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アテネから来た暴君 [ジュリア・ジェイムズ]

SHALOCKMEMO1403
アテネから来た暴君 A Tycoon to be Reckoned With 2016」
ジュリア・ジェイムズ 馬場あきこ





 原題は「無視できない富豪」
 ヒロイン:サラ・フェアハム(サビーヌ・サブロン)(25歳)/非常勤教師,ナイトクラブ歌手,ソプラノ歌手/光沢のある長い金髪,緑色と灰色とその他いくつかの色に変化する瞳/
 ヒーロー:バスティアン・カラヴァラス(30歳代)/実業家/180センチを超える身長,黒っぽい眉,整った鼻筋,官能的な唇,逞しい顎の線/
 「いいえ,これは恋ではない。欲望だ。私が感じているのはそれでしかない。」と自分に言い聞かせるサラ・フェアハム。ナイトクラブの歌手サビーヌ・サブロンと偽ってフィリップとともにやって来た別荘で,なにかと自分の感覚に火を付ける男性バスティアン・カラヴァラスに対して,何でもないと思い込もうとします。いとこのフィリップはもうすぐ21歳になり,カラヴァラス家の莫大な遺産を受け継ぐことができるのですが,それを管理するのはバスティアンの役割でした。自分が常に女性から言い寄られて,かつて大金を持ち逃げされた経験から,バスティアンはサラの噂を聞いて,フィリップを手玉に取る経験豊富な妖婦だと思い込みます。音大卒でソプラノ歌手の彼女が場末のナイトクラブの歌手としてアルバイトをしながら,芝居の主役として(ミュージカルでしょうか)公演の練習中。「戦争の花嫁」という作品では戦争を巡る悲劇のヒロインの役柄です。この役の評価次第では,あきらめて教師としての道を歩くしかなくなるとぎりぎりのところで生活と練習とを両立させているところですが,フィリップが年上の彼女に大金をつぎ込むようなことをさせるわけにはいかないと,バスティアンは自分がサビーヌを誘惑することを決意するのです。というより,もうサビーヌに自分がどうしようもないほど惹かれてしまっているのでした。ナイトクラブの奥の席から鋭い視線を浴びせてくる長身の男性にどきりとしてから,歌い終わって控え室にその男性がやってくるのを密かに心待ちにしてしまうサラは自分の気持ちになんとか打ち克とうとあがきますが,バスティアンがフィリップのいとこだと知ります。無邪気に誘ってくるフィリップの誘いを断ると傷つけてしまうと自分に言い訳をしてフランス南部のリゾート地帯,キャップ・ピエールの別荘で,サラとフィリップとバスティアンの奇妙な生活が始まります。「サビーヌでいることは私を守ってくれる。バスティアンが仕掛ける私の感覚への攻撃から守ってくれる。」とひたすらサラであることを隠し続け,バスティアンもすっかりサビーヌだと思い込み,やがて二人は深い関係を結んでいくのでした。なかなかOKの出ないサラの役柄を象徴するアリア。その練習も行き詰まっていき,監督のマックスはサラに1週間の休暇を与えるのでした。そしてついにバスティアンがサラの正体を知る時がやって来ます。恋に破れたサラ。しかしそれは見事に役柄の肥やしになるのでした。そしてついに声楽祭の公演の日がやってきます。フィリップの財政的援助もあり,余裕を持って公演を打ち上げた劇団は,大成功のうちに無事終了します。フィリップに誘われたバスティアンですが,断りの連絡を入れ,こっそりとホールの最上段でサラの歌を見ていたのでした。そして・・・。
 ちょっともの悲しい雰囲気の漂う大人の恋の物語です。舞台もモンテカルロ,リヴィエラなど南仏の明るい光に溢れた退廃的な風景とフィリップの無邪気なはしゃぎぶりが,サラとバスティアンの暗い愛を照射し,光と影がくっきりとした見事な舞台設定になっています。


タグ:ロマンス
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