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天駆ける騎士 [ハーレクイン文庫]

SHALOCKMEMO495
天駆ける騎士 Knave of Hearts 2001」
シャーリー・アントン Shari Anton sharianton.com 小長光弘美





「はるか昔の短いつきあいでお互い初めて情を交わした相手」であるスティーヴンとマリアン。そのマリアンと再会したとき,二人の情熱は再燃します。
しかもマリアンには双子の姉妹,オードラとリサがいて,その父親がスティーヴンであることは,スティーヴンには隠していたのです。スティーヴンはマリアンのいとこのキャロリンと便宜上の結婚を使用しており,キャロリンに結婚を申し込んでいるエドウィンとのあいだで,キャロリンの父の許しを得るために領地経営をめぐっての競い合いをすることになってしまいます。
こんな,四人の男女と,四人をめぐる周囲の人々との関係がところどころに見え隠れする複雑なストーリーを,シャーリー・アントンはすっきりと読者に見せながら,興味を引っ張っていきます。
ここで,12世紀初頭のころは,双子というのが忌まわしい存在であると信じられていたことが興味を引きました。スティーヴンの兄ジェラードの妻,アーディスと兄のコーウィンも双子です。このシリーズの第1作「王の定めにより」では,アーディスとコーウィンが双子であることが,ストーリーの展開上重要な役割を果たしていました。そういう意味では,本作のオードラとリサは,スティーヴンとマリアンとの関係においては,この双子の存在が重要なファクターになっていることは言うまでもありません。斜麓駆の興味を引いたのは,双子の近くを通り過ぎる農民が密かに十字を切ったりすることが記されているからです。中世のころのこと,このような迷信がはびこっていたのですね。
さて,スティーヴンとマリアンは,6年前にも出会っていたのですが,スティーヴンの周囲で様々な事件が起こり,あちらこちらと出かけることが多かったことや,もともと家にじっとしている方ではないことから,マリアンはすっかり忘れられた存在だと思っていましたが,はじめに出会ったときの二人は互いにまだ若く,相手を愛しているかどうかすら確かめることはしなかったのです。6年間という年月は二人に大人の,愛と欲望の違い,家族と過ごすことの大切さなど様々なことを学ばせていたのでした。
しかし,スティーヴンはマリアンの従姉のキャロリンに結婚を申し込んで,その返事を待っている身。互いの愛を確認しあったからといって,おいそれとプロポーズを取り下げられない事情もあったのです。キャロリンを傷つけずに,キャロリンの方からスティーヴンの申し込みにノーを言わせたい。そのために,スティーヴンがエドウィンに勧めたことは・・・と,ご想像のとおりです。
邦題の「天駆ける」は,実家のウィルモントには鷹狩り用のすばらしい鳥たちがいること,そしてスティーヴン自身が鷹のように,いったんねらった獲物は逃がさないというような意味が込められているのでしょう。


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