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想いを秘めたプリンセス [クレア・デラクロワ]

SHALOCKMEMO644
想いを秘めたプリンセス The Princess 1998」
クレア・デラクロワ 文月 郁





 原題は[The Princess]ととてもシンプルですが,クレア・デラクロワのタイトルはどれもシンプルなのが特徴です。本作は[Bride Quest]シリーズの第1作で,全6作品が発表されているようです。クレアのヒストリカル・ロマンスは,以前からハーレクイン・ロマンスからの翻訳が当たり前のように感じていましたので,このミニ・シリーズが扶桑社ロマンスとして出されたのは,最近のヒストリカル・ロマンスがハーレクインだけでなく他の出版社からの翻訳が多くなっていることと関連しているのでしょうか。
 さて,物語ですが,アイルランドの簒奪者として名をはせているイングランド王ヘンリー二世に仕える騎士ギャビンには,3人の息子がおりました。長男リュック,次男で最も人気の高いブルク,三男は人を笑わせるのが得意なローワン。三人はそれぞれ母親が違います。アイルランドで最も豊かで広大な領地を誇るトゥリムラーにギャビンは攻め入り,領主コナーはヘンリー二世に領地を召し上げられてしまいます。そして簒奪者であるイングランド王はギャビンの三人の息子のうち一人にこの領地の管理を任せることにするのです。が,そこに立ちふさがったのはコナーの娘ブリアンナ。この地を治めるにはブリアンナとの結婚が条件なのですが,逆にブリアンナは三人の息子のうち自分を最も長く大きな声で笑わせる贈り物を贈ってくれる人と結婚するという条件を出します。二人の弟がすぐに父親の命に従って城を後にしたのを長男のリュックは見送り,城に残ります。その後場内では様々な事件が起こるのですが,リュックとブリアンナの間には少しずつ互いを信頼する気持ちが芽生えていきます。半ばで次男のブルクがサーカスの一団を贈り物として城に連れ帰りますが,ブリアンナはすでにリュック以外との結婚は考えておらず,周囲が大笑いしているときもブリアンナは必死に笑いをこらえ,ブルクは父親から大目玉を食らうのでした。そのちょっと前にトゥリムラーに帰還した守護騎士のルアークは帰還後すぐにギャビンによって地下牢に閉じ込められていましたが,数日でギャビンに忠誠を誓い,ブリアンナから「トゥリムラーのバラ」という名の財宝のありかを聞き出そうとします。ブリアンナもその美貌によりトゥリムラーのバラと呼ばれているのですが,さらにコナーが戦地から持ち帰った財宝があるのではないかと考えられていたのです。
 財宝か愛か,騎士としてどちらが大切か,「騎士道」と「愛」が本書を貫く大きなテーマです。そして感動の終末を迎えます。今月読了本最大の傑作です。


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夜が来る前に [クレア・デラクロワ]

SHALOCKMEMO353
夜が来る前に My Lady's Desire 1998」
クレア・デラクロワ Claire Delacroix 上木さよ子
HQB-69/07.02/\720/381p



夜が来る前に

クレア・デラクロワのヒストリカルロマンス,サイェルヌ3部作の一つ。    SHALOCKMEMO259の「夜は甘く妖しく My Lady's Champion 1996」では「帰国したクインは大領主テュレのお館様に呼び出され,隣接するアノシーの女領主メリサンド・ダノシーと祝言を挙げ,跡継ぎが生まれたらサイェルヌ,アノシー両方の領主にすると持ちかけられる。自分の領地を再建することのみ考えていたクインは結婚はずっとさきの話だと思っていたし,メリサンドにしても自分が領地を治めることを認められると思っており,二人は互いに反発しあう。しかしテュレのお館様の策略から,その夜二人は婚礼をあげることになってしまう。
あとは,二人の気持ちが次第に明らかにされ,しかもすれ違いを時々みせるため,周囲はお似合いの二人と思っていても互いの気持ちを寄せ合うことは最後の最後までない。
聖地でクインの命を救い,ともに帰国した騎士のバヤール,メリサンドの侍女で気の強い娘のベルト,敵役で以前はメリサンドの婚約者だったアルノー・ド・プリヴァなど配役は出そろい,それぞれに個性を十分発揮している。」と書いている。
本作でも,テュレのお館様,クイン,メリサンドらが顔を出すが,ヒーローはクインの異母弟イヴ。ヒロインはペリコーの前領主の未亡人ガブリエル,そして一粒種トーマ。敵役はペリコーを奪取したトルヴェーヌの領主フィリップ・ド・トルヴェーヌと裏切り者の傭兵セムール・ド・クレシー。
誠実さや騎士道,言葉に与えられた重みなど,現代社会が失ってしまった人として大切なことが十分に描かれている好著。特にガブリエルの女性としての芯の強さが光る一作。


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