,カリブ海の美しさと魅力をうまく作品に生かした愛にあふれた作品です。


タグ:ロマンス
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百本のバラに抱かれて [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1203
百本のバラに抱かれて Bound by the Billionaire's Baby
( One Night with Consequence 7 ) 2015」
キャシー・ウィリアムズ 柿沼摩耶





 原題は「大富豪の赤ちゃんのとりこになって」
 ヒロイン:スザンナ(スージー)・サドラー(25歳)/イラストレーター/茶色の大きな瞳,ブラシをかけたか定かではない無造作にカールしたストロベリー・ブロンドの髪,ふっくらした唇
 ヒーロー:セルジオ・ブージ(32歳)/実業家/漆黒の髪,どこか異国の遺伝子を示唆するブロンズ色の肌,彫りの深い完璧な顔立ち,ネイビーブルーの瞳/頭が良くキャリア志向の強い女性が好み
 最後に生まれた女の子はジョージーナ・ルイーズ・フランチェスカ・ブージという長い名前になりましたが,両方の母親の名前を取っているようです。こういう長い名前のときは普段はなんと呼ぶのでしょうか・・・。女性なら誰しも付き合いたいと願う大富豪,セルジオ。両親の不和を見て育ち愛を信じられず,女性との付き合いも刹那的なものしか求めず,割り切った関係だけを求めてきたヒーローが,最終的には実の両親が「出会いは見合でも,真実の愛が育まれたのだ」と考えられるようになったきっかけは,ヒロインとの生活でした。身長160センチほどの小柄で,しかもモデル体形ではなく女子らしいふっくらした体型。セルジオは普段付き合っている女性とは異なるその体型に魅力を感じたのです。そして何一つ自分の主張に「ノー」と言わない周囲の人たちと違って,何かとおしゃべりで,しかもこちらの言うことには正直に「ノー」と言う頑固な女性。それがスージーでした。きっと自分との交際を狙った新手の出会い方だと思ったのは,自分の経営するレストランで食事をしようといていたとき突然目の前に座り,少しの間座らせてくれないかと無理やり頼み込んだ女性がコートの下に真っ赤なワンピースを着た肉感的な女性だったからでした。きっと幾人かの男性の相手をし,自分を金持ちだと知っているに違いない。そう思っていたセルジオですが,反面純真さも垣間見えるスージーにちょっと興味を持ったのでした。スージーは富裕な家族の出ですが,姉アレックスはバリバリのキャリアウーマンで美女。従姉妹の結婚式が間近に迫り,親族の中でももっとも期待されていない末っ子。しかも定職に就かず,絵を描いて暮らしているという変わり種。しかし独立心が強く,親が買ってくれたロンドンのフラットではなく,場末のアパートでの暮らしにガマンしているのでした。互いの存在が忘れられずに一夜を共にしてしまった二人ですが,その時スージーのお腹にセルジオ二世が宿ります。そのことに気付いたスージーはなかなか言い出せません。二人の関係はかなり良い段階にまで達していたのですが,セルジオに将来の生活を共にすることは鼻から考えていないときっぱり宣言されたスージーは,妊娠を告げた時は二人の別れの時とわかっていたからです。しかし,アメリカ出張中のセルジオが,帰郷している従姉妹の結婚式の会場に現れ,両親や親族とも会ってしまったとき,やっかいなことになってしまったと焦りの気持ちをもちます。きっと両親はセルジオと自分のウエディングベルを聞くのも間近だと思ったに違いない,それなのに自分は妊娠をセルジオに告げ,別れなければならない,と。その夜セルジオの泊まっているホテルでふたたび関係を持ったスージーは,ついに事実をセルジオに告げるのでした。しかし,スージーが思っていた展開とは異なり,セルジオはスージーにプロポーズするのです。「愛のない結婚は」互いにみじめになるだけ・・・。やがて自分は捨てられるに違いない。と思っているスージー。
 しかし,ここからのセルジオの行動は模範的でした。母体のことを考えてロンドン近郊で騒がしくない場所の一軒家を買い,居心地の良いように家具を整え,スージーのアトリエをしつらえ,スーパーにも一緒に買い物に出かけ,日に何度も電話をして様子を聞き,しかも自分には触れようともしない。そして一度断った結婚のこともその後口にしない。ただ自分と子どものことだけを心配する。そんな期間が何ヶ月も続きます。あと2ヶ月半で予定日というとき,身体に違和感と痛みを感じたスージーを素早く病院に連れて行き,一緒にいて励ましてくれる。そんなセルジオの様子に,スザンナはひょっとして,将来を共にすることをセルジオはいやがってはいないのではナイだろうかという期待も膨らむのですが,セルジオの陰に感じる他の女性の存在や,怖れから,あえて思いとは逆のことを口にしてしまうスージーに,セルジオは意外な言葉を言い出すのでした。女性にとってまさに理想の男性セルジオが描ききられていて,白馬の王子様を夢見ながらも,自分に自信がなく,自分の気持ちと逆のことを言ってしまうスージーが,とても愛らしく描かれた秀作です。読後感も充実の,シリーズ最新刊です。


タグ:ロマンス
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