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罪深き婚礼 [デボラ・ヘイル]

SHALOCKMEMO346
罪深き婚礼 The Elusive Bride 2000」
デボラ・ヘイル Deborah Hale 沢田 純



罪深き婚礼
HQB57/HS-134
06.11/\714/371p


デボラ・ヘイル2000年の作品。ソフトカバー版は2002年4月刊。4年半で文庫化は速いほうではないが,本作が翻訳ではデビュー作となる。デボラはほぼ半年に1冊ペースで1999年から長編を発表しているが,ヒストリカル・ロマンスの他にファンタジーの作品もあるらしい。




さて,本作だが,モード女王の時代。ブランサム城の跡取り娘セシリー・タレイル Cecily Tyrell (綴りからするとタレイルではなくタイレルのように思えるが)は求婚者 フルク・ドゥボワサールを嫌っている。そんなときローアン・ドゥコートニー Rowan DeCourtenay (これもローワン・ドゥクールトネーの方が近い気もするが) が現れる。亡妻ジャクエッタに裏切られた経験を持つローアンはセシリーに惹かれながらも,騎士道精神に溢れた,いわば正統派の騎士。自分のものにしようとするより,守るべき対象として自分を思い込ませようとする。憎むべきフルクとの騎馬槍試合に勝利するものの,フルクの悪巧みでセシリーは誘拐監禁されてしまうが,賢く,勇気のあるセシリーは監禁を逃れ冒険の果て,かつていた修道院では相当怖い存在でゴリアテと呼んでいたシスター・ガータ(なかなか憎めないすばらしいキャラクター)の助けなどを借りながら危機を逃れる。ローアンを信じ,健気に愛する人を信じるセシリーに万歳。

花嫁の醜聞 [デボラ・ヘイル]

SHALOCKMEMO338
花嫁の醜聞 A Gentleman of Substance 1999」 
デボラ・ヘイル Deborah Hale 辻 早苗



HS-277/07.01/\910/284p
花嫁の醜聞


リージェンシー。「花嫁の醜聞」はナポレオン戦争に参戦する前夜に愛を交わしてしまい身ごもったヒロインルーシーの行為をさすのだが,相手のジェレミーは参戦してすぐに亡くなってしまう。さらには,ルーシー以外の女性との間にも子供をもうけていたという事実が後から判明する。このことから,「ジェレミーの醜聞」というべきところだが,当の本人が死んでいるのだから始末が悪い。 “夫の権利”,“教会と国家の掟によって”定められた夫の権利。リージェンシーでも,それに従わない新しい価値観を描く作品が多いなかにあって,本作は正面からそれに取り組んだ作品。そのことからすると,「炭坑の落盤事故」や「女性誘拐拉致事件」すらもなんでもないことのように描かれてしまう。さらには,自分の領地の経営や事業の管理に打ち込むドレイク・ストリックランド子爵のような存在は当時の貴族社会では軽蔑の対象になっているという価値観。そして,難産を投げ出してしまう医師など,当時の価値観と葛藤がみごとに描かれている好著。

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勇者は死なず [デボラ・ヘイル]

SHALOCKMEMO303 
勇者は死なず The Last Champion 2004」
デボラ・ヘイル Deborah Hale ささらえ真海





勇者は死なず
1143年 イングランド,ノーフォーク


ハーウッドの女領主ドミニ・ドモントフォードと元領主で修道士見習(助修士)アーマンドのロマンス。激しい戦いの中で,尊敬していたモントフォード卿(ドミニの父親)を誤って殺してしまったアーマンド・フランバードArmand Flambardはブレックランド修道院Breckland Abbeyに入る。厭世的な気分で毎日を祈りの中で暮らしていたアーマンドの元に,少年の格好をしたドミニが突然訪れる。領地が強力な盗賊の一味Wolf of the Fensに襲われ,女領主だけでは持ちこたえられ亡くなりつつあり,アーマンドを連れ戻そうとしにやってきたのだ。自らが犯した殺人の後悔から二度と剣をもつまいと誓ったアーマンドだが,修道院長の勧めもあり,ドミニと一緒に帰郷することにする。剣をもたずに強力な盗賊一味から城と領民を守れるのだろうか。二つの矛盾した約束と誓いの中で苦しむアーマンド。そしてアーマンドに惹かれながらも実際的で進取の気性に富んだドミニDominie De Montfordは,アーマンドの苦しみを理解できない。互いに二つの考えの基で苦しみながらも協力し合いながら,やがて盗賊一味との戦いに勝利を収める。しかし一度の戦いであきらめるはずのない盗賊一味。二度目の戦いの中でとらえられたアーマンドを助けるべく,単身一味のアジトへ潜入するドミニ。そして,スティーブン王とモード女王の政治的な争いも絡め,三重に絡み合った二人の関係を結びつけていくのはとてもシンプルな感情,“愛”,とヒストリカルロマンスの王道をひた走る傑作。

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